大河ドラマ “篤姫” とダブって見えたモノ
NHK の大河ドラマ “篤姫” が、人気らしい。
おかげで NHK が平均視聴率で民放を超えたとか。その勢いもあってか、“篤姫” が大河ドラマ史上初の、『本放送終了前の再放送』 となった。
遅ればせながら、私も再放送で “篤姫” を見始めた。
たしかに、見ていて楽しい。まったくの余談だが、原作者も脚本家も女性ということで、女性的な流れが多くて、そのあたりを私は早送りしてみている ものの、「恥ずかしくて見ていられない」 ほどではない。
再放送では、主人公の篤姫が将軍との婚礼が決まり、篤姫が大奥に入ったところまで進んだ。
大奥に入ってから、篤姫に対して行われる大奥の作法を見て、ふと、あることとダブって見えた。もっとも、ドラマ内の作法が、当時の作法を完全に再現していると思っているわけではない。しかし、時代考証はかなり行っていると思われるので、まったく別なことをしているとも思わない。
具体的には、
- 料理は、御台所が一口食べる毎に新しいモノに取り替える
- 衣装は、日に五回替える
というところが、気になった。それだけならば、これまでにも大奥を紹介するテレビ番組で聞いていた内容だ。それに加えて今回は、篤姫が “横になって二度に分けて行う髪すき” や “髪を結いながらの食事” を変えようとすることに対して、篤姫付きの御年寄が 「古くからの慣わし」 といって、変えるのを拒むのを見て、あることとダブって見えたのだ。
また、あちこちの大奥や幕末に関する資料を調べると、大奥にかかる経費は、当時の幕府にとっても大きな負担であったらしく、江戸時代に行われた数度の改革でも、大奥の経費削減は重要な要件だったようだ。
- 「古くからの慣わし」 を理由に慣行を変えたがらない
- 政治権力に隠然たる影響力を持つ
- 経費を浪費する
この三要素を見て、私にはどうしてもダブって見えてしまうものがあった。それは、
現代の官僚
だ。もっとも、私がそう思っただけなので、それが誰にでもピンとくる話だと思っているわけではない。
徳川幕府初期は、大奥によって後継者の安定供給がはかられて、権力基盤を固めることができたのかもしれない。しかし、やがて大奥が際限なく肥大したために、そのかかる負担が徳川幕府の重石となり、徳川幕府の衰退の一因となったともいえる。
日本の官僚システムも、戦後や高度経済成長時代ごろまでは、優秀な人材と高いモラルによって、日本経済躍進の立役者だったといえるだろう。しかし現在、官僚たちが行い政策・行政はことごとく裏目裏目となり、モラルは低下して、現在の日本の政治システムの衰退を招いている。
「歴史は繰り返す」 を信じるとすれば、そのうちに、今の政治・官僚システムがすべて廃止されて、まったく別な新しいシステムが作られる時が来るのかもしれない。
万が一、そのようなことが起こった時には、大量の犠牲者が出るような大きな混乱とならないことを、願うばかりである。
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