歴史は繰り返す
ミクシィデザイン変更で大混乱 ビスタもマックも使えない!
J-CASTニュース [2007年10月06日]
なにやら mixi が大混乱らしい。
私は mixi に登録していない。それどころか一度も見たことがない。なので、何が起こっているかは、こういったニュースでしか知らない。
とはいえ、“古いOS環境で使えなくなる”、“新しいOS環境で問題が多発する” というのは、私もずいぶんと経験した。Windows 用のアプリケーションの開発に携わっていた頃の話だ。
そういった問題が起こる主な原因は、二つある。
- 新しいソフトウェアのサポートする環境を決める過程で、決定者が古い環境での使用者の数を過少に見積もる。
- テスティングにおいて、環境のバリエーションを見落として、十分なテストを行わなかった。
どちらも、頻繁に起こる問題だ。
私のいたチームでは、1.の問題を回避するため、特別な理由がない限り、以前にサポートしていたOS環境もサポートする、原則を持っていた。2.の問題を回避するために、テストの準備段階で、徹底的にテストケースの文書化を行う。さらに、作ったテストケースのレビューも数度にわたって行い、テストケース漏れがないように、ダブルチェック、トリプルチェックを行うようになった。
mixi 運営側の以下のコメントにも、陥りやすい罠に、はまっているにおいがした。
- ユーザーの皆様にとって、より見やすくご利用いただきすいサイトへと、順次リニューアルを進めております。
- 『見やすくなった』『使いやすい』などといった肯定的なご意見も多くいただいており
- リニューアルからまだ間もないですので
開発部隊は、とにかく次々に新しい物を作りたがる。問題のない既存のものも、「新しい技術を使ってみたい」 という理由だけで、新しいものに作り変えたがる。ところが、新しい機能、高度な機能と引き換えに、以前あった些細な機能が使えなくなる場合がよくある。「トータルでよくなったから、問題ないよね」 と、古い機能の維持管理をやりたがらない。これが後で大きな問題を起こす場合が多い。
私もずいぶん昔に、「もう誰も使ってないよね」 とタカをくくって、新しいバージョンで古い機能の維持しない決定をしたことがあった。ここまで読めばお分かりのように、その古い機能を落としたことで、大きな問題を起こした。
あくまで私の感覚だが、mixi のシステム開発は、若い人たちだけでやっているように感じた。技術力はあるが、経験がない。過去に大きなプロジェクトで、大きな失敗を経験した人が、開発の中心人物としていれば、ここまで大きな問題にならなかったのでは?とも感じた。
私も含めて、パソコンのソフトウェア開発で失敗したことの多くは、過去にメインフレーム開発で失敗したことでもあった。そして今、同じような失敗を、インターネット上の Web ベース ソフトウェアの開発で繰り返そうとしている。
「歴史は繰り返す」。人が過去の失敗から事前に学ぶことは、なかなか難しい・・・。
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