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2008/09/16

汚染米事件の報道で思うこと

 2008年9月15日現在、三笠フーズによる汚染米偽装事件の全貌が、いまだに見えない。何しろ、取り締まらなければならないはずの農水省の課長が、三笠フーズから接待を受けていたというニュースが、今日になって明るみになったぐらいだ。この先も、どんな悪事が明らかになるか予想できない。

 なお、今回問題になっている食用にならなくなった米を、公式には “事故米” という呼称になっているようだが、私のブログでは意図的に “汚染米” と呼ぶことにした。この 事故米 という言い方は、高速増殖炉もんじゅがナトリウム漏れ事故を起こした際に、職員が記者会見でさかんに事故のことを 「事象」、「事象」 と言って、問題を矮小化させようとしていたのと、同じような不快感がある。事故米 という言い方が事の本質を隠蔽しようとする意図が見えるのだ。

 そして、この汚染米事件に関してのテレビや新聞社の報道で、私が一番気に入らないのが、“農水省の責任を追及する報道がほとんどない” ことだ。

 一般のニュース報道は言うに及ばず、ワイドショー番組でも農水省に対する責任追及は、コメンテーターが一言言うだけの時間しか使われていない。

 なにしろ、当の農水省の役人達は、テレビインタビューに対して 「自分達に一切責任はない」 と言い切るほどの厚顔無恥な輩だ。こいつらの責任を追及しないで、ジャーナリストを名乗るなと言いたい。

 さすがに自己保身に関しては敏感な高級官僚。農水省に 「まったく責任がない」 としたのでは、世論の反発が大きすぎると判断したのか、第三者を含めた検討委員会を立ち上げて、職員の処分も検討しているようだ。もっとも、“検討” しているだけで、「結局は誰も処分されなかった」 ということは充分にありうる。しかも、テレビや新聞は事後をほとんど報道しない。

 結局、テレビ局も新聞社も “お上” に遠慮をして、お上に都合の悪いことはなるべく庶民には伝えないように努力をするということだ。伝えるときは、なるべく問題を矮小化して伝えるように努力する。

 NHK は元々国営放送であり、与党政府や役人に都合の悪いことは極力報道しないように努力してきた。そして、本来ならば公権力の抑止力として働かなければいけない民間のテレビ局や新聞社も、結局は利権や許認可権の都合で、政府や役人の都合の悪いことは報道しようとしない。

 これでは程度の違いさえあれ、戦前の “大本営発表” とぜんぜん変わっていないということだ。

 しかし、戦前と大きく違うのは、現在は “インターネット” という強力な情報網があるということだ。インターネット以前であれば、個人に依存した情報は、せいぜい 口コミ という形で、極限られた範囲でゆっくりとしか伝わらなかった。それがインターネット以後は、個人が発信した情報が瞬時に検索サイトに登録されて、世界中の人が知ることが出来るようになる。

 そのインターネットの強力さは、インターネットを検閲・制限しているはずのお隣中国で立証済みだ。中国共産党がテレビや新聞でどんなに隠そうとしても、多くの中国国民は、インターネットを通じて知ってしまっている。

 日本でも同じだ。テレビ局や新聞社が積極的に報道しないことでも、インターネット上のマイナー情報サイトや個人サイトで、すぐに公にされる。インターネット上では、大新聞社でも、個人のブログでも情報を伝える能力にほとんど差はない。大昔における、紙媒体の新聞 と 口コミ の差は、インターネット上には無い。

 人々が本当に知りたい情報は、今やマイナー情報サイトや個人ブログ、そして巨大掲示板にあることが、徐々に常識化しつつある。それは相対的に、テレビ局や新聞社の信頼度が低下していることを意味している。

 実際、新聞の発行部数ははっきりと低下しているし、テレビの視聴率もテレビ局の経営が危ういと心配されるぐらいに低迷している。

 こうしたテレビや新聞の低迷を食い止めるには、本当の意味で公権力に対抗する報道が必要なんだと思う。なぜなら、今多くの国民が一番必要としているのが、公権力を是正する力だからだ。

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