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2010/09/24

パソコンの冷却、その後 (風切り音との決別)

 ケースファンの配置をあちこち変えている間に、ふと気になって、ファンを手に持って回してみた。

 すると、SilverStone AP121 も 付属のファン も、耳障りな音を全く出していないことに気が付いた。もちろん、全くの無音ではないものの、「ブ~ン」 という少し低めの小さい音がするだけで、ずっと聞いていても全然苦にならない音だった。

 以前に AP121 について

    「900rpm までは音がほとんど聞こえない。1000rpm あたりから音が聞こえ始めて、最大の 1500rpm では常用するのは厳しい大きな音がする」

と評価した。しかし、それは私の認識不足だった。

 AP121 単体としてみた場合、1500rpm でも 900rpm と同じくらいに静かな回転音だった。1500rpm で大きな音を出していたのは AP121 ではなく、AP121 の前面にある吸気口だったのだ。

 私の使っているパソコンケースの場合、前面のファンは独立したファンフォルダーに取り付ける。上面と側面は、パソコンケースに直接取り付ける。いずれの箇所も、打ち抜いた穴から空気を吸い込む形になっている。(いずれもクリックで拡大)

    Front_fan_braket R9proejp14m R9proejpside
    前面 上面 側面

 実際に、ファンを回しながらこれらの吸い込み口に近づけたり遠ざけたりすると、音が大きくなったり小さくなったりするのがよくわかる。つまり、AP121 が出していると思っていた大きな音は、吸気口の打ち抜き穴が出していた 「風切り音」 だったのだ。

 ファンの前面に吸気を妨げるものがあると、大きな風切り音を発生するという情報は知っているつもりだった。しかし、ここまで大きく顕著に聞こえるものだという認識はなかった。甘かった。

 ちなみに、前面と上面は四角い穴で打ち抜かれていて、側面は六角形の穴で打ち抜かれている。六角形のほうが風切り音を小さく抑えるらしい。しかし、私が聞き比べた範囲では、六角形のほうがわずかに風切り音が小さく感じられたが、大きな差は感じられなかった。

 

 原因が分かったのならば、問題を解決するために、その問題を除去すればよい。多くの静音パソコン関係のサイトでは、「打ち抜きの吸い込み口は切り取ってしまえ」 と書かれている。そして実践した写真も多く掲載されている。

 だが、私の貧乏性が、打ち抜き部分の切り取りを許さなかった。
厚紙を切り抜くように簡単できれいに切り取れるのならば、切り取っていたかもしれない。だが、薄いとはいえ鉄板である。切り抜くにはそれなりの工具も労力も必要だ。そんな理由で、私は打ち抜き部分の切り取りを断念した。

 余談になるが、私が使っているパソコンケースのメーカーの他のパソコンケースでは、下のような前面用ファンフォルダーを使っているものがある。
  Rebel9_fan_frame (クリックで拡大)
私が使っているパソコンケースでもこのファンフォルダーを使って欲しかった。また、細かく打ち抜くよりは、大きくまるく打ち抜いた方が簡単なようにも思えた。しかし、ファンがむき出しになるくらいに大きな穴をあければ、パソコンケースの強度が低下するのかもしれない。ファンがむき出しになれば、別途ファンガードを付ける必要も出てくるので、余計なコストもかかりそうだ。そんな理由で、吸い込み口は細かい打ち抜きにされているのだろう。

 

 打ち抜きをそのまま残すとすれば、音を消すためには吸い込み口とファンを離すしかない。

 私が試したところ、吸い込み口とファンの間を 10mm~15mm とれば、ファンを100%で回転させても風切り音がほとんどしなくなることが分かった。

 そこで、ファンの取り付け方法を工夫した。

 M4×50mm のネジを利用した。M4ネジに 10mm のスペーサーをはさんで、ファンフォルダーやパソコンケースに取り付けた。

  R9proefan (クリックで拡大)
上の写真は、図解するために組んだサンプルだ。あまっていた 92mm ファンを使っている。

 この形の取り付けを、前面ファン2基と側面ファンに対して行った。

 その結果、前面と側面の3基のファンを100%で回しても、耳障りになる音は聞こえなくなった。聞こえるのは、以前の取り付け方法で常用していた60%で回していた時と同じ騒音レベルだと感じた。この騒音レベルであれば、夜に周囲が静かになった時も、全然問題ないと思われた。実際、何の問題もなかった。

 ちなみに、吸い込み口とケースファンの隙間の周囲には、細く切った厚紙をまいている。それにより、極力外気を吸い込み、パソコンケース内の空気を循環させないようにしている。

 

 普通に読んでくれた人は、「あれ? 上部は?」 と思われたであろう。そう、上部はまだ問題が残っている。

 上部にはスペーサーでは簡単に解決できない問題と、そして、意外な結末が待っていた。それについては次回に。

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