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2008/03/27

歴史ある京都は現状維持が主流

 企業経営の記事を読むと、よく

  • 会社は成長し続けなければつぶれてしまう。
  • 現状維持はすでに衰退の始まりである。

といった内容を見聞きする。実際、株価に高値がつくのは成長していたり、成長が確実に見込める企業だ。赤字は出さないが、業績も拡大しない企業の株価はそれほど高くない。

 しかし、私はどうもこの意見に素直に賛同できない。

 前日にも書いたことだが、“成長=善・正義”、“安定・現状維持=悪” といった考え方が、特に、ビジネス関係の書籍や記事に多い気がする。そして、私はどうもそれに違和感がある。

 確かに、企業を興して成功しようとする人たちにとって、自分の企業を際限なく大きくすることが成功だと考えているのだろう。別にそれが間違っていると思っているわけでも、否定しようとしているわけでもない。ただそればかりが取り上げられることに、強く違和感を感じているだけだ。

 最初の頃は順調に業績を拡大できても、ある規模まで大きくなってしまうと、なかなか思うように業績を伸ばせなくなるのはよくある話だ。それでもさらに同じペースで業績を伸ばそうとして、無理に無理を重ねるといったこともよくある話だ。

 そして、無理を重ねることで、そこでは働いている社員やその社員の家族に大きなストレスがかかり、周囲にモラルの低下を撒き散らすようになる。と、私は考えている。そしてそれを私は “心の公害” と名づけた。成長途上の企業は、たいてい社員のメンタルヘルスまでケアしていないものだ。

 そんなことを考えている私にとって、なかなか興味深い記事があった。

思索の副作用
大きいことはエライことではない
 Tech-On! [2008年3月21日]

 「父がよう言うてましたわ。立つから倒れるんや、最初から這うてたらええんやと」。こんなビジネスに関する理念は、きっと「一澤流」ではなく「京都流」なのだろう。そう感じるのは、ほかでも京都の店や会社に関して、同じようなエピソードをいくつも聞いたからである。例えばある会社では、創業者が子息に経営を譲る際に社訓を定め、これを遵守するよう求めたのだが、その中に「現在よりも会社の規模を大きくしないこと」という一条があるのだという。

 千年以上もの間、京都は日本の首都であった。政治の中心は、鎌倉や江戸にあった時代も長かったが、天皇のいる日本の中心は京都だった。だから、商売(ビジネス)の成熟度は、今の東京中心のビジネスとは比較にならないくらい高いはずだ。過去に様々な成功と失敗を繰り返した結果、行き着いた商売のやり方だと思えるからだ。

 そのやり方が、

  • 「必要以上に商売の規模を大きくしない」
  • 「目先の利益にとらわれて、商売上に付き合いを安易に変えない」

というのは、現在のビジネスモデルの主流となっている、

  • 「とにかく規模を拡大する」
  • 「海外生産、アウトソーシングなど、コスト削減のためには何でもやる」

とは、正反対だ。

 例えば、中国での生産。いまだに原因がはっきりしない “農薬入り冷凍餃子事件” で生協はどれだけダメージを受けたか。国産や安心・安全にこだわっていたはずの生協が、規模の拡大、コスト削減のために選択した中国での生産が、結局は自分の首を絞めたことになる。

 例えば、アウトソーシング。一部の企業では、アウトソーシングどころか契約社員を減らして、正社員を増やす動きがあるそうだ。理由は、ノウハウの蓄積やモチベーションの向上。コスト削減を目指して正社員を減らした結果、確かに人件費は減ったが、それ以上に売り上げや生産性が落ちたため、あわてている企業経営者も多いそうだ。

 人間、欲に流されて行動をすると、たいていは悲惨な結末がまっているものだ。

 それよりも、一時的なバブルやトレンドに惑わされることなく、自分が出来ることを出来る範囲で地道にやっていくことが、結局は幸せな人生が送れるんじゃないかと、今は思っている。

 世の中にはいろんな人がいて、「地道な生活などには価値がない。」「俺は一攫千金を狙う。」 という人たちも多い。その人たちを否定するつもりは、サラサラない。とはいえ、そういう人たちにお願いしたいことはある。それは、周りを巻き込まないでいただきたい。ただ、それだけである。

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