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2006/11/09

いじめによる自殺についての、とあるテレビ報道について思う

 今回の話題も書こうか書くまいか少し悩んだ。やはり微妙な問題について書こうとしているからである。読む人によっては、私が予想していなかったような激しい反感を感じるのではないかと心配している。

 岐阜県で中学二年生の女生徒が自殺をした。その報道を、11月8日朝のテレビワイドショーでやっているのを見た。自殺した女生徒の父親がインタビューを受けていた。
ワイドショーの報道によれば、

・ 女生徒は明るく、活発な性格であった。
・ 父親からは、いじめをするな、いじめを見逃すなと常日頃から言われていた。
・ 実際、女生徒はいじめられていた他の生徒をかばうなどの行動をしていた。
・ 遺書らしき手紙が残されており、いじめていたと思われる複数の生徒の名前が書かれていた。
・ しかし手紙には、悪口や恨み、つらみといった文言は一切かかれていなかった。

ということであった。

 まず言いたいのは、いじめはどんな理由があろうとしてはいけない。皆が安心して生活するためにいじめは必要のないものである。たまに 「いじめられる側にも問題がある」 などと知識人ぶったコメンテータがいるが、とんでもない話である。いじめられる側に責任はない。ただ、いじめられたときの対処法は知っておくべきだし、教えるべきものである。対処法は何も対決するだけではない。逃げることも重要な対処法である。よく少年マンガで 「男には負けるとわかっていてもたたかわなければいけないときがあるんだ!」 などとふざけたことを主人公にしゃべらせているが、とんでもないことである。負けるとわかっているなら、負けない準備をしたり、闘わずにすむ方法を考えるべきである。草食動物だって、肉食動物に狙われたらまず逃げるではないか。負ければ差し出さなければいけないのは自分の命なのである。
そして、自殺した女生徒の父親の教えである 「いじめを見逃すな」 も正しいと思う。賞賛されても非難されるべきものではない、と私も思う。

 それをふまえたうえでの話である。
ワイドショーでは、

「正義感の強い女生徒は、いじめを見過ごせずにかばったため、自分自身がいじめの対象となってしまった。」
「自殺をするときも、遺書らしきものに悪口や恨みを一言も書かず立派だった。」
「父親の言いつけを立派に守り、父親にいじめられているそぶりも見せなかった。」

という “シナリオ” にそって報道されているように見えた。そして、その報道のされ方に、私は大きな違和感を感じた。かなり極端な言い方になってしまうが、戦前の軍隊が行っていた 「国のために命をささげるのはもっとも尊い行為である。」 という扇動と同じような臭いがしたのである。

 繰り返しになるが、女生徒に非はないし、その父親の行動も立派である。
しかし、女生徒が自殺をして今はこの世にいないのが事実である。最後の選択肢を選んでしまったということは、やはり何らかの問題があったとしか、私には思えない。

 私が思うに、父親や家族、教師、学校など、周りの環境が彼女から自殺以外の選択肢を奪っていったのではないかと。
友達の悪口を言ってもよかった、いじめられるのがイヤだといって学校を休んでもよかった、誰かに助けて欲しいと訴えてもよかった、と私は思うのである。おそらく本人の性格とそれまで受けた教えによって、そういった自分の弱さをみせるような選択肢は取れなくなってしまったのではないかと想像している。他人に自分がいじめられていると思われるくらいなら死んでしまったほうがまし、と思い込んだとしても、この時期の少女であれば少しも不思議ではない。

 しつこいようであるが、私は、女生徒やその父親、いじめた側の生徒、教師や校長といった学校関係者を非難するつもりでこれを書いてるわけではない。
ただ、私も子供を持つ身として、自分はこのような状況に自分の子供を追い込んでいないか、自分自身を見つめているのである。子供を、私自身と同じレベルの処理能力で考えてしまうことがよくある。しかし、経験や知識という点だけでも、子供は私に到底及ばない。そして、子供に 「強くあれ」 と教えると共に、“逃げ帰る” ことが許容されていることを子供が感じさせたいと思っている。

 最後に、興味深い論文を見つけたので紹介しておく。私には共感できる部分が多かった。

「いじめ自殺とマスコミ報道」  安田真人

最後の “今後の課題” に書かれていることは、まさに私が感じていることであり、このブログで書いてきたことでもある。

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