『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』 は Wii を買ってでもやる価値あり
発売日の翌日に届いてから、毎日時間を見つけては遊んできた。それが “とうとう” 終わってしまった。足かけ21日間、のべ65時間に及ぶ冒険が、終わってしまった。
「やっと」 でなく 「ようやく」 でもなく “とうとう” という言葉を使ったのは、この冒険をもっと続けたいと素直に思ったからだ。それほどまでに、満足感と充足感がいっぱいつまったゲームだった。
テレビゲームで、これほど ‘楽しみ’ と ‘おどろき’ と ‘感動’ を感じたことは、何年振りだろうか。思い出せないくらいに、久しぶりだ。
ファミコンのディスクシステムで最初にプレイした 初代のゼルダの伝説 には、今でもはっきりと覚えているくらいにのめりこんだ。最近3DS用にリリースされた 初代ゼルダの伝説 を改めてプレイして、それが実は “美化された思い出” だと分かった。しかし、それでもなお “よい思い出” して私の中に残っていることに違いはない。
それに対して、2作目の リンクの冒険 以降は、断片的には覚えているものの、そこまで楽しかったという記憶が残っていない。
Nintendo64 で初めてゼルダの伝説が3Dで表現された時も、「進化したな」 とは思ったものの、小さな箱庭に押し込められた感と多少の遊びにくさがあったことが強く記憶に残っている。
新作のゼルダの伝説をするためだけに、当時マイナーなゲーム機だった ゲームキューブ も買った。ゲームキューブは結局 『ゼルダの伝説 風のタクト』 と 『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』 をやるためだけのゲーム機となり、お蔵入りとなっている。
『風のタクト』 は、見た目はともかく、プレイすると確かに 「ゼルダの伝説だ」 と感じられた。しかし、場所を移動するのがひどく煩わしく感じられたため、途中で一度挫折している。
『トワイライトプリンセス』 も確かに楽しかった・・・、はずである。というのも、自分でブログにそう書いてあるからだ。ところが、はっきりとした記憶がない・・・。思うに、満足感は高かったものの、それまでのゲーム性の延長でしかなかったため、記憶としては残りにくかったのではなかろうか。
そして 『スカイウォードソード』 だ。『スカイウォードソード』 も、最初の部分は、それまでのゼルダの伝説シリーズの焼き直しとしか感じられなかった。
モーションプラス機能を使うことで、ボタンではなく、リモコンとヌンチャクで剣と楯を操作する形は、ゼルダの伝説としては新しいものの、Wii スポーツなどですでに実現されているので、目新しいものでもない。
だが、中盤以降、印象が大きく変わった。
一番驚かされて感心させられたのは、時空石による 「リアルタイムで周囲だけ過去にさかのぼるシステム」 だ。
これまでも、エリア単位で時間を巻き戻したり進めたりして謎解きをするパターンはよく見かけた。ところが 『スカイウォードソード』 では、時空石の周囲のみが時間をさかのぼり、周囲の状態が変化する。しかも、その範囲がリアルタイムに移動する。このアイデアは、私にはなかった。このアイデアを目の当たりにしたときは、素直に感動した。
また、ゲームである以上、プレイ領域が限られるのは当然だが、この 『スカイウォードソード』 では、『時のオカリナ』 で感じられた 「こじんまりと閉じ込められている」 感がなかった。見せ方の技術が向上しているのを肌で感じられた。
それ以外では、「身を隠しながらアイテムを探す」、「襲い掛かってくる大量の敵をばっさばっさとなぎ倒す」、「ボスキャラを連続して倒していく」 といった、他社のゲームのおいしい部分をいい意味で取り込みながらも、ゼルダの伝説 らしさを保持している。本当に優秀な人たちが作ったんだなー、と実感できた。
1年に1本、できれば半年に1本ぐらい、この程度のゲームで遊びたいところではあるが、おそらくそれは無理というものだろう。このクラスのゲームを作るにはおそらく数年はかかっているはず。
1年に1本、このクラスのゲームを出すには、この 『スカイウォードソード』 を作ったレベルのチームが数チーム必要だということだ。さすがの任天堂でもそれが無茶だということは、私でもわかる。
任天堂のメジャーシリーズの一つでもある 『メトロイド』 の最新作である 『メトロイド Other M』 が、かなり残念だったことを思うと、『スカイウォードソード』 ほどレベルの高いチームを持つことは容易ではないはずだ。
いずれにしろ、この 『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』 は、Wii をまだ持っていない人に、「Wii を買ってでもやる価値あり」 とお勧めしたいゲームだ。
特に、その昔ファミコンゲームに熱中したものの、今はゲームで遊んでいない人たちの期待を裏切らない出来になっていると、自信を持って進められる。もっとも、『スカイウォードソード』 に満足した後、同等のクオリティを期待して他の Wii ゲームに手を出すと、落胆の度合いが一層大きくなるという心配もある。
ましてや、すでに Wii を持っていてかつモーションプラスも持っている人は、この 『スカイウォードソード』 をぜひプレイしてもらいたい。
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