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2007/03/02

無料テレビ放送自らが導いた視聴者の認識・・・かもしれない

CNET Japan
YouTubeに違法投稿された動画、「問題ない」との意見が8割以上
 [2007/02/21]

    • 「個人が楽しむ分には問題ないサイトだと思う」が圧倒的に多く、約7割を占めている。
    • 「特に問題のないサイトだと思う」と回答した6.3%を加えると、8割弱の人が「著作権などの問題なし」と考えており、
    • 「著作権侵害など問題のあるサイトだと思う」と回答した人の割合は18.2%にとどまった。

 テレビ局が放送した映像をテレビ局に無断で YouTube にアップロードすることは、今の法律では違法となる。上記のアンケートで 「問題なし」 と答えた人の多くも、そのへんのことは知っていると思う。にもかかわらず、8割近くの人が 「問題なし」 と答えている背景には、やはり視聴者に無料で番組を提供している今の地上波放送テレビビジネスがある、と私は思う。

 地上波のテレビ放送は基本的に無料である。録画をすれば、後から好きなだけ見ることもできる。だったら、YouTube で後から無料で見れても、何の問題もないはず。という理屈である。

 もちろん、テレビ局側とすれば、「自分たちこそ自由に放送できる権利があり、YouTube にはその権利はない」 と主張するだろう。その主張は正しい。
 ところが視聴者側から見れば、「すでに無料で公開しているものを、地上波で見ようと、YouTube で見ようと変わりないではないか。」 と見えてしまう。
 どんなに正しい主張も、それを受け入れる側が理解を示さなければ、〝絵に描いた餅〟になる危険性がある。

 日本のテレビ局は一度放送したものを、ほとんどのもの再放送しない。アメリカではこのへんの事情が少し異なる。アメリカのテレビ局では同じ番組を一週間の間に何度も放送する。一回見逃して、後で見たかったと思えば、再放送で見ることができる。
 ところが日本では、放送はほとんど一回限りである。後で話題になって 「見たい!」 と思っても録画した人を見つけでもしなければ、見ることはできない。

 「見ることができなかった」 と過去形で言ったほうがいいかもしれない。今は、著作権の問題があるが、YouTube で話題の場面を後から見ることができる。昨年私にとってもっともインパクトの大きかった映像は、〝スプーの絵描き歌 by しょうかおねえさん〟だろう。これなど、YouTube がなければ、(一部の人たちの間ではあるが、)あそこまで話題になることはなかったと思う。

 多くの人たちがすでに YouTube というドラえもんのポケットを手にしてしまった。ほとんどの人は、この便利なポケットを手放そうとはしないだろう。さらに、既存のテレビ局に対しても 「ポケットを提供せよ」 と要求していくことになってもぜんぜん不思議ではない。インターネットでほとんどのことが調べられると知った人たちは、政府やメーカーにインターネットでの情報開示を要求していったのと同じことが起こると、私は考えている。

 そしてもし、多くの視聴者がほとんどの映像を、高速ネットワークを通して〝非リアルタイム〟で視聴するようになったとき、既存のテレビ局および大騒ぎしている地デジは、やがてたちゆかなるような気がしてしょうがない。

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