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2009/11/08

50日持たなかった鳩山政権の期待

 民主党の鳩山政権ができて50日が過ぎたそうだ。

 米国でよく言われるのは、新大統領就任後100日は細かいことを批判せずに見守る、ということだ。しかし、今回の鳩山政権については100日待たずして、その半分の50日ですでに多くの国民の期待を著しく損なう結果を出していることが、私にとってもきわめて残念だ。

 ほとんどの大手マスコミは報道しないが、民主党が公言していた 「記者クラブの解散」 はそうそうに反故にされ、自民党の選挙対策のための追加予算はほとんど削減できず、予算概算要求にいたっては大幅に増額。日本郵政の新社長に元官僚をわざわざ持ってきて、常識で考えれば天下りとしか思えないモノを 「天下りではない」 と言い張ってしまう。

 ここまでされても鳩山政権に期待を持ち続けるのは、一般市民レベルの常識からすればどう考えても無理だろう。

 思うに、いまだ政治を牛耳っている旧世代の老害たちが、いまだ市民を愚かで卑しいものだという価値観で政治をやろうとしていることが、民主党をしても自民党と変わらないレベルの政治しかできない元凶なのではなかろうか。

 大昔、映画スターはまさに特別な存在だった。映画館のスクリーンでしか見られないスターは文字通り手の届かない存在であり、その日常は秘密のベールで包まれ、熱狂的なファンには 「トイレに行くはずがない」 と言わしめるほどの存在であった。

 それがテレビの普及と大量の番組放送、芸能人のゴシップ報道により、そういった手の届かないスターは成立しなくなり、むしろ、隣に住んでいそうなごく普通に見える人たちが人気者になる時代になった。

 政治の世界にもそういった変化がずいぶんと前から起こっているように思う。

 インターネットが普及する前であれば、政治家の独善や失敗は、一部の限られたマスコミを統制することで情報をコントロールできた。

 それが今や、一個人であっても情報を全世界に発信できる時代だ。また、マスコミだからといって、情報が常に正しいとは限らないということにほとんどの市民が気がついた。

 そんな時代に、政治家個人の独善が情報のコントロールにより、市民の批判を受けずに実行できるはずがない。社会の常識に照らし合わせて、常識に反する政治が行われようとすれば、それはすぐさま世論となって大きな風を起こす。そうやって民主党は政権をとったのではなかったか。

 たとえば天下りにしても、優秀な人材を必要なポジションにつけるのであれば、市民はそこまで反発しないはずだと、私は思う。

 そうではなく、役人というだけでなんの苦労もせずに高給のポストを約束され、ほとんど仕事もせずに給料を取り、何千万もの退職金を何度も受け取るから反発されるのだ。

 さらに今回は、常識的に見れば  “天下り” にしか見えないのに、首相自らが 「天下りではない」 と常識はずれな認識を言い張っていることが問題なのだ。素直に 「天下りとなるが、これはこれこれこういう理由で必要な人事です」 と説明すれば、ここまで反発と失望感が広がらなかったはずだ。もっとも、ごく限られた人たちにとってのみ利益のある人事のようにしか見えないので、おそらく市民を納得されられる説明はできなかったのだろうが。

 それにしても、政治の中心にいる政治家達が、市民を 「お金をたかる」 モノで、「適度に金を与えておけば素直に従う」 モノであるという認識が変わらない限りは、まだまだ日本の政治は本当の意味で変わらないのだと思う。

 実際市民の認識は変わりつつあると、私は思っている。でなければ、定額給付金で自民党の支持率はもっと上がっただろうし、地球温暖化ガス排出削減25%にこれほど支持が集まるはずもない。

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