« Windows 7 で使い方が変わった (その2) | トップページ | 8GBメモリーはやりすぎだったかも »

2010/07/30

xInsIDE.exe を追い出せ

 今私が使っているパソコンのマザーボードには、外付け用SATA端子である eSATA 端子が1つマザーボードのバックパネルについている。ただし、この eSATA 端子は、Intel チップセットの管理下にある端子ではなく、追加チップである JMicron 製チップの管理下にある。

 そして、この eSATA 端子の規格は SATA II (理論値は 3.0 Gbps) なので、現状のハードディスクであれば、外付けであったとしてもほぼハードディスクの最高性能でアクセス可能のはずだった。さらに、マニュアルによれば、JMicron の eSATA 端子はドライバーを組み込めば無条件で AHCI 動作するとのことだったので、なおさらアクセス速度に期待ができる。

 そちらとは別に、パソコンケースには内蔵用の SATA 端子を eSATA 端子に変換する端子が付いていて、余っている Intel チップセットの SATA 端子とつながっていた。ところが、とある勘違いからさらに別途 SATA ⇒ eSATA 変換ケーブルを買う羽目になってしまっていた。

 結局、1.バックパネルの JMicron の eSATA 端子、2.ケース前面の eSATA 端子、3.変換ケーブルで背面から引っ張り出してる eSATA 端子、と3つの eSATA 端子がパソコンにぶら下がっている結果になってしまった。

 

 前置きが長くなってしまった。

 3つの eSATA 端子のうち、2.と 3.は Intel チップセットの SATA 端子を引っ張り出したものなので、使い勝手も性能も同じだ。使い勝手とは、「SATA として認識されるか」 とか 「デバイス情報で詳細情報が取得できるか」 といった点だ。

 問題は、1.のJMicron の eSATA 端子だ。

 ベンチマークツールである CrystalDiskMark や HD Tune を使って読み込み速度を測ってみると、なぜか “60 MB/s” で頭打ちになってしまうのだ。ハードディスク や ハードディスクケース を変えてみても、結果は変わらなかった。どの組み合わせでも 60 MB/s で頭打ちになっている。

 同じハードディスク、同じハードディスクケースを 2.や 3.の eSATA 端子につないで読み込み速度を図ってみると、こちらはちゃんと内蔵用 SATA 端子と同じ 90 MB/s や 120 MB/s といった値を記録している。

 JMicron のドライバーの最新版を探してみたり、日米のサイト、ブログや掲示板といったところから情報を集めたのだが、残念ながら有力な情報は見つからなかった。

 変換ではなく、正規の外部端子として付いている eSATA 端子ではあったが、本来の能力が出ていないのではあまり使う気になれない。結局、あとから買った SATA ⇒ eSATA 変換ケーブルをメインで使うことにした。

 

 ところが、JMicron の eSATA で速度が出ない問題の原因が、思わぬところで見つかった。

 新しいパソコンの環境整備もほぼ整ったところで、起動時の設定を見直すことにした。システムドライブは SSD で、メモリーも 8 GB あるため、多少の 自動開始サービス や スタートアッププログラム があったとしても、快適さはほとんど変わらないと思われる。しかし、なんというかこれまでの習慣というか、必要ないと思われる サービス や プログラム が実行されていると思うと、どうも落ち着かないのだ。見えないところであれ、「どんなもの」 が 「なんのため」 に実行されているかがわかっていないと、安心してパソコンを使えないのだ。ブラックボックスではいやなのだ。

 管理ツール の システム構成 を起動したところ、あることに気がついた。スタートアッププログラムが書かれているレジストリーが変わっているのだ。正確には、従来のレジストリーキーの他にもう一つ 32bit プログラム用のスタートアップレジストリーがあったのだ。これを私は見逃していた。

 Windows Xp というか 32bit Windows の時のスタートアップレジストリーだけをチェックしていたため、64bit Windows が 32bit プログラム用に設けてあるスタートアップレジストリーに全く気が付かなかった。

 そして、問題のレジストリーキーがそちらの気が付いていなかった方に隠れていた。そのレジストリーキーが指定していたのが、

    “C:\Windows\RaidTool\xInsIDE.exe”

だった。

 フォルダー内の内容 や ファイルのプロパティ を見ると、このプログラムが JMicron がらみのものであることはすぐに分かった。確かに JMicron の eSATA 端子を使うために JMicron のドライバーをインストールした。しかし、私は Raid システムは使っていないので、なぜ RaidTool のフォルダーにあるプログラムがスタートアップに組み込まれたのか、全然わからない。おそらくは、JMicron の ドライバーをインストールすると、Raid のあるなしにかかわらず強制的に組み込まれてしまうのだろう。困った仕様だ。

 とにかく、すぐにこの “xInsIDE.exe” をスタートアップから外して、再起動した。もちろん JMicron がらみということで、すぐに eSATA への影響を疑った。

 再起動後、eSATA にハードディスクを接続して、読み込み速度を測定した。

 するとどうだろう、何度試しても 60 MB/s で頭打ちになっていた読み込み速度が、内蔵 SATA と同等の 90 MB/s や 120 MB/s まで出るようになった。CrystalDiskMark の 4k ランダム読み込みを見る限り、NCQ が働いており、AHCI で動いているようだ。

 「解けた謎は簡単」 というのはいつものことだが、それにしてもなんとも迷惑な “仕様” を組み込んでくれたものだ。

|

« Windows 7 で使い方が変わった (その2) | トップページ | 8GBメモリーはやりすぎだったかも »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

(。・ω・)ノ゛ コンニチハ
xInsIDE.exeで、ぐぐってここに来ました
私のPCでもスタートアップでこれが作動していたようです
でも Winボタン→すべてのプログラム→スタートアップ のフォルダ中はカラにしているのにです
これが作動しているのが分ったのはWindows Defennder にスタートアップで働いてるプログラムとして表示されていたからです

eSATAは使ってないですが、さっそくWindows Defennderからこのスタートアッププログラムを停止しました
Raidも使っていないはずです

このプログラムが何なのか全く分からなかったので、ここでなんとなくですが分かって助かりました

投稿: にうさんきん | 2010/11/02 22:17

にうさんきん さん、こんにちは。
コメントを頂き、ありがとうございます。

私の情報が にうさんきん さんのお役にたててよかったです。

Windows では、スタートアップメニュー と レジストリ の両方で起動時のプログラムを管理しているので、わかりづらいですよね。レジストリのほうはさらに HKCU と HKLM の二か所あり、64bit版に至っては、64bit用 と 32bit用 に分かれている始末。
なので、私も今は 管理ツール の システム構成 を使って確認したり、入れたり外したりしています。

投稿: マスト | 2010/11/04 17:11

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: xInsIDE.exe を追い出せ:

« Windows 7 で使い方が変わった (その2) | トップページ | 8GBメモリーはやりすぎだったかも »