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2006/10/27

一つのことは三度目に理解される

 以前からの私の持論なのだが、

『他人に自分の考えを正確に理解してもらうには最低三回同じことを繰り返し言わなければ通じない』

と思っている。

 これをイメージしてもらうと、

一回目: わかった部分とわからない部分が混在している。大半は忘れ去られる。

二回目: あれ?この話は以前にも聞いたことがあるぞ?と思う。一度聞いた話であるため、覚えている部分はスルーして、忘れている部分を保管する。

三回目: あ~、この話ね。と自分の記憶とすり合わせる。大部分を記憶しているため、聞いた内容を自分の解釈で記憶することができる。

となる。

 よく 「私に二度も三度も言わせないでよ!」 と怒る風景をドラマや映画で見かける。私も今よりもっとずっと若いころはそういって感情を高ぶらせることが良くあった。しかし、上の持論を悟ってからは、なにかこうあきらめのような気持ちとなり、何度も同じことを繰り返し言うことが苦痛ではなくなった。実は、子育てでこれがずいぶんと役に立っていたりする。

 さらに、他人から同意を得るためには、次の三段階が必要であると考えている。

1. 理解
まず、こっちのいっていることを理解してもらう必要がある。この段階で最低三回は話を聞いてもらう必要がある、というのが上の話である。

2. 納得
話を理解してもらったうえで、さらに話を聞いて生じた疑問などを解消する必要がある。もらった質問に適切に答えてようやく相手は、「なるほど、その話にはたしかに合理的な内容を含んでいる。」 と納得してもらうことができる。

3. 同意
最後に、話の合理性に賛同してもらう必要がある。ある局面では合理的であっても、状況が変われば、あるいは物の見方が違えば合理的でなくなってしまうことは良くある。例えば、今話題の“談合”は、談合をしている企業とその内部にとっては、利益を上げるという合理性があるが、外部から見れば自分達の税金を不必要に多く取得しているという非合理にうつる。自分の立場から主張しても合理的、相手の立場から聞いても合理的な状態にもっていって初めて同意が得られる。

 営業などの交渉ごとを仕事にしている人にとっては、ごく当たり前の話であると思う。論理的には契約までこぎつけるはずなのに、先方の担当者の 「気が進まない」 といった気まぐれで長い時間をかけてきた仕事がおじゃんになった、などという話も聞いたことがある。
しかしながら、製品開発の部隊にいて、社外の顧客どころか、社内的な調整や交渉にも無関係な仕事をしていると、上記のようなことを考えずに日々をすごすこととなる。
実際、私がテスターや仕様策定の仕事をしていた頃の同じチームの同僚には、説明や説得がほんとうに下手な人が多かった。しかしながら、チームで働いている以上、たとえ開発を専門にやっていたとしても、他人の同意をいかに上手に取っていくかは、大切なスキルである。自分ひとりですべてができれば、そんなスキルも必要ないが、今の製品開発でたった一人で最初から最後までをこなすことはまずないのだから。

 私の若いころの失敗経験からの、若い製品開発者への提言である。

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