第二のデジタル・デバイド出現・・・なのか?
パソコン見放す20代「下流」携帯族
FACTA online (2007年3月号)
20代以下の世代はパソコンを使わずに、すべてケータイでメールや Web の閲覧を済ませるという記事だ。しかし、私はこの記事の考察にはなはだ疑問である。たしかに、20代の人たちは、パソコンからのWeb利用が減っている、というデータに間違いはないのだろう。
しかしだからといって、彼ら彼女らが十年後二十年後も今と同様に現在のケータイと同等の端末を主としてネットワークにアクセスしているとは限らない。単に20代のときは、ケータイからのWeb利用でことがすべて足りるだけ、という見方もできる。今20代の世代が十年後に30代になったら、やはり今の30台と同じ割合でパソコンからのWeb利用率になっている可能性だってある。
「コンピューターに対する知識の欠如」や「キーボードで字を打てない」という、まるで高齢世代かと見紛うような退化を若い世代にもたらしはじめている。
この指摘もなにか違和感を感じさせる。
コンピュータに限らず、文明の利器は普及に伴い中身がブラックボックス化していく場合が多い。自動車に対する知識がほとんどない人が車を運転してもそれを “退化” と呼ぶ人はほとんどいないだろう。
キーボードでの文字入力が主流である理由も、単に現在はキーボードが一番効率的に文字入力ができるデバイス、というだけの話だ。「最近の若い者はキーボードでしか文書がかけない。手書きで漢字が書けないのは退化である。」 などと大学のえらい先生などは言いそうだ。では、そのえらい先生方が鉛筆や万年筆で書いているのを見て、昔の人が 「筆と墨で文字を書かないなど退化である」 と言ったらどういいわけをするのだろうか。
携帯電話に「送信できませんでした(110)」という画面が表示された。この「110」をエラーコードでなく、問い合わせ電話番号と勘違いしたユーザーが、警察の110番に電話をかけるという珍事が、全国で5700件も起きたのだ。
これなど、使用者の常識と同じぐらいに、そういうメッセージを出す設計した人間の常識のなさを指摘すべきだ。エラーメッセージにエラーコードを表示させるという発想は、開発者による開発者のための発想だ。ユーザビリティで考えれば、ユーザーにこのような形でエラーコードを知らせる必要はない。
商業雑誌の記事としてはなんともお粗末な内容だな、と私は思った。
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