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2008/10/09

森永卓郎氏、がんばれ

構造改革をどう生きるか
第154回 今まさに瓦解する市場原理主義

 森永卓郎 (経済アナリスト) [2008年10月6日]

 私がだいぶ前から気がついたこと、思ったこと、私が最近感じていたこと、と、ほとんど同じことを書いてくれている。しかも、わかりやすく、読みやすく。

 NHK が1995年に放送した 『映像の世紀』 という番組を見て、

  1. 19世紀の終わりは比較的安定した平和な時代だったこと、
  2. 20世紀に入って世界情勢が不安定になり、
  3. 2度の世界大戦を経て、
  4. 20世紀半ばにふたたび比較的安定で平和な時代になった

ということを理解した。
(歴史書や歴史の教科書を詳細に読めばわかる話なのだろうが、私にはそこまでの読解力がなかった。)

 そして現在21世紀となり、私はふたたび動乱の時代が来ると半ば確信している。それは、世界大戦という形とは限らない。個人的にもそんなものは起こって欲しくはない。

 そして、世界の覇権が米国から他の国に移ることになるだろう、ということも私は確信している。21世紀後半に世界の覇権をどこの国、どこの地区が握ることになるかまでは、予想し切れてないが。EUを強化したヨーロッパになるのか、オイルマネーを持つ中東になるのか。ただ、無理に無理を重ねている中国が覇権を握れるとは、私は考えることが出来ない。また、残念ながら、今のこの社会システム、官僚システムでは、日本も問題外の外だ。

 金融資本主義についても、1991年の日本のバブル崩壊以後、ずっと私の中では違和感が続いていた。

 要は、自分自身では新しい価値を生み出さず、人が生み出した価値によって得られた財産を、どういう形にしろ横取りするのが今の “行き過ぎた金融資本主義” だ。横取りした人の財産は増えるが、横取りされた人の財産は同じだけ減る。いわゆる 『ゼロ サム ゲーム』 だ。

 新しい価値を生み出すためには、元手、それも多額な元手が必要なこともあるだろう。そのためには、たしかに、金融によって多額の元手を集める方が効率がよいので、「金融がまったくいらない」 とは私も思っていない。

 だが、価値を生み出すモノへ元手を集めることにはまったく関係なく、情報の格差のみを利用して、人から金を巻き上げることが出来てしまうことが、やはり問題なのだと思う。

 森永氏は、テレビ番組などでは異端扱いされて、あまりマトモに取り合ってもらえてないように見える。それでも、森永氏が言っていることは正論であり、人が進むべき道の一つを示していると、私は強く感じている。

 森永氏のような意見を言う人たちが、マトモにマスコミで取り上げられないうちは、マスコミの健全化も、日本がもう一段成長・繁栄することも、ないだろう、と私には思える。

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コメント

 まったく同感です。マスコミどもの情報操作にめげず、彼にはがんばってほしい。

投稿: | 2009/02/18 12:59

(無名)さん、コメントをありがとうございます。

読んでコメントをくれる人がいると、本当に嬉しく思います。

投稿: マスト | 2009/02/19 20:59

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経済アナリストの森永卓郎氏は、「金融資本主義が終わりを告げようとしている」と言っている。 「金融経済が実物経済を凌駕するのではなく、実物経済をサポートするという本来の役割に戻り、額に汗して付加価値を生み出す人が豊かになるということだ」 確かにまともな考え..... [続きを読む]

受信: 2008/10/11 17:28

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