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2007/11/29

抵抗したところで、流れは変わらない

 テレビ局は、ホント、目先の利益 と 既得権の固執 と 既定路線の踏襲 しか頭にないようだ。

ハイビジョン月面画像をネット公開しなかったNHK
 松浦晋也の「宇宙開発を読む」
  nikkei BPnet [2007年11月22日]

 この問題の本質は、4ページ目にまとめられている。

NHKとしてはハイビジョン画像は、ハイビジョン受像器を買ってもらい、地上波デジタル放送、あるいはデジタルBSで見て欲しかったのだろう。しかし、現状ですべての世帯に受像器が普及しているわけではない。また、海外の放送局に映像素材を提供するといっても、海外のすべての国でHDTV放送が普及しているわけでもない。

放送局であるNHKとしては、オフィシャルには認めたくない事実かも知れないが、インターネットへの動画像掲載は、全世界に「これほど素晴らしい画像なのだ」と伝えるのに最高の手段なのである。

 そう、ケチケチケー もとい NHK は、ハイビジョン受像機以外では、自らが著作権を持つ映像を流したくないのだ。

 日本の政府、官僚、経済界は、必死になって地上デジタル放送 ≒ ハイビジョン受像機を国民に買わせようとしている。しかし、デジタル放送やハイビジョン放送になったからといって、コンテンツの価値がかならず上がるというわけではない。少なくとも私は、今の “低解像度” の映像でも十分に満足している。しかし、政官財は、地上デジタル放送に切り替えることを決めて、強引に推し進めている。

 ハイビジョン映像をもっとも手軽に見る手段が、インターネット配信だということを、多くの国民が、すでに気づいてしまっている。これはもはや一国の “優秀な” 官僚などでは、変えようのない世の中の流れだ。

 利用者が欲しているのは、“優良なコンテンツ” という目的であって、“効率的な電波利用ができる” 地上デジタル放送という手段ではない。

 それなのに、必死になって地上波による放送に固執している日本の政官財は、負けることがわかっていても戦争をやめることができなかった、旧日本軍のようにも見える。

 以前、好きでよく見ていた “銀河英雄伝説” の中でヤン・ウェンリーが、(それが正しいかどうかはおいといて)

「テロは歴史を建設的な方向に変えることはない。しかし、歴史を停滞させることはできる。」

というようなことを言っていた。私には、今の地上デジタル放送への強制が、そのテロと思えて仕方がない。

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