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2006/10/26

テスティング -「目的を説明してますか?」 マネージャー、リーダーへの提言-

 今回から “提言” シリーズを四回ほど行う予定である。
提言シリーズは、私が平社員としてマネージャーやリーダーから受けた “良い指導”・“悪い指導” を私なりにまとめたものや、私がリーダーであったときに “うまくいった指導”・“まずかった指導” を回想したものである。
内容としては、けっして “テスティング” に限ったものではない。しかしながら、タイトルに “テスティング” とつけたのは、私の “テスティング” に対する思い入れからである。また、話の内容もそのほとんどが私がテスターであったときの話である。

 初回は “目的説明の重要性” の話である。

 私がテスト・リーダーのときに採用した採用した社員が、私の次のテスト・リーダーのときに辞めた。辞めた理由は “寿退社” だったりする。で、辞めたあとに再び合って話をする機会があった。そのときに、

元社員
「マストさんがリーダーのときは、それぞれの作業の目的をきちんと説明してくれたので、とても作業がしやすかった。新しいリーダーになって、作業内容そのものしか説明されなかったので、仕事がすごく苦痛だった。」

という内容の話を聞いて、私はとてもうれしかった。「あ~、私の考えてやってきたことが間違っていなかった」 と。このことは、私の自信の一つであり、自慢の一つでもある。
ただし、余談ではあるが、その元社員が配属されてしばらくは、経験不足・知識不足ということもあり、本人にとってはかなり厳しい指導を私はしていたようであった。上記の話を聞いたときの前か後に、「仕事を始めたところは、作業内容が当時の自分にはとても高度だったため、毎晩夢の中で 『バグが出ない、バグが出ない (;´Д⊂)』 とうなされていたそうである。 |ヽ(。_ 。) ハンセー

 “目的の説明” は特別な話ではなく、ごく当たり前のこととして語られる。しかしながら、それを実践できているマネージャー、リーダーは私の経験からは少ないように思える。目的をきちんと説明するためには、本人がその目的をきちんと理解していなければならない。説明を “しない”・“できない” 多くの場合は、本人がよく理解できていないためであると思われる。理解できていないため自分の言葉では説明できずに、「これをしろ」、「あれをしろ」、「いわれたとおりにやれ」 となってしまうようである。
マネージャー&リーダー の マネージャー (上級マネージャー)がいったことを、そのまま部下に伝えるだけならば、上級マネージャーが直接全員に指示すればいい話である。そうしないのはそこに意味があるからである。同じ目的であっても、部署(プログラミング、テスターなど)によって作業内容は異なるし、アプローチも違ってくる。それを一番理解していなければならないのは現場の マネージャー&リーダー であり、彼ら/彼女らが自分の言葉で、作業目的、アプローチ、作業方法などを説明することが重要となる。

 目的が明確であると、具体的な作業がイメージしやすい。すべてのテストケースを通さないといけないのか、限定的で良いのか。先にやっておくべき作業がないのか。指示された作業内容が適切か。などである。
駆け出しか、ベテランかで、指示する作業内容の量が異なってくる。駆け出しテスターであれば、経験値が少ないため、目的を十分に理解させた後に、具体的な作業項目を指示していく必要があるだろう。目的:作業項目=50:50 ぐらいになろうか。一方、ベテラン テスターであれば、目的さえ明確に伝えておけば、場合によっては作業項目はあえていう必要もないと思われる。目的がわかれば、自然と作業項目が頭の中で組みあがるからである。もしかしたら、マネージャーやリーダーが想定していた作業よりも、適切で効率的な作業手順・項目を、担当テスターは組み立てるかもしれない。それも、目的が正確に理解されていることが前提となる。

 こんなへんぴなブログまでチェックしている優秀なマネージャー&リーダーであれば、上のようなことはおそらく当たり前のこととしてやっているであろう。また、上のようなことをあらためてやったほうがいいと思われる平均以下のマネージャー&リーダーであれば、こんなブログなど読んでいないと思われる。
 ということで、この提言はどちらかというと、「一生懸命働いていてもなんか働きにくい」、「自分のやっていることがほんとうに間違っていないのか不安である」、「なんのために今の作業をやっているのかよくわかっていない」 といった不満を抱える現場担当テスターに向けたものとなる。
 自分が、ちゃんと目的を理解していない、あるいは説明をきちんと受けていない、と考えるのであれば、上司に当たるマネージャーやリーダーにきちんと説明を求めてはどうだろうか? 一度ではダメかもしれないから、二度三度。優秀なマネージャー&リーダーであれば、きっと応えてくれるはずである。もし応えてくれなかったら・・・、そんなときはしょうがない。山にでもこもって、優秀な上司の下に移動できることを祈るしかないであろう。部下は上司を(ほとんどの場合)選べないのだから。
 ただし、時には、部下が上司を教育できる、あるいはする必要のあるときもある。そうするためにはかなりのコミュニケーション・スキルが必要なのだが。残念ながら、私にはそのスキルはなかった・・・。

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