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2006/11/06

テスティング -多くのユーザーは既定値で使う-

 パッケージ・ソフトウェアを開発している人は、ごく普通のユーザーの多くが既定値のまま使っていて、オプションをいじらない、ということをご存知だろうか?

 以前勤めていた会社でしらべたところ、ヘビーユーザーではない一般ユーザーのうち、(正確な数字は忘れてしまったが) 7割のユーザーは各種オプションを変更せずに既定値のまま使っているという結果であった。数年前の結果であるが、今でも大きく変わっていないと思っている。

 このことが何を意味するかといえば、

『ユーザーが使いやすいオプションに変更してもらえばいいよね』 と安易に考えてはいけない

ということである。

 開発者が陥りやすい罠として、“自分が使いやすい設定を既定値としてしまうこと” があげられる。人はどうしても自分中心で物事を考えてしまうため、“自分が使いやすい = 万人が使いやすい” と思い込んでしまいがちである。ソフトウェアの開発者は、なまじソフトウェアに精通しているため、さらに仕様に精通しているため、隠し機能までを既定値として組み込む失敗をしてしまうことが多い。
例えば、「ダイヤモンド・カーソル(Ctrl+W A D X でカーソルを移動する機能)を既定値でオンにしたからCtrl+X でカットされずにカーソルが下に行くけど、そのほうが使いやすいからいいよね? オプションでダイヤモンド・カーソル機能をオフにできるし」 などとやったら、発売と同時に多くの電話がサポートにかかってくると思われる。「Ctrl+X でカットできない!」 と。サポートにも経費がかかるのであるから、サポートで対応できるからOKというのは、とても危険な考えである。

 “一般ユーザー” として区分されるようなユーザーは、下手をするとマウスの左ボタンと右ボタンで悩むことさえある。例えば、「ここでは、右のボタンを押すの? 左?」 と心配そうな顔で相談する場面を、パソコン教室で私は何度も目撃をした。つまり、機能を右クリックメニュー(コンテクスト・メニュー)に実装したからOK、とはならないのである。
ちなみに、うちのカミさんもWeb上のハイパーリンクをいまだによくダブルクリックする。

 隠し機能とは言えないが、ファンクションキーに定義された機能も、一般ユーザーには悩みの種である。何が定義されているか直感的にわからない。定義がアプリケーションごとに異なる。
その解決策として、ファンクションキーに定義されている機能を視覚化することが考えられる。Microsoft Word などの一部のアプリケーションで取り入れられている。
とはいえ、ここまでの実装はMicrosoftのような体力のある会社だからこと、と思える。なので、コストのかからない実装方法として、ファンクションキーはおまけと考えて、ファンクションキーに依存しない実装を取ることである。あるいは、ファンクションキーに定義した機能は、ファンクションキー以外の目に見える方法でも実行できなければならない。

 最後に、テスティングの出番である。
以前も言ったようにテスティングは品質の最後の砦である。テスティングを突破されてしまった場合、悪い品質がユーザーを直撃してしまう。なので、テスターは、上流工程で定められた仕様が “一般ユーザー” にとっても問題なく使えるものかを考えながらテストする必要がある。もちろん、そのためには、何が一般ユーザーにとって必要なのかを知っておかなければならない。

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