« ユーザビリティ・テスト -テストを見るときの心得- | トップページ | 答えのわかりきった質問をしていませんか?(テレビ編) »

2006/10/22

答えのわかりきった質問をしていませんか?(面接編)

 以前にも少し書いたが、私は自分のチームの欠員を補充するために、中途採用のための面接を150人くらいしてきた。そのときに会得した面接の仕方について書きたいと思う。
人事面接を実際に行う人はおそらく少数だろうとは思うが、もしかしたら、別な何かの参考になるかもしれないと思いあえて書いてみることにした。

 最も基本となるのは、タイトルにも書いたように 「答えのわかりきった質問をしていませんか?」 ということである。これは、時間の無駄になるし、こちらの知的レベルを低く見られることにもなりかねないので、“やってはいけない” ことの一つであると思っている。
具体的には、


  「当社で働きたいと思っていますか?」

 面接に来て 『働きたいと思っていません』 とは普通答えないだろう。 「はい、ぜひ働きたいと思っています」 とかえってくるのは目に見えている。とはいえ、150人のうち一人だけ 「いや~、人材登録していたら、『ぜひ面接を受けてみませんか?』といわれて、きただけなんですよ。今すぐに今の会社を辞めようとは思ってないんですけどね~」と“正直に”答えてくれた人はいましたが・・・ (^^;)。


  「年下の上司の元で働くことに抵抗はありませんか?」

 これも、就職したくて来た人には愚問である。「年下から命令されたくありません」などと、心に思っていてもいうはずはない。いえば、明らかに不合格にされるのがわかっているのだから。ただ、私の同僚にはこの質問をする人がけっこう多かった。まぁ、「そういうこともありますから、そのつもりで入社してくださいね」的な念押しで質問しているのだろうが、私から見れば余計な質問であることに変わりはない。


  「XXX の経験はありますか?」
 求める職種の経験を聞く質問であるが、やはり大きな意味はない。同じ単語であっても企業によって定義は異なる。また、経験があるからといって、自分の求めるスキルがあるとは限らない。
では、どう質問すればいいかといえば、実際に期待するスキルを証明させればよいのである。「OOO について説明してもらえますか?」 とか 「□□□ で △△△ を実現するにはどうすればいいですか?」 といった具合である。


 とにかく、「はい」 「いいえ」 で答えられるような質問はしないほうが時間の節約になる。何しろ面接の時間は限られているのだから。
それに、みんなが想定できるような質問は、特に人材登録会社経由で紹介された人に対しては、やはり意味がない。人材登録会社の想定問答集でけっこう受け答えの練習をさせられるからである。
「自分の長所は?」、「短所は?」、「これまでの実績は?」、「なぜ当社を選択されましたか?」、「当社のどのような点が気に入りましたか」、などなど。

 最後に、私がよく使ってきた質問を恥ずかしながら記述しておく。
私の面接はテスターの補充に対してであるから、質問も必然的にテスターを前提としたになっている。また、けっこう意地悪な質問でもあるので、時に仲介をしてもらった人材登録会社の担当者からクレームをいただいたこともあったことをあらかじめお知らせする。


  「この灰皿と同じものを言葉だけで電話の向こうの人に注文してください」

 以前にも書いたようにテスターは正しく表現できるスキルが必要であると考えている。ので、その場で始めてみたであろう物をきちんと言葉で説明できるか?を見た。もちろん正解はない。が、“材質”、“縦、横、高さの大きさ”、“色”、“重さ”、“特徴的な形状” などに気がつき、きちんと説明できればテスターの資質が高いと判断した。


  「駅から当社までの道のりを英語で説明してもらえますか?」

 もしかしたら、自分でもうまくできないかもしれない。(汗) ただ、私の勤めていた企業が米国資本で、英語によるコミュニケーションが重要であったのであえて“英語で”とした。英語が完璧でなくても、英語に強い拒否反応を示さなければそれほど気にしなかった。
また、30分~一時間前のことをきちんと覚えているか?、普段何気ないことを意識してきているか?、そしてやはり、相手に伝わるように正確に説明できるか?を見た、というか聞いた。もちろん正解はない。


  「あなたが一番好きなことはなんですか? では、その***の仲間になるように私を誘ってください。」

 これも場合によっては英語での説明をお願いした。
一番好きなことは何でもよい。パソコン、映画鑑賞、バイク、クルマ、スポーツ、音楽、とにかく、そのときに自分が一番はまっているものについて熱く語ってもらった。一番好きなことであれば、いろんなことを知っていて、そのことを雄弁に語れるハズである、と考えたわけである。強い説得力を発揮できる人であれば、バグを見つけたときにプログラマーをうまく説得できるだろうと期待したわけである。


 とにかく気をつけたのは、答えが自明でないこと、事前に想定問答集などで練習できないこと、である。

|
|

« ユーザビリティ・テスト -テストを見るときの心得- | トップページ | 答えのわかりきった質問をしていませんか?(テレビ編) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61641/12149562

この記事へのトラックバック一覧です: 答えのわかりきった質問をしていませんか?(面接編):

« ユーザビリティ・テスト -テストを見るときの心得- | トップページ | 答えのわかりきった質問をしていませんか?(テレビ編) »