« あれ?いつの間に (クロオオアリ女王アリ) | トップページ | プラズマテレビ Wooo P42-HR02 を二週間使ってみて (その1) »

2008/06/23

千の数になって

 現役音大生が PlayStation 3 の売り上げ不振をおちょくった動画が一部で話題になっているらしい。

と、前フリに使ったものの、本題にはまったく関係ない話だ。

---------------

 子供の算数問題の答え合わせをしていて、妙なことに気がついた。

 大きなアラビア数字の四桁毎に、カンマが打たれているのだ。最初の2~3問は、「勘違い」 だと思って訂正していたのだが、すべての数字が四桁毎のカンマが打たれているのを見て、

 「もしかしたら学校で四桁毎のカンマを教えているのか?」

と思うようになり、さっそくインターネット上を調べてみた。

 そうしたら確かに一部の学校では、小学校の間は、数字の四桁毎の区切りを教えているということだ。私の子供が通っている学校もその “一部の学校” に含まれていたらしい。

 あちこちに散らばっている意見を集約すると、以下のようになる。

  • 四桁区切りに賛成の意見
    • 日本では、万・億・兆・・・と四桁で区切ったほうがわかりやすい
  • 四桁区切りに反対の意見
    • 日本の実社会では、三桁区切りしか使わないのだから、四桁区切りを教えるのは混乱の元

 私個人の意見は、下の反対の意見だ。

 日本人同士で日本語だけのやり取りをしているならば、四桁毎の区切りのほうが読みやすく、直感的にわかりやすいのは、私も素直に同意できる。

 しかしながら、今や世界標準を無視して、日本の社会活動は成り立たない。であれば、書類等の記述ルールを世界標準に準拠することが、効率や間違いを防ぐ上で重要になる。

 だから、日本語の位取りに不整合があったとしても、三桁区切りを小学校から教えるほうが、結果的に子供の混乱や負担を減らすことになると、私は考える。

 とりあえず、私なりに四桁区切りをどうするかを二つ考えてみた。

  1. あくまで三桁区切りのみを教える
  2. 四桁区切りを教えるものの、四桁毎の区切り方はカンマではない別な方法、例えば、数字の上にアポストロフィでつける、を用いる

 いずれにしても、現行の三桁区切りと同じ表記を使って四桁区切りを教えるのは、子供たちを将来的に混乱させるだけに思えるため、私としては即刻止めてもらいたいと思っている。(が、これは学校に言うべき話だな。)

 四桁区切りについてインターネット上を調べていて、私が面白いと思った意見をいくつか紹介する。

Life is beautiful: 素直な疑問:数字には四桁ごとにテンを打った方が日本人には読みやすくないか?

 こちらは、完全に四桁区切り賛成意見だ。「教科書でも四桁法を推進してほしい」 と明言している。ただ、すでに上で書いたように、私はこの意見には賛同できない。

西村有史自家頁:昨日までの一言:12,500は一万二千五百の代わりになるか

 こちらは、まぁ、かなり意地悪な意見と言えなくもない。が、私としてはある意味 “正論” かなという気がしないでもない。

 その昔、私が大学生だった頃、国文学を専攻していた友人が 「教授が 『国文学を学んでいるのだから、レポートや論文は手書きのみを受け付ける』 って言うんだよな。」 とぼやいていた。だから、ワープロで “下書き” をして、それを見ながら手書きで “清書” するという話だった。さらにその友人は、「だったら教授も、鉛筆やボールペン、万年筆を使わずに、“毛筆” を使って書けと言いたいよ」 と悪態をついていた。ことを思い出した。

はぐれ士(さむらい)の風来記(仮):数字表記「3桁区切りVS4桁区切り」どっちが見やすい?

 この人は、私の意見に近い意見だ。人間にとって、ぱっと見の使いやすさは重要だが、慣れによる使いよさはさらに重要だ。そのことを私はユーザビリティ テストを通じて、イヤというほど思い知らされた。

 多くの人にとっての重要度は、「手間がかかっても確実に出来る」 ≫ 「簡単な方法だが新しく覚えなければいけない」 なのだ。

天網快快:インドの桁区切り

 日本でもお役所が積極的に四桁区切りを使ってくれるならば、小学校で四桁区切りを教えるのもいいだろう。むしろ、小学生に四桁区切りを教えることを “指導” するならば、日本における公式文書をすべて四桁区切りにしろと、私は言いたい。

 ずっと以前に、私が担当していた製品に、ユーザビリティ テストから得られた “より使いやすいインタフェース” を実装することが認められた。

 ところが、その新しく使いやすいインタフェースは特定の条件でしか使えなかったため、古いインタフェースとの併用を余儀なくされた。その結果、メインのインタフェースにはなりえずに、失敗に終わった。

 このことから私は、「局所的に見ていかに優れたものであろうとも、大局的に見て互換性の問題があるモノは、失敗に終わる」 ということを学んだ。

 小学校だけで教える四桁区切りは、そんな私の失敗経験とダブって見えてしまい、見ていてつらくなる。

|

« あれ?いつの間に (クロオオアリ女王アリ) | トップページ | プラズマテレビ Wooo P42-HR02 を二週間使ってみて (その1) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

教育」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 千の数になって:

« あれ?いつの間に (クロオオアリ女王アリ) | トップページ | プラズマテレビ Wooo P42-HR02 を二週間使ってみて (その1) »