P42-HR02 と VDR-R2000 の使い勝手の比較をしてみた
maxell VDR-R2000 は、日立のテレビ Wooo 07 シリーズをもとに作られているといわれている。maxell は日立の子会社であるし、実際、機能やユーザインタフェースを見る限り、Wooo 07 シリーズから映像表示機能 (とトランスコード機能の一部) を取り外したものと思われる。
ということで、2008年発売の P42-HR02 と 2011年発売の Wooo 07 シリーズで、自分なりの使い勝手の比較をしてみた。
リモコン
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P42-HR02 | VDR-R2000 | P42-XR07 |
余談になるが、我が家の P42-HR02 のリモコンは、だいぶくたびれてきている。何度か床に落としていることも影響しているだろうが、よく使うボタンの反応が鈍くなってきている。電源ボタン や 戻るボタン は強く押し込まないと反応しづらい。「3年も」 なのか 「3年しか」 なのかは意見が分かれるところだろうが、私としては 「3年しか」 使っていないのに、という気持ちだ。とまぁ、これは使い勝手とは直接関係のない話だった。
P42-HR02 と VDR-R2000 のリモコンを比較すると、ボタンの一つ一つが VDR-R2000 の方が大きく押しやすくなっている。押したときの感触も VDR-R2000 の方がよい。
ちなみに、一番右の P42-XR07 のリモコンと VDR-R2000 のリモコンを比べるとよく似ていることがわかる。
P42-HR02 と VDR-R2000 では、リモコンの機能にほとんど差はない。ただし、ボタンの配置が若干変わっている。特に使い勝手で大きく異なるのは 「早送り/巻き戻し(サーチ)」 と 「スキップ」 のボタン配置だ。
P42-HR02 では、「早送り/巻き戻し(サーチ)」 同士、 「スキップ」の左右同士が隣り合っている。それに対して、VDR-R2000 では、再生・停止といったボタンを挟んで、右側に 「早送り」 と 右の 「スキップ」。左側に 「巻き戻し」 と 左の 「スキップ」 が配置している。
使いやすさは慣れの影響が大きいが、わかりやすさという意味では、VDR-R2000 の進ませる機能を右に、戻る機能を左に配置する形式の方が、わかりやすいと感じる。
また、P42-HR02 では、「30秒送り」 ボタンと共有していた 「番組検索」 ボタンが、VDR-R2000 では一番使いやすい位置の大きな 「さがす」 ボタンとして独立している。おそらく、当初は番組検索をおまけ程度に考えていたのが、実はユーザーにとって重要な機能であることに気が付いたためではなかろうか。
リモコンそのものの形状もだいぶちがう。P42-HR02 のリモコンが一様な厚さなのに対して、VDR-R2000 のリモコンは、手前になるにしたがって厚さが薄くなる。しかも、リモコンの裏面に2か所、横溝がついており、人差し指をリモコンにひっかけやすくなっている。その形状により、VDR-R2000 のリモコンの方が圧倒的に持ちやすい。
また細かいところでは、VDR-R2000 のリモコンには下向きの赤外線発信部もついており、リモコンを立てて使っても、きちんとリモコン操作ができるのがよい。
チャンネル切り替え
テレビ放送がデジタル化されて、チャンネルの切り替えに時間がかかるようになった。デジタル放送の仕組み上仕方のないこととはいえ、使う側としては気分のいいものではない。
チャンネルが切り替わる速さは、VDR-R2000 の方が若干早いかな、と感じる。しかし、明らかだと感じるほどではない。
P42-HR02 は、チャンネルを切り替えた時に、画面右上にチャンネル番号が出るだけだ。それに対して、VDR-R2000 は、画面上端にチャンネル番号だけでなく、今放送されている番組のタイトルが表示される。これは確実に VDR-R2000 の方が使い勝手が良い。民放の場合、チャンネルを切り替えた時にコマーシャルに遭遇する確率がなぜか高い。そんな時も、VDR-R2000 であれば、番組表や番組情報を見ることなく、どんな番組をやっているかが、チャンネルを切り替えるだけでわかるため、使い勝手が良い。
Wooo には 「裏番組」 を見る機能がついている。メインの画面を切り替えることなく、画面下部に、他のチャンネルや録画した番組の情報を表示する機能がある。
P42-HR02 では、文字情報だけでなく、映像も小窓で見ることができる。そのおかげで、2画面表示に切り替えずとも、コマーシャルをやっている間だけ他の番組に切り替えることが容易にできてとても便利だ。ところが、VDR-R2000 では、文字情報は出るものの映像は出ない仕様になってしまった。この点は、P42-HR02 の使い勝手が圧倒的に良い。
番組表・番組検索・予約一覧・録画番組一覧
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P42-HR02 | VDR-R2000 |
見た目にもっとも大きく変わったのは、番組表、番組検索、予約一覧 や 録画番組一覧といった、「表示インタフェース」 部分だろう。
P42-HR02 のシンプルではあるが、シンプルゆえの見やすさがある。対して、VDR-R2000 は色をふんだんに使って見やすくしようとしているのだが、かえって見にくくなっている。
表示速度に関して、全体としては VDR-R2000 の方が早いと思うのだが、表示が凝っているせいなのか、リモコンでボタンを押してからの反応が鈍い個所が VDR-R2000 ではいくつか見られる。たとえば、一覧表示でフォルダ部分からリスト部分へフォーカスを移動する時などだ。
細かい点としては、一覧のスクロールの仕方に違いがみられる。
P42-HR02 では、上下キーで1行ごとのスクロールが可能だ。それに対して、VDR-R2000 では1ページごとのスクロールしかできない。具体的に言うと、VDR-R2000 ではリストの一番下が選択されているときに下キーを押すと、一覧が次のページに書き換わって、次のページの一番上が選択される状態になる。P42-HR02 で同じ操作をすると、一覧表示の1行分上にスクロールをして、選択部分は一番下のままとなる。
その説明だけではどちらの使い勝手が良いかわかりにくいが、一覧の最後の部分で使い勝手に大きな差がでてくる。
たとえば、5行表示の一覧で、残り3行のスクロールをした場合、
P42-HR02 では、
となる。どこまでが前のページで表示されていた部分で、どこからが新しく表示された部分なのか分かりにくい。
これが VDR-R2000 では、
となる。リストの終わりに空白行ができるため、ここが一覧の最後だと分かりやすい。さらに前のページと重複して表示される部分がないため、すでに確認した内容かで悩む必要もなく、使い勝手が良い。
総合的にみて、VDR-R2000 (= Wooo 07) の方が使い勝手がよくなっていることを実感できる。3年間で明らかに進歩しているといえるのではなかろうか。
ただ、独自の表示方式をやめて、Gガイドの提供する番組表を利用するようになったせいか、番組表が見づらくなったり、見たくもない広告が表示されるようになったりと、機能低下している部分も見られるのが残念だ。
おすすめ番組表やキーワードによる自動録画機能は、私にとって無用の長物でしかない。それらのない昔のシンプルなインタフェースの方が、私は好きだ。
そして、VDR-R2000 で一番退化していると感じたのは、
「番組検索のキーワードを、番組表からもってこれなくなったこと」 だ。
P42-HR02 では、番組表の番組情報から文字を切り取って、番組検索のキーワードに持ってくる機能があったのだが、VDR-R2000 ではそれがなくなっている。おそらく Gガイド に対応したために情報のやり取りができなくなったのだろう。
番組を検索する時は、キーワードを完全に一致させないと検索してくれない。あいまい検索をしてくれないのだ。たとえば、私が最近よく見る番組に NHK の “趣味の園芸 やさいの時間” がある。検索キーワードに 『ヤサイ』 や 『野菜』 を入れたのでは、この “やさいの時間” を見つけることができない。番組を正しく検索するためには、番組表に記載されている文字をそのまま取り込める機能は、極めて使い勝手が良かった。
以前にパソコンのソフトウェア開発をしていた時、いくら使われていないと思えるような機能であっても、バージョンアップでなくすことはできなかった。下手をするとリコール問題になりかねないからだ。家電はパソコンと違って、ソフトウェアとハードウェアが一体だからできることなのだろうが、私にはとても残念でしようがない。
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