SATA だったらやっぱり AHCI
新しいパソコンにも慣れて、いろいろわかってくると、次はいろいろといじりたくなってくる。そして、真っ先に手を付けたのは、ハードディスク、というよりは SSD の接続だった。
ハードディスクの規格が SATA に切り替わって久しいが、従来の機器や OS との互換性を重視して、接続設定の標準はいまだ旧世代の “IDE互換” になっている。しかし、SATA ハードディスク/SSD の真価を発揮させるためには、SATA の独自の接続方法である AHCI を選択するのが最良なのだ。というような話は、新しいパソコンの仕様を決めるにあたってあちこちの情報を読み漁っているうちに、自然と目に入ってきた。
さっそく新しいパソコンの BIOS の設定を開いてみると・・・、設定は “IDE互換” だった。
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まあ、IDE互換 のほうがトラブルは起こりにくいため、無難な選択として組み立て屋さんは IDE互換 のままにしていたのだろう。特に多いのが光学ドライブらしい。AHCI 接続だと CD-R や DVD-R といった光学ディスクへの書き込みに、失敗することがあるらしい。
せっかく BIOS設定を表示しているので、すぐに設定を “AHCI” にして Windows 7 を起動したいところだが、さすがの私はそこまで迂闊ではない。やはりこれまでの情報収集で、「AHCI に設定してからシステムをインストールしないと、ブルースクリーンが出て、Windows が起動しなくなる」、というような話も目にしていたからだ。
まずは IDE互換 のまま、Windows をいつものように起動させた。そして、詳しい情報を収集した。
すると、Windows 7 はレジストリに変更を加えるだけで、問題なく AHCI に切り替えられる、いう情報がすぐに見つかった。クリーンインストールの必要は全然ないらしい。
適当な単語でググれば、該当の情報がすぐに見つかる。その中でも最も確実だと思えたのが、本家本元ともいえる Microsoft が出している情報だった。
この情報に基づき、該当レジストリの値を変更した。そして、Windows を再起動する。パソコン本体が再起動したら、BIOS 設定画面を呼び出す。SATA の設定を “AHCI” に変更して保存する。パソコン本体が再度再起動するので、後は Windows が起動するのを眺めるだけ。
私の場合も、あっけなく Windows 7 が起動して、AHCI への切り替えがなんなく終了した。
多少なりともリスクを払って切り替えたからには、きちんとリターンがあったこと確認する必要がある。
まずは、Windows 7 に標準で搭載されている “Windows エクスペリエンス インデックス” でチェックしてみた。
IDE互換の時、プライマリ ハードディスク のサブスコアは 『 7.2 』 だった。一般的なハードディスクの場合、5.9 という値をよく目にするので、7.2 という値はすでに十分に高い値だ。しかし、私の環境では、7.2 という数字が最も低いサブスコアであり、プライマリ ハードディスク以外のサブスコアは、7.4~7.5 だ。
そして、AHCI にしてから測定してみると、プライマリ ハードディスクのサブスコアがなんと 『 7.5 』 に2階級特進したのだ。そのため、プライマリ ハードディスクはボトルネックでなくなってしまった。
もう一つ。定番の CrystalDiskMark での測定も行った。バージョンは3.0 で、64bit版を使った。
AHCI の効果を見るには Random Read/Write 4KB の QD = 1 と QD = 32 を比較すればよい。IDE互換設定のときは、Random Read がどちらも 15~16。Random Write がどちらも 36前後 だった。これはつまり、NCQ (Native Command Queuing) が全く機能していないことを表している。IDE互換設定なのだから当たり前なのだが。
AHCI に切り替えた後に、再度 CrystalDiskMark で測定してみた。すると、Random Read (QD = 32) の値が 『 130以上 』 に跳ね上がった 。NCQ を使わないときの9倍の性能だ。Random Write については 40前後と、多少良くなったかな?と思える程度で、Read ほどの顕著な向上は見られなかった。
ちなみに、手元にある SATA ハードディスクも片っ端から測定してみると、AHCI による 4KB の Random Read の上昇はいずれも約2倍だった。そして、Random Write では QD = 1 と QD = 32 の差はほとんどなかった。
小さなファイルの Random Read に限定されるとはいえ、9倍もの性能向上があるのだから、AHCI に切り替えて正解だったといえよう。さらに言えば、SSD を性能低下させないための Trim 機能は、AHCI でしか実行されない。もっともその情報は、AHCI に切り替えてから知ったのだが。AHCI で使っていれば、Trim 機能により特に意識することなく SSD の性能低下を防げる。とはいえ、IDE互換 で使っていても、Intel が提供しているツール “Intel SSD Toolbox” をつかえば、手動で性能低下を回復できるので、「Trim のために AHCI 」 とは私は考えなかった。
なお、私のパソコンでは、AHCI に切り替えてからも、DVD マルチドライブでの CD-R/DVD-R への書き込みに何のトラブルも発生していない。
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コメント
5年前、Core2Quad+G33な時にXP使ってた頃、
AHCIで常用しても問題は一切無かったなあ。
個人的にはむしろSATAで
IDE互換にした方が気分良くない!
XPをAHCIモードでCDインストールする際の最初に、
別途SATAのドライバを入れる必要があった。
しないとブルースクリーンで真っ青。
これを勘違いした偏見が続いたんだろうと思う。
投稿: れもん果汁 | 2012/09/20 06:53