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2007/02/06

日本音楽著作権協会(ジャスラック)は必要なのか

 私は、下の記事を読んで初めて著作権使用料のかなりの部分が搾取されていることを知った。

「補償金もDRMも必要ない」――音楽家 平沢進氏の提言

特に憤りを感じたのは次の部分である。

平沢氏: 例えばメジャーなレコード会社で活動してたとしますよね。レコーディングが終わるとある日突然、出版会社から契約書が届くんですよ。で、契約してくれと。契約条項にいろいろ書いてあるんですけど、契約書が送られて来た時点で、JASRACにもう勝手に登録されているんです。残念ながらアーティストは、著作権に関してまったく疎い。同時に私自身も疎かったがために、そういうものだと思いこんでいたわけですね。それによって、出版会社に権利が永久譲渡されている曲というのがあったりするんですよ。で、JASRACで集金されたお金は、この出版会社を通るだけで50%引かれて、アーティストへ戻るという構造があるんですね。出版会社は“プロモーションに努める”と言いますが、成果は保障せず、どんなプロモーションをするのか何度説明を求めても、回答しないことがほとんどです。大きなセールスが期待できるアーティストについては積極的に動きますが。

 これを読んで、思わず “共同出版” という美名で自費出版をしたい人から詐欺まがいに利益を徴収する出版社の話を思い出した。他人が法律に疎いことに付け込んで、多額の利益を上げる手法である。そういえば以前に、認知症の人たちの家に意味のない補強工事をして、多額のお金を巻き上げていた事件もあったな~。

 と、話がそれてしまった。そして、ジャスラックについてあちこちのサイトを調べた結果、行きついたのが以下の記事である。

「週刊ダイヤモンド」 2005年9月17日特大号
【企業レポート】 日本音楽著作権協会(ジャスラック)
使用料1000億円の巨大利権 音楽を食い物にするあきれた実態

JPEG: 1ページ目2ページ目 (参照元削除によるリンク切れ)
PDF: (内容は上と同じ) (参照元削除によるリンク切れ)

 この記事が100%正しいという保障はない。Wikipedia によると、ジャスラックはダイヤモンド社に対して名誉毀損訴訟を起こした、ということである。とはいえ、まったく根も葉もない作り話とも思えない。これだけの記事を書かれるだけのことはしていると、私は信じている。

 そして、著作権の保護期間を70年に延長するということは、この組織、そしてそこに群がっている人たちを、これまで以上に太らせる “だけ” という気がしてならない。そういえば、どこかのスポーツ団体の役員が不明朗なお金を使い方をして逮捕されるという事件もあったな~。

 権限、権力、そして資金が集まれば、人は往々にしてその資金が自分のもののように錯覚してしまう。それはこれまでの歴史でも、現代社会でも証明している。だから、そういう錯覚が起こらないようにする “システム”、集まった資金を本来の目的以外に地は使えないようにする “システム” を作ることが大切なのである。

 そういった基本的なシステムが存在しないまま、これ以上怪しい団体に、これまで以上にお金が集まるような “著作権保護期間の20年延長” には、断固反対である。

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