クロオオアリ vs. クロヤマアリ
生餌やタンポポの種を与えたところ、クロオオアリ と クロヤマアリ の行動に自分にとっては興味深い違いが見られたので、まとめてみた。
タイトルから クロオオアリ と クロヤマアリ の直接対決を想像した人がいるかもしれないが、残念ながら(?)直接対決はさせていない。
ひょんなことから生餌を手にいれた。“レッドローチ” というやつだ。名前と姿を見れば想像できるように、多くの人が好きじゃないというか嫌いなゴキちゃんの一派だ。
確かにあまり気持ちよいモノではないが、プラスチックの壁を登ることができず、ほったらかしにしておいても簡単には死なないため、扱いが楽という点が気に入っている。しかも、栄養価が高い(らしい)。
捕まえるときはいったん小さめのプラスチック水槽に振り落とす。その後、一口ゼリーの容器ですくうと、レッドローチはプラスチックを登れないため、簡単に1匹ずつ捕獲できる。
捕獲した後は、アリの餌場の蓋を開けて、ゼリー容器をひっくり返して振り落とすだけだ。それで、アリ達へのプレゼントが完了する。
ところで、クロオオアリ と クロヤマアリ は大きさが多少違うものの、はた目にはよく似ている。クロオオアリ が地表から浅く広く巣を広げるのに対して、クロヤマアリ は垂直に深く巣を広げるらしいという違いは知っているものの、メープルシロップや人工餌への食いつきにそれほど差は見られなかった。
なので、それぞれの働きアリの行動にはそれほど違いはないと、私はずっと思っていた。
ところが、生餌としてのレッドローチに対する反応が、クロオオアリ と クロヤマアリ ではっきりと違った。
見ていて楽しいのは クロヤマアリ だ。
クロヤマアリ は、レッドローチを見つけると執拗に追いかける。どこからともなく仲間も呼んで、1匹のレッドローチに5匹以上の働きアリが襲い掛かる。レッドローチもすばやいが、働きアリ達もそれに負けないくらいにすばやい。普段は、餌場に2~3匹しかたむろしていないのに、レッドローチを2~3匹与えると、10匹以上の働きアリ達が巣部屋から出てくるのも、見ていて楽しい。
結局、クロヤマアリ は2~3匹のレッドローチを5分も経たずに、捕らえて巣に引きずり込んでしまう。
他方の クロオオアリ はといえば、見ていてちょっといらいらしてしまう。
クロオオアリは、基本的に単体で狩をするらしく、レッドローチを見つけても仲間を呼ばない。偶然、別な働きアリが巣部屋から出てきても協力する感じはない。しかも、働きアリの動きが、クロヤマアリ の働きアリと比べてやや鈍く見える。そのため、接触してもすぐにレッドローチに逃げられてしまう。
クロオオアリ は、2匹のレッドローチを捕まえるのに、30分~1時間もかかっていた。
クロオオアリ はコロニーが2つあるため、両方のコロニーにレッドローチを与えてみた。どちらのコロニーも同じような結果だった。
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番外編として、道端で拾ったタンポポの綿毛を与えてみた。
これも、クロオオアリ と クロヤマアリ で著しく異なる反応を示した。
クロヤマアリ は、投下されたタンポポの綿毛をとにかく弄り回す。そのために、タンポポの綿毛が餌場のそこらじゅうに散らばる。結局、タンポポの種を巣に運ぶことはなく、綿毛ともどもゴミ箱行きになったものの、それなりに積極的な反応が見られて、見ていて楽しい。
他方の クロオオアリ は、まったくと言っていいほどタンポポの綿毛に無反応だった。置かれたタンポポの綿毛を散らかすことなく、その場がそのままゴミ捨て場になっていた。
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同じアリとはいえ異なる種なのだから、まったく異なる行動をしてもちっとも不思議ではないのだが、似たような見た目とこれまでほとんど違う行動が見られなかったため、オオアリ類は同じような行動をするとなんとなく思っていた。
今回のような独自の行動パターンが見られると “個性” のようなものが感じられて楽しい。
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