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2006/10/04

テレビといじめと

 前回に引き続きテレビ放送に対する批判である。

 テレビ放送のバラエティ番組ではよくいじめられ役がいる。無視されたり、物をぶつけられたり、罰ゲームをさせたれたり、熱いおでんを無理やり口に入れられたり・・・。
その番組では、それらはあらかじめ決まっていたことであり、いじめられたほうも自分が長くテレビに映ることになることがわかっているので、「おいしい」 とかいって喜んでいる。
また、発言力のある大物タレントやその番組のメインとなるタレントに対しては、露骨によいしょをしておもねる。

 前回も言ったことであるが、テレビ放送というのはいまだに影響力が大きい。それゆえに昔から放送する内容には気をつけなければいけなかったはずである。しかし現実には、殴る蹴るなどさんざんいじめるシーンが子供も多く見るであろうバラエティ番組によく出てくる。
現実と虚構の区別がいまだついていない子供達にとって、こういう映像はきわめて危険である。少しでも気後れしていたり、周りと少し違う雰囲気をもっている友人に対して、バラエティ番組と同じ行動を取る危険がある。つまり、いじめたり、おもねったり。
もちろん、親の教育、家庭内での教育が重要なのはいうまでもない。しかし、自分の子供の頃を考えればわかるように、いくら言い聞かされたとしても、親や教師の目の届かないところではとんでもないことをするものである。

 であるからして、テレビ放送ではこういった “いじめ” や “おもねる” といった表現を禁止すべきなのである。
公共の資源である電波を使い、公共性を公言するテレビ局であるならば、そのぐらいの規制をしても当然であるように思われる。もちろん、違反した場合は高額な反則金、最悪の場合は免許取り消し。
自分でも 「ずいぶんと乱暴なことを言っている」 なーという自覚はある。しかしながら、今のテレビ番組の多くを見るとそうでもしなければ収まらないくらいに子供への、場合によっては社会全体への悪影響が心配される表現が数多く見られる。

 「“有限である”電波資源を有効に活用するために地上デジタル放送への切り替えが必要である。」 とほんきで思っているのであれば、むしろ電波によるテレビ放送をすべて終了すべきである。一部の人たちにだけ利益が転がり込むような “電波によるテレビ放送” およびそのビジネスモデルは、結局今の既得権を保護するだけのような気がする。
もう少しましな状況にもっていくのであれば、テレビ放送をすべてインターネットなどのネットワーク配信として、有限の数しかテレビ局を認可できないシステムを破棄すべきである。テレビ放送業務にさまざまな企業が自由に平等な立場で参加できるようにすべきである。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

記事の内容に全く同感です。
テレビが悪影響を与えているものが多いと思います。
特にいじめは、テレビで大人が肯定する(バラエティ番組)ので、それを見た子どもは、当然クラスでも同じようなことをやってもいいんだと思うでしょう・・
それと、強い人へおもねる姿も、見ていて情けないです。
何の意味もない、悪影響な番組はなくしてもらいたいです。

投稿: こう子 | 2006/11/03 09:13

こう子さん、コメントをありがとうございます。
こう子さんのブログを拝見しました。「あ~、やっぱり私と同じ気持ちの人が少なからずいるんだな~」と思い、安心すると共に、少なからぬ人にそういう思いをさせている今のテレビ局、テレビ放送ビジネスを改めて情けなく思いました。

投稿: マスト | 2006/11/03 10:00

全くもって同感です。(-_-)
私もバラエティ番組といじめの関連性について検索するうちに
ここにたどり着きました。いじられ役に対する嘲笑を作ることによってでしか笑いをとれないテレビ関係者。彼らの製作するのは、とても手抜きな番組であると同時に悪質な番組だと思います。
「この人はこういうキャラ、あの人はああいうキャラ」という風に、
番組の中でキャラ化され、役割分担までされています。これによって、他人を一方向からしか見ることの出来ない子どもが増えるでしょうね。
人には長所も短所もそれぞれあるはずなのに、長所をアピールすることが苦手な子が「いじられキャラ」として決められていく…。
まさに悪循環ですね。
当のテレビ局で「いじめはわるいことだ!」と大義名分を掲げたニュース番組で、真面目な一面を見せているのを見ると腹が立ちます。
 私は、特に中高生(男子)なんかは「いじめ」が悪いことだからする
のだと思います。「他人からなめられたくない」という防衛意識が働き、弱みを見せて「いじられ役」になるのを避けるために、先生に反抗したり、授業を妨害したり、友人の前で万引きをして見せたり、誰かを見下したりするのでしょう。その選択肢に、軽い意味でも「いじめ」が入っていてもおかしくはないでしょうね。

投稿: むぱむぱ | 2006/11/09 10:05

むぱむぱ さん、コメントをありがとうございます。
最近、中年女性のアイドル“みのもんた”氏が朝の生番組で関西系のお笑いタレントを非難したらしいですね。「後輩を殴ったり蹴ったりするのはけしからん」って。彼の思惑はどうであれ、これで不愉快なお笑い番組が減れば私としてもうれしいのですが。
確かに思春期の頃は、わざと悪ぶってみたくなりますよね。私にも思い当たるところがあります。(^^;)
そういう時期をなくすことはできませんが、その時期に最悪の事態を起こさないようにさせることが、私を含めた大人の役割だと思っています。
世の中には“やりたいことができること”だったとしても、“あえてやってはいけないこと”があると思うんですよね。今のテレビ放送にはそれが決定的に欠けているとしか私には思えません。残念ながら。

投稿: マスト | 2006/11/09 14:15

同感です。
人の短所をとりあげてけなしてうざいだのきもいだの言って
笑いが成立している。
これ自体が異常だと思うのです。
そしてそういう笑いが大衆に支持されていることが
危険だと思うんです。


死ねとか死ねばいいのにとか
こんな言葉を軽々しく言っていいなどという
間違った価値観を刷り込ませたのだって
テレビじゃないでしょうか。
親の躾は当然必要ですが
その親でさえこういうことで
笑ったりしてるんだからこれでは子供を
しつけようがありません。
こういう批判をされる親というのは
テレビに責任転嫁してるわけではなく、躾は
ちゃんとしてると思いますけどねぇ。

そういうバラエティーを見てない子供というのは
学校では暗いやつ、かたいやつという
レッテルはりをされかねないのです。
人をけなして笑ったり人の生死を軽々しく言ったり
してることが明るいことなのでしょうか?
道徳のある子供や躾をちゃんとされた子供ほど
いじめに合いやすいような気がします。

人をけなして笑いをとるなんて
センスがない、死ねだの消えろだのなんて言葉は
笑えるような言葉じゃないということを
メディアには訴えてほしいです。
こんなことで笑ったりしてる映像が
流れてること自体がいちばんの問題なんだと
思います。

投稿: ライト | 2007/04/22 14:43

ライト さん、こんにちは。
また、賛同していただける人が増えて、うれしい限りです。
親の躾、大切ですよね。親の行動そのものも大切ですよね。
私も人の親になり、自分の行動を真似されるようになって、初めて自分の行動を反省するようになりました。
今も反省の毎日です。

投稿: マスト | 2007/04/22 19:51

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