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2007/04/07

二つのゲームの開発者インタビュー記事を読んでの小さな考察

 ここ一ヶ月ほど、時間があるときにゲームセンターに行って〝機動戦士ガンダム 戦場の絆〟というゲームで遊んでいる。目の前の巨大なモニターを、架空の人型大型兵器 “モビルスーツ” のコックピットに見立てた、多人数対戦型のゲームだ。第一ガンダム世代の私としても、一度体験してみたかったものだったこともあり、数年ぶりにゲームセンターに通っている。

 はじめは、これまでに例のないゲームシステムに興奮するばかりだったが、ゲームになれて冷静になってくると、ご他聞にもれずにだんだんとゲームの粗さを感じるようになってきた。そんなときに読んだのが下の開発者インタビュー だ。

【機動戦士ガンダム 戦場の絆】インタビュー(前編)
ドーム型アミューズメント筐体「P.O.D.」
CNET Japan [2007年3月26日]

【機動戦士ガンダム 戦場の絆】開発者インタビュー(後編)
ドーム型アミューズメント筐体「P.O.D.」
CNET Japan [2007年3月30日]

 特に気になったのは “後編” である。

高橋氏: そういう部分も問題としては認識していますので、開発者から見ても辛いなというところはありますが、それを超えた良さというのも、当然あると思っています。それは店舗の絆を深めていただくことで、解決できるのではないかなと思います。
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戦場の絆を遊ばれたことが無い方には、”モビルスーツを動かしたい”と思っている人もいると思うんです。これが500円でできるんですよ、最初はカード代を合わせて800円ですが。

 「プレーヤーの努力で解決できる」、「1プレイがたったの500円。」  こういった発言があっさりと出てしまうところに、この開発チームの甘さというか未熟さが感じられた。「やればできるが、実現するには手間も時間もかかってしまう。だからそれはユーザーの努力で何とかしてもらおう。」 とか 「自分たちがここまでがんばって作ったんだから、この金額は安いよね」 という考えは、責任放棄や自画自賛であり、ユーザーが満足しているか?という視点が欠けている。なぜそんなことに私がこだわってしまうかといえば、昔の私がまさにそうだったからだ。なにかこう、思い出したくない自分の過去を見せられているようで、とっても居心地が悪いのだ。

 そして “戦場の絆” は正式稼動から半年で、急速に稼働率が落ちているといわれている。以前ならば1時間待ち、2時間待ちがあったのに、今ではプレイする人がいない時間帯がある。数度のバージョンアップでてこ入れもしているが、盛り返すまでにはいたっていないように見える。このへんの製品寿命の短さは、作りこみの甘さやユーザーへの甘えに起因していると思っている。

 もう一つ紹介したいインタビュー記事がこれである。

人は痛い思いが身に染みなくては、本質に近づけない
「ゼルダ」シリーズの青沼英二氏講演リポート
ITmedia +D Games  [2007年3月9日]

任天堂の宮本茂氏による基調講演“A Creative Vision”
創造の源は「ユーザーの顔」と「執念」と「奥様」?

Game Developers Conference 2007現地レポート
GAME Watch [2007年3月9日]

 こちらの記事を読むと、宮元茂氏の厳しさがはっきりと伝わってくる。そしてその宮元氏の厳しさ(と任天堂の体質)が、今の DS と Wii の好調さを生み出したと信じている。

「ゼルダに取り入れたWiiの操作は、開発者の目から見たWiiの利点を無理やり取り入れたものに過ぎず、直感的で分かりやすい、自然にそうしたくなるというような、遊び手の反応を考えたものになっていない」。

 青沼氏は、“慣れが必要”という感覚から、操作をユーザーにお仕着せようとしている、そのことに気が付いたのだ。これではユーザーに歓迎されるゼルダにはなっていない。青沼氏は、他のローンチタイトルに完全に取り残されどん底に突き落とされたた感覚を味わい、そこから宮本氏とともにWii版の操作を見直すことになった。

 「直感的なリモコンだからなんとなく遊んでくれるだろう」 とか 「画期的な操作方法だからこれでいいよね」 といった甘えはそこにはない。そういった厳しさから名作 “ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス” は生まれたのだ。

 “戦場の絆” と “ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス”。ゲームセンターとコンシューマの違いは確かにある。一方で、これまでとは一味違ったユーザインタフェースをもつという共通点がある。戦場の絆の開発チームに、ゼルダの伝説の開発チームの厳しさがあれば、“戦場の絆” 今よりももっともっと多くの人をひきつけたゲームになったのではないかという残念な思いが、私の頭の中からずっとはなれないでいる。

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