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2007/09/07

大前研一 「“ルール破り”ブルドック判決のツケ」

大前研一
「産業突然死」の時代の人生論
 第93回“ルール破り”ブルドック判決のツケ
  [2007年9月5日]

 大前研一氏の意見に、いままで私は全面的に同意できてきた。しかし、今回のこの意見には、だいぶ違和感を感じた。

 書かれている内容は、いつもどおり、理路整然としている。難解な用語や言い回しもなく、わかりやすい。首尾一貫していて矛盾もない。そして、言っていることが間違っていると思っているわけではない。しかし、大きな違和感を感じる。

 ブルドッグソースの経営陣について、私は詳しく知らない。大前氏の言うように、怠慢なのだろう。それはたしかにほめられたことではない。だからといって、その会社の潤沢な資金を外からごっそりと持ち去ろうとする “投機”家 が敵対的買収をすることが絶対に正しいとも思えない。

 私には、スティール・パートナーズが、『格差を見つけ出して、その格差を利用した錬金術で稼ぐ』 虚業家にしか見えない。大前研一氏に言わせれば、「それが資本主義である」 のかもしれないが、スティール・パートナーズが、ホリエモンとどうしてもダブって見えてしまう。というか、ホリエモンがそういった虚業家を見習っただけなのだが。

 経営コンサルタントという立場の大前研一氏から見れば、安定した現状にぬくぬくしている経営者には我慢できない、のだと思う。しかし、私は 『成長するために、とにかくなんでもやる。出来ることはやってみる』 という主義には、あまり賛同しない。

 『現状維持は悪、成長こそが正義』 という風潮に、私は懐疑的だ。一年ほど前に “心の公害” という記事を書いた。「何がなんでも成長しなければいけない」 というプレッシャーこそが、心の公害 を広めていると、私は思っている。

 「ある一定レベルまで成長したら、あとは現状維持でもいいではないか。」  私はそう思っている。とはいえ、「常に他者よりも強く、他者よりも優位に」 なろうとする人たちが、政治でも経済でも主導的な立場になるので、けっして現状維持を容認することはないことは知っているつもりだ。そんな私でも、不要になった仕事や組織を、無理やりに “現状維持” するのは、大反対だ。役目を果たしたモノは、早急に退場すべきだ。

 そんな私は、“ブータン” に興味があったりする。“全面禁煙国家” というのも、私にとっては魅力だ(笑)。

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