キャリアパスに花束を
SEやプログラマーに忍び寄る“新しい”うつ
~ 専門家は語る(御茶ノ水医院 院長 市川光洋氏)【後編】~
西川敦子
ダイヤモンド・オンライン [2007年12月14日]
私も、“うつ” という名の洞窟に何度も片足を突っ込んだことがある。記憶にあるだけでも三度ある。その度に自ら、カウンセリングを受けたり、休暇を取ったりして、洞窟の奥に迷い込んでしまうことを回避してきた。だから、上の記事に書いてあることは、決して他人事とは思えない。
会社の都合で一方的に行われる人事は、心に大きな軋轢を生む。
主任に昇格したばかりに管理業務を背負わされ、やがてうつ症状が現れた――。
まさに私が経験してきたことだ。
「誰もが組織のピラミッドを登りつめたいわけではない。たいていの企業は、ワンパターンのキャリアパスしか設定していません」
私の会社もそうだった。正確に言うと、私が所属していた日本の開発チームがそうだった。
私もある時期を境に、専門技術者を目指すようになった。ところが、日本の開発チームには、勤続年数が長くなるとマネージャーとなるキャリアパスしかなかった。「給与は据え置きでもよい」 から、技術職で働きたかったが、マネージャーに
- 「マネージャーのキャリアパスしか用意されていない」
と言われた。別なマネージャーには、
- 「この会社のすべてのソフトウェアに精通して、すべてを完璧にテストできる自信があるなら、専門職として考える」
などという、極めて非現実的な条件を突きつけられたこともあった。
マネージャーとして働いている人の多くは、自ら進んでマネージャーになった人たちだ。その人たちには、現場で専門技術者でいつづけたいと思うことが、理解できないのだろう。
この極めて限定的なキャリアパスは、私のその会社への忠誠心を急速に低下させていった。
今の人事制度は、高度経済成長期に生まれたものだ。それから歳月が流れ、労働環境や人々の考え方は変わった。会社の事情に働く人が合わせるのでなく、働く人に合わせて会社が変わる――そんな時代がそろそろ来てもいいのかもしれない。
これはまさに、私が会社を辞めようと考え始めたときから、ずっと思っていたことだ。しかし、そんな都合のよいことが起こるはずもなく、結局、私は会社を去ることにした。
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