PIOモードとeSATAの謎
新しいパソコンは順調に稼働している。あちこちをいじりながら、自分が使いやすいと思う設定にカスタマイズ中。
それにしても、SSD は快適すぎる。
電源オンから30秒もかからずログオン画面が表示される快適さは、20年以上前のフロッピーディスクからハードディスクへ切り替えた時の快適さに匹敵する。
そんな SSD の稼働状況を知ろうと、システムのデバイスマネージャーを見たらとんでもないことに気が付いた。なんと、SSD の接続モードが 『PIO モード 4』 になっているのだ。当然、デバイスのプロパティ の DMA を有効にする オプションもオフになっている。
ついこの間、IDE 互換モードから ACHI に切り替えたばかりだ。ベンチマークを行い、NCQ がとても有効に働いているのも確認している。念のために、他のチャンネルにつないでいるハードディスクの詳細を見てみると、2台とも 『Ultra DMA モード 6』 と表示されている。DMA を有効にする オプションもオンになっている。DVD ドライブですら 『Ultra DMA モード 4』 と表示されている。
『PIO モード 4』 はやはりおかしいと思い、まずは BIOS 設定から見直してみた。しかし、BIOS の設定では、AHCI モードを選択すると、IDE で使われていた接続モードは選択できなくなる。AHCI が一つのモードのようなものだから、当然と言えるのだが。
それでもやはりデバイスマネージャーに古い規格で接続されていると表示されているのは、面白くない。そこで、いつものようにググってみた。
すると、真っ先に目についたのは 『PIO 病』 なるものだった。PIO 病は、よくわからない原因でハードディスクの接続が Ultara DMA モードから、PIO モードに “格下げ” になってしまい、ハードディスクへの読み書きが極端に遅くなってしまう現象だ。
一瞬 「これか?」 とも思ったが、本当の PIO 病にかかると、ハードディスクの転送速度が 20~30MB/s という、現在の標準から比べるとはっきりと遅いことがわかる速度になってしまう。だが、現状の私のパソコンでは、SSD の転送速度はシーケンシャルでの読み込みは 180MB/s 前後、書き込みでも 40MB/s 程度となっている。
とすると、改めて 「本当に PIO で接続されているのか?」、「単に表示だけの問題じゃないのか?」 という疑問が出てくる。
そこでさらにググってみると、やはりあった。同じようにデバイスマネージャーで 『PIO モード』 で表示されてしまうことに悩まされた、という記事があった。その日本人の記事によると、日本だけでなく米国でも同様な表示に対する質問が見られた、ということだった。
そして、解決策(と思われること)も書かれていた。それは
「ATA チャンネル 0 と 1(基板上の SATA1 と SATA2) を使わずに、ATA チャンネル 2 (基板上の SATA3) 以降を使う」
といういものだ。ATA チャンネル 2 以降であれば、SSD を接続しても 『Ultra DMA モード』 で表示されるというのだ。
そこで私も、ATA チャンネル 0 と 1 そして 2 とつなぎかえて、それぞれの状況をデバイスマネージャーで確認してみた。結果は以下の通りだ。
- ATA チャンネル 0 ⇒ PIO モード 4
- ATA チャンネル 1 ⇒ Multi-Word DMA モード 2
- ATA チャンネル 2 ⇒ Ultra DMA モード 6
となることを確認できた。このモードの変化は、SSD だけでなく、ハードディスクでも同じだった。
こういう結果が出たのだから、慎重な人なら ATA チャンネル 2 以降を使って SSD やハードディスクをつなげようとするだろう。実際、上記の情報をくれた日本人も米国で質問した人も、ATA チャンネル 2 以降を使うようにしたというのだ。
しかし、従来の IDE 接続よりも接続端子が増えたとはいえ、SATA 端子は6つしかない。そのうちの最初の2つを使わないというのはあまりにもったいない。しかも、ベンチマークを走らせた限りでは、ATA チャンネル 0 につないで PIO モード 4 の時と Ultra DMA モード 6 の時で、有意義な差は見られなかった。
そこで私は、この 『PIO モード 4』 はあくまで表示だけの問題であり、実際の信号のやり取りは AHCI で行われており、何ら PIO モード には関係ない、と考えることにした。
よって、システムドライブでもある SSD をATA チャンネル 0 = SATA1 に接続した。
余談となるが、後でふと思いついて、BIOS 設定で SSD の接続設定を一度 IDE 互換モードに切り替えて、その状態で SSD との接続を AUTO ではなく Ultara DMA 5 に設定した。6 ではなく 5 を選んだのは、単に BIOS の設定に 6 がなかったからに過ぎない。再起動後、再度 BIOS 設定で AHCI モードに設定しなおしてから Windows を起動する。
すると、デバイスマネージャーに SSD の接続が 『Ultra DMA モード 5』 となることが確認できた。どうもデバイスマネジャーの表示が、微妙に意味のない BIOS の設定を参照しているように思われた。
ただこのやり方でも、パソコンをもう一度再起動すると、SSD の接続設定の表示が 『PIO モード 4』 に戻ってしまうので、解決策といえるものではない。
PIO モード 表示問題とは別に、“HD Tune” での Supported features に関連してあわてさせられた問題があった。
私は以前より HD Tune にはお世話になっていた。といっても、無料版の Ver. 2.55 のほうだけだが。
パソコンのケースに独自に設置されている eSATA 端子に、外付けハードディスクケースと eSATA ケーブルを使って接続をした時のことだ。目的は、オンボード上に設けられた eSATA 端子との比較のためだ。HD Tune を起動して、パソコンケースの eSATA 端子 につないだハードディスクの情報を見たところ、すべての機能が ■ で表示されて、全く情報が取得できなかったように思われた。
「あれ? SATA ドライブとして認識されてないのか? でも、読み書きは正常に行えてるし、ベンチマークも予想される性能が出てるし・・・。」 「もしかしたら、ケーブルが長すぎるのか?」
などと考えて、わざわざ内部の SATA 端子と外部の eSATA 機器をつなぐ太いケーブルを買ってつないだのだが、結果は変わりなかった。
そんな感じで悩んでいたのだが、たまたま SATA - eSATA ケーブルを ATA チャンネル 3 につないで様子を見ていた。すると、前は正しく表示されなかった Supported features が、同じ外付けケースとハードディスクの組み合わせで正しく表示されるではないか。
どうやら、ATA チャンネル 4 以降につないだハードディスクの情報は、HD Tune 2.55 では取得できないようだと、その時初めて気が付いた。IDE 互換で考えると、ATA チャンネル 0 と 1 は、プライマリーポートのマスターとスレーブ、ATA チャンネル 2 と 3 はセカンダリポートのマスターとスレーブということになる。となると、ATA チャンネル 4 以降は、IDE のサードポート以降ということになり、サードポートの IDE 接続は一般的にはほとんど見られなかったため、作りが古い HD Tune 2.55 は対応できていないのではないか、と推測した。
よく調べなかった自分が悪いのだが、HD Tune に振り回されてしまった。
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コメント
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