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2011年6月の3件の記事

2011/06/24

『いつの間にテレビ(TM)』 は失敗すると思う

Itsunotv

 ニンテンドー 3DS (以下、3DS) の追加機能で始まった 『いつの間にテレビ(TM)』3DS 発表時からの売りの一つでもあり、期待していたユーザーも多かったと思う。私もその期待していたうちの一人だ。

 6月21日に 『いつの間にテレビ』 が始まってまだ三日しかたっていない。しかし、私には、この 『いつの間にテレビ』 が成功する理由を見つけられない。一方で、失敗すると思える理由は、いくつも見つけられるのに。

 私が 「明らかに 『いつの間にテレビ』 が失敗するだろうな」 と思う理由をあげてみる。

1.コンテンツに魅力がない

 これはコンテンツビジネスにおいて、致命的な欠陥といえる。

 6月24日現在で、主なコンテンツは、

  • どうぶつDEカレンダー
  • ぶらり特選 鉄ビュー3D
  • マジック教室3D
  • アイドリング!!! 大相撲3DS場所
  • 日刊トビダス
  • 3Dちょうこくの森
  • ENJOY! SPORT

の7番組だ。これに広告映像と画像がいくつか加わる。

 私の個人的感想だが、どれもやる気の感じられない、適当に作ったコンテンツにしか見えない。おそらくかなりの低予算で作られていて、「この予算ならこんなものだろう」 と現場は考えて作ったんじゃなかろうかと、想像している。

 YouTube に個人が趣味で公開している映像に、上記のコンテンツよりはるかに楽しめる映像がある。

2.コンテンツの保持ができない

 テレビ放送に対して、ビデオテープレコーダーやハードディスクレコーダーが普及しているのは、

  • 「気に入ったコンテンツは、何度でも見たい」
  • 「時間をずらして、時間がある時に見たい」

という、視聴者側の強い願望があるからだ。

 ところが 『いつの間にテレビ』 は、その視聴者の強い願望を完全に無視する形で、配信されている。配信されたコンテンツが、配信毎に常に上書きされてしまうのだ。配信を受け付けなければ、現在のコンテンツを保持できるが、新しいコンテンツは受け取れない。新しいコンテンツを受け取ろうと思うと、古いコンテンツは必ず削除されてしまう。

 これは、映像を提供しているテレビ局側の論理だ。

 常々テレビ局は、「テレビ放送が想定しているのは、リアルタイム視聴のみである。録画視聴は、想定外。」 と言い切っている。録画されてコマーシャルを飛ばされたのでは、自分たちを潤しているビジネスモデルが、破たんするからだ。よって、“視聴率” は考慮するが、“録画率” は黙殺されている。

 こんな配信のされ方では、後で 「あの番組はよかったよ」 と聞いても、二度と観ることができない。それではストレスを感じるばかりで、『いつの間にテレビ』 自体に嫌悪感を抱くようになると思う。

 座談会では、「一期一会」 とか 「毎日ワクワク」 とか言っているが、視聴者の多くがそれを期待しているように思えないし、言い訳のように聞こえてしまう。

3.山場CMの乱用

 ずっと以前に記事で批判した “山場CM” を 『いつの間にテレビ』 でも乱用している。たった2~3分のコンテンツにも関わらず、一番盛り上がるところで余計な映像を挟んでくる。もちろん、興ざめする。

 同じように CM を流すにしても、「最初にまとめて流す」 といった別なやり方があるはずだ。これも、視聴者にケンカを売っているようにしか見えない。

4.先送りができない

 上記の山場CMとも絡んでくるのだが、“飛ばし見” しようと思っても、再生時間を先に進められない。巻き戻して観ることはできる。

 見たくもない CM を飛ばされたのでは、ビジネスモデルが成り立たないという理由で、先送りができない仕様にしているのが見え見えだ。

 いまや YouTube といったストリーミング再生ですら、自分の見たい時間からの再生が可能な時代に、端末に保存されたコンテンツの先送りができないというのは、「本当に視聴者のことを考えてないんだな」 と呆れてしまった。

5.奥行きが物足りない

 せっかくの3D映像にもかかわらず、映像の奥行き感が物足りなく感じる。不自然に前後に圧縮されたように感じられるのだ。

 私の周りにも、3D映像がうまく立体に見えない人が少なくない。平面のディスプレイ上で映像を立体に見るには、コツと慣れが必要のようだ。

 本当は、ゲームで行われているように、奥行き感を3Dボリュームで調整できればよいのだろうけど、3D映像ではそういう仕組みはないようだ。

 とすると、3D映像に慣れていない人にも、違和感が少なく立体感を見てもらおうという配慮で、奥行き感をあえて弱くしているように思える。

 それは理解できるのだが、やはり個人的には、もっと自然に見える深い奥行きの3D映像を見たいと思う。


 こうやって、失敗するだろう理由をあげていくと、多くに共通するのは、

    「番組を提供しているテレビ局の都合ばかりが優先されている」

ということだ。

 今のテレビ局およびテレビ放送は、スポンサーばかりを向いて、本当に視聴者に喜ばれる番組作りをしなくなっている、と言われている。私もそう思っている。

 3Dコンテンツがまだまだ不足している現状、ニンテンドーが3Dコンテンツの提供を受けるにあたり、テレビ局側の都合を全面的に受け入れざるを得なかったという事情は、想像に難くない。

 思い返してみると、任天堂の 3DS に対する施策は、失敗続きである。

 盛り上げる時期に大震災があって、消費が一時的に冷え込んだのは任天堂の責任ではないものの、本体発売と同時に新作のキラーコンテンツを発売しなかったのは、やはり失敗だったろう。かといって、予想以上に 3DS の需要が高まって、品不足 → オークションでプレミア、となってしまっては、やはり任天堂は批判を受けるだろうから、難しい選択ではあったろう。実際、かなり普及したと思われた PlayStation Portable が モンスターハンター 1作で、長期間品不足になって、中古品が新品より高くなったくらいだ。

 いずれにしろ、今のままでは 『いつの間にテレビ』 が 3DS のけん引役になるとは、到底思えない。任天堂が、早期に方向を修正することを、個人的に願うばかりだ。

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2011/06/16

ご飯パンと小麦グルテン

 ご飯パン作りにもすっかり慣れて、翌朝に食べる分のパンをほぼ毎日作る生活を送っている。モノづくりが好きな性格が幸いしている。ただ、飽きっぽい性格でもあるため、いつまで続くのか心配ではある。


 さて、もともと私がご飯パンを作るようになったきっかけは、三洋電機の 『GOPAN』 であった。つまり、小麦粉を使わず、お米だけからパンを作ることが、私の興味を誘ったのであった。

 しかしながら今の私のパン作りは、お米 (を炊いたご飯) の量が小麦粉 (強力粉) より多いとはいえ、けっこうな量の小麦粉を使っている。

 さらに言えば、GOPAN のレシピには、小麦グルテンを使わず、上新粉を使った、文字通りの “お米パン” を作れるレシピも準備されている。

 そこでモノは試しと、GOPAN レシピを参考にして、ご飯と上新粉を使って、“米パン” で小麦ゼロパンを作ってみることにした。

 ご飯を 200g 使うこととして、GOPAN レシピの数値を 1/3 にして、小麦粉ゼロパンを作ってみた。

 結果は・・・。

 パン(?)生地がまったく膨らまず、お焼きのようなモノが出来上がった。 ○| ̄|_  
発酵させたはずなのだが、パン生地の中に気泡ができなかったのだろう、食感はネッチョリとお団子のようだった。味は、砂糖や卵で味付けされているせいか、 “チヂミ” が一番近いように感じた。

 どうやら、小麦粉ゼロではパンのような食感は作れなさそうだ。


 ある日、パンに混ぜ込むチョコチップを買うために、近所の製菓器具・材料専門店にふらっと立ち寄ったところ、『小麦グルテン』 が売られていた。

 GOPAN も基本は小麦グルテンを使う。ご飯パンでも小麦グルテンを使えば、小麦ゼロにはならなくとも、小麦粉 (強力粉) ゼロにはできる。思い切って小麦グルテンを買った。

 小麦グルテンは、三洋電機が GOPAN 用に発売していたのは知っていた。しかし、それほど大量に使うのか疑問が残ったため、買うのをためらっていたのだ。今回店頭で見つけた小麦グルテンは、割高なものの少量だったため、買う気になった。

 まずは、ご飯 200g に対して、小麦グルテンを 10g 入れてご飯パンを作ってみた。

 結果は、まったく膨らまない失敗作であった

 私が使っている強力粉のたんぱく質含有量は、12% だ。通常は強力粉を 100g 使うため、たんぱく質の量は 12g となる。これをすべてグルテンと仮定した。通常は、ご飯 150g +小麦デンプン 78g = 228g に対して、グルテン 12g という計算になるので、小麦グルテン 10g で十分ではないかと考えたのだった。

 小麦グルテン 10g ではまったく足りなさそうだったので、2回目は小麦グルテンの量を2倍の 20g にした。

 結果 ・・・ 部分的にパンっぽい部分ができているような気がする、という程度だった。

 それならばと、小麦グルテンの量を 30g まで増やした。

 結果 ・・・ 食感がずいぶんと改善された感じはするものの、それは小麦グルテン 10g に対しててであり、私が期待するほどふっくらした感じにならなかった

 これ以上小麦グルテンの量を増やすのならば、素直に強力粉を加えたほうがよさそうだと考えて、潔く 小麦グルテン入りご飯パンはあきらめることにした

 残った小麦グルテンは、無駄になるかと思いきや、実はとても重宝している。むしろ重要アイテムといえるくらいに、小麦グルテンが活躍している。

 記事が長くなりすぎたので、それについては次回に書くことにする。

 (つづく)

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2011/06/02

ご飯パン作りのアレンジ (発酵・成型・焼成編)

 ご飯パン を作る時の、私のレシピ&手順紹介シリーズ。

 前回は、材料の投入順と混ぜ方、練り方の内容を紹介した。今回は、最終工程となる、発酵、成型、そして焼成の私的アレンジについて紹介する。


 一般的に一次発酵時には、パン生地を耐熱性のボールに入れてラップでふたをする。私も初期にはそのようにしていた。しかし、パン生地がボールにくっつかないようにするため、ボールの内側にバターなどの油分を薄く塗るのがめんどくさくなってしまった。

 そこで、オーブンレンジで発酵や焼成を行う際に使うプレートに、パン生地を置くことにした。もちろん、直にプレートに置くとパン生地がプレートにくっついてしまうため、プレートの上に以前に紹介した クッキングシート “つるりん” を敷いている。

2011052408 (クリックで拡大)

 だいぶ使い込んでいるので、全体的に焦げ茶色になっているのは、ご愛嬌だ。もちろん、つるりん の性能にはなんの影響もない。使い込んだ中華鍋の内側に食材がこびりつかないのと同じ原理だ。

 プレートにパン生地を置き、その上にステンレス製のボールを逆さまにしてかぶせる。パン生地表面の乾燥を防ぐためだ。

2011052409 (クリックで拡大)

 この状態でオーブンレンジに入れて、設定温度40℃、時間 50~90分、一次発酵させる。発酵時間は、その時の気温やパン生地の種類・状態により短くなったり長くなったりする。ただ、いきなり90分を設定することはなく、必ず50分で設定をする。50分発酵させた状態を見て、発酵が不十分であれば、10分単位で延長していく。

 この時の一次発酵終了後は、こんな状態だ。

2011052410 (クリックで拡大)

 写真撮影をするために、いつもよりもパン生地をいじりすぎたり、時間がかかったりしたため、いまいち表面がきれいでない。いつもは、もっと滑らかな状態で一次発酵が終わっているのだが。


 一次発酵が終わると、分割をする。米パン のレシピでは、「米パン 付属のマットに書かれている分割線に合わせて分割を行う」 とあるが、あいにくと私は 米パン 付属のマットは使っていない。

 そこで、丸めたパン生地に、目分量で六等分の線をスケッパーでつけておく。

2011052411 (クリックで拡大)

 すると、分割を行っていっても、最初につけた線は残るので、

2011052412 (クリックで拡大)

残った線で素直に分割していくと、おおよそ六等分できる。


 最後に、焼成温度と時間について。

 パンの焼成温度は、同じバターロールであっても、書かれているレシピによって微妙に違ってくる。

 米パンのレシピでは、『180℃ で 13分』。オーブンレンジのレシピでは、『200℃ で 8~13分』 とある。

 強力粉だけでバターロールを作ったときは、『200℃ で 8分』 でちょうどいい具合に焼きあがった。

 ところが、ご飯パンの時は 『200℃ で 8分』 だと、どうも焼け具合が不十分に感じられるのだ。ご飯が水分を多く含んで密集しているためなのか、そもそも米と小麦粉でデンプンの質が違うためなのか、そのあたりはよくわからない。

 そこで、『200℃ で 10分』 にしたところ、今度は表面が固くなりすぎて、いまいち私の好みに合わなくなってしまった。

 それならばと、『180℃ で 13分』 を試してみたところ、かなり私の好みに近づいたものの、まだ焼きが足りない。

 最終的に、

    『180℃ で 14分』

が一番私の好みに合った焼け具合だとわかり、今はずっとこの温度と時間でパンを焼いている。


 基本の作り方の私的アレンジの紹介は、これで終わりとなる。

 今後は、“小麦グルテン” を使った独自のご飯パンについて、紹介していこうと思っている。

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