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2007/06/02

普及しないのには理由がある

MS「ハイテクテーブル」のローテクな弱点
Steven J. Vaughan-Nichols,eWEEK [2007年05月31日]

 私が 「そうそう」 と思わずうなずいてしまったのは、この部分。

タッチスクリーンの支持者たちは、かれこれ30年以上もの間、タッチ式のコンピュータ操作の方が簡単で自然だと言い続けてはいるものの、実際のところ、タッチスクリーンは簡単でもなければ、自然でもない。これら2点のいずれか一方でも本当であれば、今ごろは皆、タッチスクリーンを使っていただろう。だか現実には、使っていない。

 最近だと “Nintendo DS” という成功例があるが、それは、『小さなタッチスクリーンであれば、手首と指しか使わないから問題ないかもしれないが』 の部分に当たると思う。

 私もずっと以前にタッチスクリーンに関係した仕事をしていたことがある。そのときに私が感じたのは、

「手の動きと、それに対する反応のずれが、なんとも居心地が悪い」

というものであった。たとえば、紙の上に鉛筆で線を描く。鉛筆が動いた後には必ず線が描かれている。当たり前のことだ。しかし、タッチスクリーンには、この当たり前のことができない。タッチスクリーンに線を描かせるには、“どこがタッチされて”、“どのように移動しているか” を常に計算しなくてはいけない。そのため、ペンを移動させた後、わずかではあるが線が描画されるまでに時間差があるのだ。この時間差が極めて居心地が悪い。

 触ってボタンを押す動作だけを機能として持たせれば、この時間差は感じなくても済むかもしれない。しかし、ATM のタッチスクリーンなどでもそうなのだが、ボタンを押した感触がないというのは、やはり居心地がよくない。使い心地という点では、汎用性のない物理的なボタンのほうが、圧倒的に使い心地はよい。

 タッチスクリーン以外にも、なかなか普及しないものに “音声入力” がある。

 「音声入力ならば、キーボードを新たに覚える必要がないので、誰でも簡単にパソコンに入力できるようになる」 といったうたい文句をよく聞く。本当にそうだろうか?

 音声入力で高い精度の入力を行うためには、超高性能なパソコンと、話す人のクセをソフトウェアに学習させるための時間が必要となる。

 入力を間違えたところは修正しなければいけないが、人の発音はそうそうバリエーションがあるものではない。間違って認識された部分を同じ発音で入力しても、再び誤入力となる。修正も容易ではない。

 仮にそれらをクリアできたとしても、こんどは人間のほうの限界がある。アナウンサーのようにしゃべることを職業としている人でもなければ、長文を音声で入力するには相当な体力がいる。飲み屋で調子に乗ってしゃべり続けると、のどはかれ、肩で息をするようになる。

 結局今のところは、キーボードによる文字入力がもっとも高速で効率的、というところに落ち着く。

 普及していないのには、それなりの理由があるのだ。

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