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2007/05/22

情報の非対称性

レモンの市場の続き(モラル・ハザード)
  一般システムエンジニアの刻苦勉励 (山口 陽平)
    ITmedia オルタナティブ・ブログ [2007年5月17日]

 “情報の非対称性” という言葉は、初めて聞いた気がする。そして、この “情報の非対称性” を当てはめると、いろんな事柄がわかりやすくなることに気がついた。

保険会社が「普段どおり行動するだろ?常識的に考えて……」という目論見で設定した保険について、それに加入した人々は、「せっかく金払ってるんだから元取るだろ?常識的に考えて……」と、行動してしまう点において、情報の非対称性が発生することが原因です。

 このような情報の非対称性は、私の好きなコンピュータ ゲームにおいてもよく見られる。有名なところでは、ファイナルファンタジーXI の製作責任者の発言。

  • プレーヤー 「6人でチームを作ってから場所を決めて移動するのが一番効率がいい」
  • 製作側 「一人で戦場に移動して、戦場で仲間を集めることを想定していた。6人でチームを組んでから戦闘場所に移動するとは思わなかった。」

さらに

  • プレーヤー 「せっかく定額で遊べるんだから、なるべく長く遊んで、他人よりも先に冒険したい。」 (そして、2~3週間で、キャラクター レベルを最高値まで上げた。)
  • 製作側 「キャラクター レベルを上げる以外にも、いろいろやることがあるので、最高レベルに到達するのは早い人でも半年後だろう。」

といった具合だった。あとでインタビューを読んで、乾いた笑いしか出ないほどの非対称ぶりだった。

 また、最近お気に入りの 機動戦士ガンダム 戦場の絆 でも、似たようなインタビュー記事が掲載されていたことは、以前に紹介したとおりである。一部を抜粋するとすると、

  • プレーヤー 「始めたばかりの人には、基本的な操作も含めてわかりにくいことだらけ。うまい人が一方的に攻撃できるような未調整が、公式に “裏技” になっているのはやはりおかしい。」
  • 製作側 「問題としては認識していますが、それは店舗の絆を深めていただくことで、解決できるのではないかなと思います。」

といった感じである。

 これまた何度も書いたことだが、このように自分が手におえなくなった部分の調整をあきらめて、ユーザーに丸投げするやり方は、私も過去にパソコンソフトでやったことがある。ので、そうやりたくなり気持ちはよくわかる。しかも、そのような責任放棄したような製品をユーザーに売ると、あとでどんなしっぺ返しを食らうかも、十二分に経験済みだ。

「私はここまでがんばって作りました。だから、未調整名部分は、ユーザーが努力して克服するだろう。」

という考えは、

保険会社の「普段どおり行動するだろ?常識的に考えて……」

という考えと同類である。

 このような情報の非対称性を生まないようにするためには、上記のブログ内でも説明されているような “第三者機関によるチェック” が有効だ。開発側にユーザーまたはプレーヤー視点の第三者的立場の人間を置くのだ。しかし、そのようなユーザー、プレーヤー的な人間は、開発側と対立をして、往々にして排除されるか、取り込まれてしまうのが現実である。

 そう考えると、任天堂が製品発売までの過程に、ユーザー、プレーヤー的な組織をシステムとして組み込んでいるのは、すばらしいの一言に尽きる。

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