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2008/01/16

私のケータイ予想 -タッチスクリーン-

 前回、大画面化とそれに伴うインターフェースの変化について書いた。

 今回は、そのときの話題の一つでもあった、“タッチスクリーン” に関した話をする。

 タッチスクリーンは、Nintendo DS によってすっかり市民権を得たように思う。タッチスクリーン自体は、かなり以前より、自動券売機の画面、ザウルスやPocketPCといった小型情報端末に使われてはいた。

 しかし、タッチスクリーンに、より複雑な操作ができることを多くの人たちに体験させたのは、Nintendo DS だと思う。そして、その Nintendo DS によって多くの人たちに、タッチスクリーンの “快適さ” と “不自然さ” の両方を体験したのではなかろか。

 タッチスクリーンを使えば、ペンを置いた位置を直接操作できる。ペンの位置に文字や絵を描画できる。これは、“紙と鉛筆” という子供の頃からの体験と同じものであり、なじみやすい操作方法だと思う。

 似たような操作に、スライドパッドやタブレットといったものもあるが、両者とも操作面と描画面が異なるため、手元を見ながら結果を見ることができないという、不自然な欠点がある。

 この点から見ると、機械に詳しくない人たちが多く使うケータイに、タッチスクリーンがもっとも適しているように思える。

 ところが、タッチスクリーンには、一見自然な操作に見えるがゆえの不自然さが、どうしても残ってしまう問題がある。それは、

  • タッチスクリーンにガラス(プラスチック)の厚みがあるため、タッチしているところと、表示されている部分に、わずかなズレが見えてしまう。
  • タッチスクリーン上の操作を内部で処理してから表示しているため、操作先端よりわずかに遅れて、ポインターがついてきたり、線がかかれたりする。

という部分だ。操作系が 紙+鉛筆 に近いがために、この二つの微妙なズレは、人によっては、かなりストレスになる。これは、タッチスクリーンそのもの改善と、ケータイの処理速度の高速化で解決するしかないだろう。

 実は、ヘビーユーザーにとっては、もう一つ大きな問題がある。

 タッチスクリーンは、フラットで、状況によってどのような機能にも変わりえるのが強みだ。ところがそのフラットであることが問題になる場合がある。タッチタイピングに文字入力だ。

 ヘビーユーザーであれば、画面を見なくてもケータイに目的の文字を入力することができる。1=あ行、2=か行、… と決まっているからだ。11=あ、12=い、… という2タッチ方式を好むユーザーも少なくない。

 パソコンのキーボードもそうだし、ケータイの数字ボタンでタッチタイピングができるのは、目安となるキーに印がついているからだ。ケータイの場合は “5” キーに出っ張りがついているはずだ。タッチスクリーンでは、その目印が付けられない。さらに、ボタンを押した時の物理的な感触もない。

 そのような観点から、ハードウェアには興味のないケータイのヘビーユーザーには、タッチスクリーンは嫌われるのではないかと思っている。

 そこでいよいよ iPhone の話だ。Apple が米国で発売した情報端末 iPhone は日本でも注目の的だ。日本では、NTT ドコモが発売するという情報もある。

 そして、この iPhone は全画面タッチスクリーンで、ほとんどのケータイが持っている数字ボタンがない。すると、私が上記で指摘した問題が当然出てくる。ゲームであれば、許容できた、ペン先と描画のズレ や 描画処理の遅延も、日常生活の一部となっているケータイで果たして、大部分の人に許容されるのか。過去に ザウルス や ポケットPC を使ったことのある私は、許容されないと思っている。

 それ以外にも iPhone がこのままでは日本で成功しないと思う理由は、以前に記事にしている

 さらに、iPhone の日本語入力方法も問題にされそうだ。iPhone のiPod版である iPod タッチ には、日本語入力機能がある。それは、パソコンにおけるキーボードからのローマ字入力であり、予測変換がついているとはいえ、現在のケータイでの日本語入力になじんでいる人が、違和感なく簡単に移行できるとも思えない。

 今のケータイの日本語入力方法が、ベストな方法だとは思っていないが、大多数のユーザーの慣れ というものは無視できない。

 次回は、サービスと費用について考えてみる。

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