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2006/10/30

テスティング -「話を聞きに言ってますか?」 マネージャー、リーダーへの提言-

 提言シリーズの3回目である。

 私が上司として嫌いなタイプの一つに、“聞きたいことがあると、こちらの都合も考えずに呼びつける” タイプがある。そういう上司に限って、仕事に追われているわけではなく、部下のサポートのための根回しをするでもなく、いつも自分の端末であちこちのホームページや掲示板をずっと見てたり、ソリティアをして遊んでいたりする。そして、さらにその上の上司から報告を求められると、あわてて部下を呼びつけて報告させる。
普段遊んでいるという部分はおいておくとして、私が出会った上司の9割は “呼びつける” タイプの上司であった。

 そういう反面教師に多くあったせいかどうかは知らないが、私がリーダーをしたときは、特別な理由がない限り、聞きたいことがあるときは自分のほうから部下のほうに出向いていって話を聞きにいった。
以前に書いたこともあるように、1テスターの頃からいろんな人のところに話を聞きに逝くことが好きであったし、それによって得られたことも多かった。ので、部下のところに話を聞きにいくことはまったく苦にならなかった。

 なぜ、自分から聞きに行くことにしたかにはいくつか理由がある。

1. 部下の時間を無駄に使わせない
部下は当然自分の担当の仕事をしてもらっており、その仕事を効率してもらうことで、結果として開発費を低く抑えることができる。
通常上司のほうが時給が高いので、部下に雑用をさせるほうがコストが安い、という考えもあるが、私はチームの雑用(=マネージメント)をして歩くのがマネージャー&リーダーの仕事だと考えている。

2. 話を聞きにいったほうが効率が良い
呼びつけて話を聞いているときに、情報が足りなくていったん情報を取りに戻ったり、上司との所にもっていくための資料を印刷したり、と報告をもってこさせるのは意外と効率が悪い。
それよりも、部下が働いている場所に行って、みたい情報がすぐに見られるところで話を聞くほうが効率的である。特に私の仕事はテスティングであり、ひとり数台の端末をもっており、情報を印刷せずとも端末で表示できるし、テスト中のソフトウェアの実際の動きを見ながら話を聞くことも容易である。

3. 情報を知りたい側が積極的に行動すべき
“情報が欲しい” のはこちら側である。変な言い方になるが、情報が欲しい側が弱い立場だと考えた。

4. 自分が出向くことでこちらの努力が示せる
こちらが出向くことで、相手にこちらが “努力をしている” ことを知らせることができる。努力していることを見せると、たいてい見せられた側も一生懸命にこちらの質問に答えようとしてくれる。

5. 部下の仕事ぶりを見ることができる
私が働いていた部署では、ひとりひとりがパーティションで仕切られており、仕事の様子を見通すことができなかった。実際にひとりひとりのパーティション内を覗き込むことで、部下の仕事の様子を知ることができた。

 また、ひとりひとりのステータスを確認するために、いつもチーム全体を集めてミーティングをしているマネージャー&リーダーもいた。私はこういう上司のやり方も非効率で嫌いであった。
チーム内のほかの人がなにをやっているのか、どういう状態なのかを知ることはけっして無駄なことだとは思わない。しかし、個々人の上司に対するステータス レポートは他の人にとっては退屈なだけであり、私から見るととても無駄な時間の使い方に思えた。

 私ももちろんチーム全体ミーティングを定期的に行った。ただし、それはチーム全体に共有してもらいたい情報をやりとりするためだけに行い、何でもかんでもチーム全体ミーティングに詰め込むことはしなかった。
個々人のステータスは私が個々人の元へ出向いて聞き取っていった。チーム全体ミーティングでは、個々人のステータスのうち、全体に関係すると思われることを私から報告して、捕捉を本人からさせるようにしていた。上部組織からの情報もそのミーティングで伝えた。

 このような方法を取ることで、チーム全員を集めるきわめてコストの高いミーティングを必要最小限の時間で済ませることができた。その基本になるのが、上司自らが部下の元に出向いて話を聞くことである、と私は今でも信じている。

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