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2009/10/07

現状の3D映像技術の使い道は

 なにやら今の映像技術のトレンドは3Dらしい。

「CEATEC JAPAN 2009」が幕張メッセで開幕
-各社が3D展示。「CELL REGZA」「LED AQUOS」も

 私は以前にも現状の3D技術に悲観的な記事を書いた。その見解は今でも変わっていない。過渡的な技術としては必要な段階だと思ってはいるが、現状の3D技術が広く一般に普及するとはやはり思ってはいない。

 映画館では3D映画が好調らしいが、それは現状、家庭では見ることができない映像を、高いお金を払って見に来てもらうための映画業界の努力によるものだ。CG技術が進んだおかげで、CGアニメならば3D映像が簡単に作れるようになったというのも理由の一つだろう。

 これも繰り返しになるが、私が3D映像に必要と思うのは、一つの場面をさまざまな方向から見ることができるようになることだ。視点が変えられないならば、3Dである必要はほとんどないと思っている。

 ただ、一つだけ現状の3D映像技術の使い道となるかもしれないものがあった。それは、Microsoft が開発している “Project Natal” だ。

 “東京ゲームショウ2009” の記事この写真をみると、現状の Project Natal は、自分の身体を使ってゲームを操作するとはいえ、結局は画面内のキャラクターを操作するという点で現状のゲームから変わっていない。

 これがもし3D映像で表現できたらどうだろう。画面内に自分の分身となるキャラクターを置かずとも、自分の位置まで飛び出してくる(飛び出して見える)ボールをまさに自分の手足ではじくことができるようになり、より直感的でわかりやすい操作方法になる。

 もっとも、映像では感触を得られないため、手でボールをはじいているのが見えるのに、手には感触が伝わらないという不自然さが、次の問題として浮上してくるとは思うが。

 Project Natal で思い出したが、CEATEC JAPAN 2009 では3D映像と同じくらいに、リモコンや操作パネルなしで機器を操作できるインターフェースが多数展示されていたらしい。

 多くのテレビ報道は 「機器をより簡単にわかりやすく操作できるようになる」 ニュアンスで紹介していたが、私から見ればまったく逆である。身体の動きで機器が操作できるとはいっても、操作するための動きを覚えなければいけないのだから、かえって使いにくくなるようにしているようにしか、私には見えない。しかも、人の動きは安定していないため機能しなかったり、誤動作したりが多くなり、なおさら使いにくくなると思う。

 その昔パソコンのOSがDOSで、コマンドラインからパソコンを操作していた時に、さんざん 「いちいちコマンドを覚えなくては使えないようなパソコンなんか普及するはずがない。」 と言われて、GUIの Macintosh や Windows が受け入れられた。

 ところが、身体の動き、ジェスチャーによる操作は、再びコマンドラインからのコマンド入力に戻すようなものだ。それをマスコミがこぞって “最先端技術” と紹介しているのを見ると、いかにマスコミが本質を理解せずに報道しているかを思い知らされる。もしくは、わかっていてあえて大スポンサーである大メーカーに気を使って報道しているのか。

 私が見た中では唯一、朝のワイドショーで小倉智昭氏が 「せっかくリモコンの使い方を覚えたのに、また新しい操作方法を覚えなきゃいけないなんてやだよ」 的な発言をしていたのを聞いて、私は 「あ、まともなことを言ってるな」 と思った。

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