効率よく仕事をして、定時に帰れと言うけれど・・・
【第4回】時には“男の沽券”捨て「仕事」も「家庭」も諦めない
白河桃子
NBonline [2007年11月19日]
上の記事に書かれていることは、大筋において私も賛同できる。しかしながら、現実には、そうならない、そうさせない会社や組織が大部分であることも、私は知っている。
私が12年間働いていた会社は、米国資本の外資系で、いわゆる成果主義による個人評価が建前であった。確かに、米国における米国人マネージャーの下では、成果主義がそれなりに機能していたかもしれない。しかし、日本で末端の組織を取り仕切るのは、やはり日本人だ。日本的感情による人事評価が横行していた。(もちろん、すべての日本人マネージャーが、感情的人事評価をしていたわけではないのだが。)
目標にはないが、自分の製品に必要だと思って、私が作業したことを、高く評価してくれるマネージャーがいた。
一方で、計画通りに仕事を片付けて定時に帰ると、「なんで、定時に帰るんだ!」 と非難をするマネージャーもいた。片付ける仕事がある・なしではなく、帰るのが早い・遅いを評価されたのだ。
また、自分の意見に何でも賛同する部下の人事評価を甘くして、多くの成果を上げても自分に反対意見を述べる部下を低く人事評価するマネージャーもいた。
そして残念ながら、下二つのタイプのマネージャーの方が、私の周りには多かった。
成果主義が進んでいると言われる米国企業でも、日本の支店ではこうなのだ。生粋の日本企業であれば、マネージャーの感情による人事評価は、もっと多いと予想される。
そんな私の経験からは、
佐々木: 上司が、仕事の効率化をすることだ。私の場合「6時に帰れ」と言った時の一番の抵抗勢力は、実は部下たちだった。日本企業は、上司も部下も無計画に何の工夫もなく仕事をしがちである。仕事を始める前にきちんと考えて、優先順位をつけてから仕掛かるべきだ。また、上司との関係も大事だ。自分は、残業せずに早く帰宅した時も上司ときちんとコミュニケーションを取っていたので、評価が下がることはなかった」と経験を語る。
こういう状況は、極めて幸運だったと思わざるを得ない。
なにしろ、それなりの工夫をして、効率的に仕事をして、きちんと成果を出しても、「なぜ、定時で帰るんだ」 と言われ続けることを、身をもって経験してきたのだから。
「システムが人の行動を決める。」
というのが、私の持論である。日本で、ワークライフバランスを良くしていくためには、やはり、システムを変えていかなければダメだ。非正社員を使ったほうが企業に都合がよい。複数で仕事を分担するより、一人を長時間拘束したほうが、企業に都合がよい。そんなシステムから変えなければいけないと、私は考えている。
もちろん、そのシステムを変えるのは、国=政治家・官僚の仕事だ。だが、その集団に期待できないことが、今の日本の閉塞感につながっている。
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