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2007/05/12

新しいアニメ制作モデル

「ライディーン」「ボトムズ」
  …リバイバルアニメ、大人に照準

    ITmedia News (産経新聞) [2007年5月10日]

 この記事で目を引いたのは終わりのほうの部分だ。

 「ボトムズ」の制作費は、キャラクター商品の版権料やDVDの販売収入などでまかなわれる。現在、新作12本を制作中。“ボトムズ現象”は、スポンサーが付かなくてもアニメ制作が可能なことを証明した。

 何気に書かれているが、これまでの常識を考えると、これは画期的だと私は思っている。スポンサーの目を気にすることなく、真に作品を見たいと思っている人たちに向けて作品が作れるようなるのだ。そうなれば、テレビ放送に縛られることもなくなる、と思う。インターネットでの配信でも収益があがるとなれば、これまで以上に多彩なコンテンツが作られるかもしれない、という期待も高まる。

 とはいえ、さすがの私も、バラ色の未来だけが待っているとは思っていない。

 スポンサーという足かせが外れることで、逆に製作者のマスターベーションを助長してしまうかもしれない。製作者の独りよがりな作品ほど、見ていてつらいものはない。そんなものばかりが乱造されたのではたまらない。

 たまに 「“機動戦士ガンダム” は富野由悠季氏をはじめとして担当者が自由に作ったからあれだけの作品ができた。」 などという戯言を聞くことがある。私が、本人のインタビューや、関係者の発言を聞く限りでは、富野由悠季氏や担当者たちは、相当スポンサーからの無理難題を無理やり飲み込んで、名作“機動戦士ガンダム” を作っていったと理解している。ジオン軍が次々に新しいモビルスーツを出してくるのは、スポンサーが発売するおもちゃのバリエーションを増やすため。夏ごろの放送で、海での戦闘の話になるのも、スポンサーの要求で、水場で遊べるモビルスーツを発売するため。と聞いている。最後に予定話数よりも短縮されたのも、スポンサーの発売した関連商品が思ったほど売れなかったため、と聞いている。世間で言われているほど、視聴率は悪くなかったらしい。

 何が言いたいかといえば、制限をかけられたからといって、作品がだめになるわけではない。むしろ、与えられた制限内で、いかに自分たちの理想を実現するかに知恵を絞って、作品を研ぎ澄ませて行く。そうして作品がより光ってくることがあることを、“機動戦士ガンダム” は示していると思う。ある程度フリーハンドを与えられた以降の富野由悠季ガンダムは、逆にパワーダウンしていると思っている。

 新たな制作モデルができたことで、アニメ制作に新たなチャンスができたと思っている。そのことで、質の高い作品がどんどん出てくることを願うばかりである。なにしろ、ここ数年~十年のテレビ放送アニメ(特に深夜帯)の質の低さには目を覆うばかりなのだから。

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コメント

いよいよボトムズの新作ですよ
待ちに待ってました
時代がやっとボトムズに追いついてきたんですよ
新作のDVDでたらもちろん買いますよw

投稿: アイス | 2007/05/12 10:50

アイスさんは、ボトムズ君でしたか~。
ボトムズは、あのストイックさがいいですよね。
ずいぶん後になって、主人公が18歳、という設定を見て
(゜д ゜) えっ? となったことがあります。(笑)

投稿: マスト | 2007/05/12 15:15

Hello, Your site is great. Regards, Valintino Guxxi

投稿: | 2007/05/18 20:12

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