押し紙
“押し紙” という言葉を知っているだろうか? 押し花に使う紙ではない。新聞社が新聞販売店に無理やり “押し付ける新聞紙” のことだ。私はその存在をつい先日知った。もちろん新聞各社は、押し紙の存在を否定している。テレビ局や大手雑誌社も、新聞社の資本が入っているため、表立って押し紙を報道することはない。一方で、具体的な証拠を元に、押し紙の問題を追及しようとしている人達がいる。
配達されないことがはっきりしているのに、印刷で資源とエネルギーを、運搬でエネルギーを無駄遣いする。読者に必要とされる必要はなく、ただ印刷すれば新聞社の利益となる。新聞社にとって、こんなおいしいシステムはない。しかも、実勢よりもはるかに多くの購読者がいると見せることができるため、広告料を高く設定することができる。押し紙は、“一粒で二度おいしい” システムなのだ。
こんなことを平気でできる、しかも、知らぬ存ぜぬで隠そうとする新聞社に、“ミートホープの牛肉偽装” を断罪する資格はない。やっていることは同じようなことなのだから。一般読者が反感を買いそうな事件は、大々的に取り上げて徹底的にたたく、一方で、自分に都合の悪いことは徹底的に隠そうとする。これのどこに、社会正義があるというのか。もはや新聞に公共的な価値は残されていないようにも見える。あらためて、新聞社やテレビ局を含むマスコミが営利企業であることを思い知らされる。
押し紙のようなゆがんだシステムが、今後も長く続くとは思えない。現に、新聞社に対して慰謝料を命じる判決も出ている。とはいえ、こんなおいしいシステムを、新聞社自らが放棄するとも思えない。このシステムが崩壊するのは、大多数の人が新聞を読まなくなり、新聞の戸別配達がビジネスとして機能しなくなったときだ、と私は思っている。インターネットの常識化、ケータイの大画面化と高速化、通勤電車の液晶画面の普及、などにより、10年以内に新聞の需要は急速に低下すると私は予想している。私自身、新聞を読まなくなりすでに2年以上になる。そして新聞を読まなくても生活になんの支障もないし、世の中から取り残されるわけでもないことを、実感している。
「10年で新聞がなくなるわけないじゃん」 と思う人が多いと思う。しかし、CD(コンパクトディスク)発売前に、誰が数年でレコードが発売されなくなると考えただろうか。インターネットが普及する前に、誰が数年後にテレビコマーシャルで Web サイトを紹介するようになると考えただろうか。MS-DOS が一般的だった時代に、誰が数年後にパソコンのほとんどに Windows がプレインストールされると考えt・・・、とこれはマイナーなネタだな・・・。
いずれにしろ、テレビ局や新聞社といった、影響力の大きいメディアが早期にモラルの高い、自制心のある組織になることを願うばかりだ。
オマケ:
こちらのサイトに、新聞社の問題点が詳しく載っている。
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