著作権世界の魑魅魍魎
自己の利益のために人を殺した者がいたとする。その殺人者が
「死んでしまった人のことをとやかく言っても仕方がない。話し合うべきは 『どうやったら殺されずに済むか』 ということだ」
という発言をしたら、あなたはどう思うだろうか。大多数の人は、「お前にそんなことをいう資格・権利はない」 と思うだろう。
私は、下の記事を読んで、似たような気持ちになった。
“著作権の悪者探し”は何も生まない
「ニコ動」時代の今、前に進むために
ITmedia News [2008年3月26日]
ここで、現在の著作権を擁護している人たち、現在悪者扱いされている人たち、がこぞって 「著作権法は悪くない」、「著作権はクリアでフェアだ」 と言えば言うほど、私にはいっそう胡散臭く感じてしまう。
いみじくも、魑魅魍魎の一人であるホリプロの社長が言った
「著作権から不透明に金が生まれていて、それで誰かがもうかっていい思いをしていると思われている節がある」
という言葉が、今の著作権の一般消費者の偽らざる気持ちだと思う。そして、不透明な金のやり取りが発生していることは、こういった記事などから、おそらく間違っていないと、私は確信している。
以前にも引用した 銀河英雄伝説 からの一説。
世の中に飛び交ってる情報には、必ずベクトルが掛かっている。
誘導や願望が含まれて、情報発信者の利益をはかる方向性が付加されている。
それを差し引いてみれば、より本当の事実関係に近いものが見えてくる。
現在の著作権法とシステムの中で巨額な利益を稼いでいる人たちが、現状を肯定し、維持しようとするのは、至極当然のことだ。しかし、その意見がすべての人に有益とは限らない。むしろ、大多数の人たちにとっては有害である可能性が高い。
現在の法律とシステムを盾に、一般利用者がコンテンツの不正流通を肯定したくなるような高止まりの価格設定を止める。大多数の利用者が納得して対価を支払いたくなるような価格設定にして欲しい。それが私が掛けようとしているベクトルだ。
そういえば、映画館に映画を見に行かなくなって何年になるだろう。映画館での映画鑑賞に \1,800- の価値を見出せなくなって久しい。新聞に 数千円/月 の価値が見いだせず、購読を止めて三年が過ぎた。コンピュータ雑誌にいたっては、購入どころか本屋での立ち読みさえしなくなった。いずれも、安価で同等なコンテンツを新しいインフラで入手できるようになったためである。
古いメディアは、規制や慣習によって、守られている もしくは がんじがらめになって、自由競争から取り残されている。
日本はいちおう市場経済システムであるので、著作権の魑魅魍魎たちがどんなに抵抗したところで、古いメディアやシステムが衰退していくことは避けられないだろう。
もっとも、新しいメディアやシステム上でも、今までと同等かそれ以上に暗躍して、暴利をむさぼろうとしているに違いない。なにしろ魑魅魍魎たちなのだから。
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