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2007/07/20

個人力か、組織力か

 映画 “トランスフォーマー” について、こんな↓インタビュー記事が載っていた。

驚異の映像『トランスフォーマー』の日本人技術者が製作秘話を明かす!
  シネマトゥデイ [2007年07月18日]

 よりリアルに見せるために、「変形させるときに、部品を変形させるのではなく、部品を組み替えるようにした」 とか、重量感を出すために、「カメラワークでロボットの動きの速さを変える」 とかの話も面白かった。

 しかし、私が一番興味を引いたのは、

ILMには、日本のテレビ局や製作会社によくある“徹夜”はないそうだ。徹夜になりそうな作業は、どんどん人員を増やし、マンパワーで補うからだ。

の部分だ。

 “徹夜” とは、個人の力で物事を完遂するやり方だ。他方の “人員増強” は、組織の力で物事を完遂するやり方だ。

 これを読んでなぜか思い出したのが、太平洋戦争中の日米の魚雷開発の違いだ。太平洋戦争初期は、日本も米国も魚雷の命中精度の低さに頭を悩ませていたらしい。日本は「お前の根性がないからだ」 などと言って、個人の技術で命中率の低さを補おうとした。他方の米国は、後方部隊が研究をして、実際に命中しなくても船の下で爆発すれば十分に効果が得られることを発見した。そして導入したのが “磁気に反応して爆発する” 魚雷だという。その磁気反応魚雷で、米国軍は海戦で多大な戦果をあげられるようになったということだった。

 個人力に依存した場合、その個人の高い能力で、極めて高い成果が期待できる。その反面、その個人力が失われた場合の影響も大きい。リケンの工業が地震で操業停止になってしまった事故では、リケンという個人(個会社)力に頼ったがために起こった問題ともいえる。

 組織力を優先した場合、不確定要素に左右されにくい強みがある。その一方で、品質が組織の中の最も低い能力に引っ張られてしまうため、品質を上げることが難しくなる。また、ITのシステム開発でよく言われることだが、「すでに遅れているプロジェクトに増員するとますます遅れる」 というマーフィーの法則がある。

 徹夜や個人力頼みが必ずしも悪いとは思わない。ただ、うまくいかなかったときの責任も担当者個人に押し付けて、長時間労働を強いる。最悪の場合、自殺や過労死に至る今の日本の現状を考えると、

1週間に40~45時間以上は働かないようなシステムになっている

というのが、どうしても魅力的に感じてしまう。

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