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2008/08/05

3D映像の限界

 前回のワンダーフェスティバルに入る前に、パナソニックのショールームで時間をつぶした話をした。具体的には、りんかい線の国際展示場駅前にある “パナソニックセンター東京” だ。

 実は、パナソニックセンター東京に立ち寄るのは、二回目だ。一回目は子供と一緒に、“手作り乾電池” のイベントで一緒に来ている。キットになっている乾電池セットを、手順に従って、粉末を入れたり、フタをはめ込んだりするだけの単純なものだが、小学生の子供には十分楽しめる内容だ。何よりも参加費無料で、アルカリ乾電池のお土産付だ。

 ここの常設展示もなかなか楽しめる。Wii や DS が試遊ができる。数は少ないが、科学実験装置もあるので、楽しみながら科学について学ぶことも出来る。

 その中で、今回私が考えさせられたのが、イベント展示の “オリンピック3Dシアター” だ。イベント情報によれば、

オフィシャルワールドワイドオリンピックパートナーとして「Sharing the passion」をコンセプトにオリンピックを支え続けてきパナソニック。北京オリンピックでも、その最新のHD技術が情熱と感動を世界中にお届けします。「オリンピック3Dシアター」では、3D(立体)撮影した開会式や競技の映像で、臨場感豊かにオリンピックを体験していただくことができます。

ということだ。

 具体的な技術については聞いてこなかったが、おそらく偏光を用いた技術による立体映像だろう。肉眼で見ると単にぶれた映像にしか見えないが、専用のメガネをかけてみると、立体的な “カラー” 映像が見られる。なぜ “カラー” を強調したかと言えば、青と赤のメガネをかけて見る立体映像と基本原理は一緒だからだ。青赤メガネではモノクロ映像しか見られない。しかしそれではカラー映像に慣れた人たちには受け入れられない。立体かつカラー映像が最低限の条件だ。

 このオリンピック3Dシアターは、特に意識をしなくても奥行きが感じられるのは、単純に面白いと思った。しかし、面白いだけだ。これが今後、平面映像機器に取って代わるような技術かと言えば、ぜんぜんそうは思わない。

 技術的に未熟だという理由も一つはある。奥行きが感じられるといっても、現実の奥行きとは少し違う。違和感がある。アニメのセル画に背景とキャラクターと手前の物を書いて、背景から少し浮かせてキャラクターを置き、さらにその上に手前の物を少し浮かせて置いて撮影したような、平面が重なったような奥行きに感じられるのだ。奥行きがアナログ的に連続しているのではなく、デジタル的に飛び飛びにモノが存在しているように見えてしまうのだ。

 そして、私が考えるに、こちらの方が根本的な問題だと思っている。それは、視点が固定されているのに、奥行きが感じられる必然性があるとは思えないのだ。

 小学生以下の子供達を驚かせるようなデモンストレーションをしたり、ディズニーランドのようなエンターテイメント、さらに、自分視点でのゲームなら、多少の価値はあるかもしれない。

 しかし、私が考える 3D映像 の最大の特徴は、『リアルタイムで視点が変えられる』 という部分だ。

 今回の オリンピック3Dシアター は、固定カメラでの立体映像撮影なので、同一視点からの立体映像しか見えない。

 しかし映像が立体になった瞬間に、見る側の人間は 「別な角度から見てみたい」、「後ろから見てみたい」、「上から見てみたい」、「対象者の視点で見てみたい」 と思うようになると、私は思っている。ところが現状の手法ではそれは不可能だ。撮影された位置からの視点の映像しか再生できないからだ。あらゆる視点からの映像が見たければ、あらゆる位置にあるゆる方向をとるカメラが必要になる。それは現実的に不可能だ。

 であるならば、一箇所の視点の映像しか見られないのであれば、立体映像にそれほど価値があるとは思えない。現状のハイビジョン映像でも、これまでの標準映像では感じられなかった背景のボケがはっきりとわかるので、それだけで立体感は十分に感じられる。

 やはり立体映像が、本当の意味で平面映像にはない価値生み出すとすれば、“スタートレック” の世界で実用化されている “ホロデッキ” のように、立体映像の中に自分が入り込めるようにならなければならないだろう。

 現状のメガネをかけて見る立体映像は、絵本に対する “飛び出す絵本” レベルでしかないように思う。

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