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2008/01/31

日本動漫は中国をどう変えるのか

中国"動漫"新人類
「海賊版」初体験で見えた、日本動漫浸透のメカニズム

 遠藤誉
  NBonline [2008年1月30日]

 なるほど、確かにそうだ。私もそのとおりだと思った。

 「海賊版の存在が、日本動漫ブームを生み出した」 という部分にではない。

海賊版は、日本動漫の普及に貢献しただけでなく、中国の青少年が「自らの手で選ぶ」大衆文化の形成にも──無論、結果としてだが──役立っていたのではないか?

といった、「中国の青少年に革命的な思想の変化がもたらされた」 という部分にだ。

 私が知る限りでは、中国も経済は自由化してきている。だから、いまさら、

海賊版ビジネスでも市場原理が働き、子どもや若者が好む漫画が市場で勝ち残っていく。見方を変えれば、市場を通して若者自身が社会の文化的なトレンドを消費者の立場で築いていくわけだ。

といった話は、今の中国においては特別な話ではない。

 しかしである。自分を振り返ってみてもわかるように、幼少期の原体験というものは大人になってからの行動にも大きく影響するものだ。私で言えば、いい歳になった今でもガンダム大好きだったりするようなことだ。自衛隊では、“ガンダムっぽい” 兵器をまじめに開発している人たちもいる。

 そう考えれば、幼少期から自由市場原理を原体験してきた中国の動漫世代は、自らが選択していくことが当然だという価値観を持ち、大人になってからも変わらぬ価値観で生活していくだろう。しかもそれが、一部のエリートや裕福な家庭で育った人ばかりでなく、多くの一般大衆家庭で育った人たちもそのような原体験をしていたとしたら・・・。

 いずれ、物に対してだけでなく、社会サービスや社会システムに対しても自分達の意見が繁栄されないと耐えられない苦痛に感じるようになるのではないか。そうなった場合、今の政治体制はやはり大きく変わらざるを得ないだろう、と私は考える。

 中国が市場に自由市場原理を導入したときから、そのようなことは言われてきた。しかし、公式に市場原理が導入される前から、動漫世代は市場原理を実体験してきた。だから、政治体制に対する要求も、もっと早い段階で起こるのではないかと、私は感じた。

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