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2007/02/08

とある会社でのソフトウェア使用許諾違反の逸話

 著作権問題について調べたり、書いたりしていたら、思い出した話があった。ということで、今回は著作権問題の余談である。

 私が大学生のころから、すでにパソコンのソフトウェアの不正コピーが横行していた。中には所有している不正コピーの種類の多さを自慢する風潮さえあった。論文の著作権を重視する大学でさえそうだったのだ。一般企業の認識はさらに低いものだった。

 そんな状況で、私が聞いた逸話である。今は IBM ブランドになっている “ロータス” がまだ独立したソフトウェア会社であったころの話である。

 ロータスの日本法人の社長が、主力製品である “ロータス 1-2-3” を大量に購入してくれているある大手メーカーに挨拶に行ったときの話である。その大手メーカーの社長がお茶を持ってきた秘書を指して 「彼女は、毎朝、すべてのパソコンにフロッピーディスクを挿して、ロータス1-2-3を起動する係なんですよ。」 と紹介したそうである。メーカーの社長はロータス1-2-3をいかに多く使っているかをアピールしたかったようである。

 しかし、1枚のフロッピーをつかって複数のパソコン上の1-2-3を起動させる。つまり、オリジナルのディスクは1セットしかなく、それを秘書室にある複数のパソコンで使っていた、ということである。明らかに使用許諾違反である。

 しかも、取り締まるべきソフトメーカーの社長に、堂々とそのことを自慢してしまう。そんな時代であった。

 その後、その大手メーカーが1-2-3を使用しているパソコンの台数分だけパッケージを購入したかどうかまでは、残念ながら記憶していない。

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