カテゴリー「映画・テレビ」の82件の記事

2011/10/03

P42-HR02 と VDR-R2000 の使い勝手の比較をしてみた

 maxell VDR-R2000 は、日立のテレビ Wooo 07 シリーズをもとに作られているといわれている。maxell は日立の子会社であるし、実際、機能やユーザインタフェースを見る限り、Wooo 07 シリーズから映像表示機能 (とトランスコード機能の一部) を取り外したものと思われる。

 ということで、2008年発売の P42-HR02 と 2011年発売の Wooo 07 シリーズで、自分なりの使い勝手の比較をしてみた。


リモコン

VDR-R2000Remote
P42-HR02 VDR-R2000 P42-XR07

 余談になるが、我が家の P42-HR02 のリモコンは、だいぶくたびれてきている。何度か床に落としていることも影響しているだろうが、よく使うボタンの反応が鈍くなってきている。電源ボタン や 戻るボタン は強く押し込まないと反応しづらい。「3年も」 なのか 「3年しか」 なのかは意見が分かれるところだろうが、私としては 「3年しか」 使っていないのに、という気持ちだ。とまぁ、これは使い勝手とは直接関係のない話だった。

 P42-HR02 と VDR-R2000 のリモコンを比較すると、ボタンの一つ一つが VDR-R2000 の方が大きく押しやすくなっている。押したときの感触も VDR-R2000 の方がよい。

 ちなみに、一番右の P42-XR07 のリモコンと VDR-R2000 のリモコンを比べるとよく似ていることがわかる。

 P42-HR02 と VDR-R2000 では、リモコンの機能にほとんど差はない。ただし、ボタンの配置が若干変わっている。特に使い勝手で大きく異なるのは 「早送り/巻き戻し(サーチ)」 と 「スキップ」 のボタン配置だ。

 P42-HR02 では、「早送り/巻き戻し(サーチ)」 同士、 「スキップ」の左右同士が隣り合っている。それに対して、VDR-R2000 では、再生・停止といったボタンを挟んで、右側に 「早送り」 と 右の 「スキップ」。左側に 「巻き戻し」 と 左の 「スキップ」 が配置している。

 使いやすさは慣れの影響が大きいが、わかりやすさという意味では、VDR-R2000 の進ませる機能を右に、戻る機能を左に配置する形式の方が、わかりやすいと感じる。

 また、P42-HR02 では、「30秒送り」 ボタンと共有していた 「番組検索」 ボタンが、VDR-R2000 では一番使いやすい位置の大きな 「さがす」 ボタンとして独立している。おそらく、当初は番組検索をおまけ程度に考えていたのが、実はユーザーにとって重要な機能であることに気が付いたためではなかろうか。

 リモコンそのものの形状もだいぶちがう。P42-HR02 のリモコンが一様な厚さなのに対して、VDR-R2000 のリモコンは、手前になるにしたがって厚さが薄くなる。しかも、リモコンの裏面に2か所、横溝がついており、人差し指をリモコンにひっかけやすくなっている。その形状により、VDR-R2000 のリモコンの方が圧倒的に持ちやすい。

 また細かいところでは、VDR-R2000 のリモコンには下向きの赤外線発信部もついており、リモコンを立てて使っても、きちんとリモコン操作ができるのがよい。


チャンネル切り替え

 テレビ放送がデジタル化されて、チャンネルの切り替えに時間がかかるようになった。デジタル放送の仕組み上仕方のないこととはいえ、使う側としては気分のいいものではない。 

 チャンネルが切り替わる速さは、VDR-R2000 の方が若干早いかな、と感じる。しかし、明らかだと感じるほどではない。

 P42-HR02 は、チャンネルを切り替えた時に、画面右上にチャンネル番号が出るだけだ。それに対して、VDR-R2000 は、画面上端にチャンネル番号だけでなく、今放送されている番組のタイトルが表示される。これは確実に VDR-R2000 の方が使い勝手が良い。民放の場合、チャンネルを切り替えた時にコマーシャルに遭遇する確率がなぜか高い。そんな時も、VDR-R2000 であれば、番組表や番組情報を見ることなく、どんな番組をやっているかが、チャンネルを切り替えるだけでわかるため、使い勝手が良い。

 Wooo には 「裏番組」 を見る機能がついている。メインの画面を切り替えることなく、画面下部に、他のチャンネルや録画した番組の情報を表示する機能がある。

 P42-HR02 では、文字情報だけでなく、映像も小窓で見ることができる。そのおかげで、2画面表示に切り替えずとも、コマーシャルをやっている間だけ他の番組に切り替えることが容易にできてとても便利だ。ところが、VDR-R2000 では、文字情報は出るものの映像は出ない仕様になってしまった。この点は、P42-HR02 の使い勝手が圧倒的に良い。


番組表・番組検索・予約一覧・録画番組一覧

P42-HR02PList rec_box02_img02
P42-HR02 VDR-R2000

 見た目にもっとも大きく変わったのは、番組表、番組検索、予約一覧 や 録画番組一覧といった、「表示インタフェース」 部分だろう。

 P42-HR02 のシンプルではあるが、シンプルゆえの見やすさがある。対して、VDR-R2000 は色をふんだんに使って見やすくしようとしているのだが、かえって見にくくなっている。

 表示速度に関して、全体としては VDR-R2000 の方が早いと思うのだが、表示が凝っているせいなのか、リモコンでボタンを押してからの反応が鈍い個所が VDR-R2000 ではいくつか見られる。たとえば、一覧表示でフォルダ部分からリスト部分へフォーカスを移動する時などだ。

 細かい点としては、一覧のスクロールの仕方に違いがみられる。

 P42-HR02 では、上下キーで1行ごとのスクロールが可能だ。それに対して、VDR-R2000 では1ページごとのスクロールしかできない。具体的に言うと、VDR-R2000 ではリストの一番下が選択されているときに下キーを押すと、一覧が次のページに書き換わって、次のページの一番上が選択される状態になる。P42-HR02 で同じ操作をすると、一覧表示の1行分上にスクロールをして、選択部分は一番下のままとなる。

 その説明だけではどちらの使い勝手が良いかわかりにくいが、一覧の最後の部分で使い勝手に大きな差がでてくる。

 たとえば、5行表示の一覧で、残り3行のスクロールをした場合、

 P42-HR02 では、

image

となる。どこまでが前のページで表示されていた部分で、どこからが新しく表示された部分なのか分かりにくい。

 これが VDR-R2000 では、

image

となる。リストの終わりに空白行ができるため、ここが一覧の最後だと分かりやすい。さらに前のページと重複して表示される部分がないため、すでに確認した内容かで悩む必要もなく、使い勝手が良い。


 

総合的にみて、VDR-R2000 (= Wooo 07) の方が使い勝手がよくなっていることを実感できる。3年間で明らかに進歩しているといえるのではなかろうか。

 ただ、独自の表示方式をやめて、Gガイドの提供する番組表を利用するようになったせいか、番組表が見づらくなったり、見たくもない広告が表示されるようになったりと、機能低下している部分も見られるのが残念だ。

 おすすめ番組表やキーワードによる自動録画機能は、私にとって無用の長物でしかない。それらのない昔のシンプルなインタフェースの方が、私は好きだ。

 そして、VDR-R2000 で一番退化していると感じたのは、

    「番組検索のキーワードを、番組表からもってこれなくなったこと」 だ。

 P42-HR02 では、番組表の番組情報から文字を切り取って、番組検索のキーワードに持ってくる機能があったのだが、VDR-R2000 ではそれがなくなっている。おそらく Gガイド に対応したために情報のやり取りができなくなったのだろう。

 番組を検索する時は、キーワードを完全に一致させないと検索してくれない。あいまい検索をしてくれないのだ。たとえば、私が最近よく見る番組に NHK の “趣味の園芸 やさいの時間” がある。検索キーワードに 『ヤサイ』 や 『野菜』 を入れたのでは、この “やさいの時間” を見つけることができない。番組を正しく検索するためには、番組表に記載されている文字をそのまま取り込める機能は、極めて使い勝手が良かった。

 以前にパソコンのソフトウェア開発をしていた時、いくら使われていないと思えるような機能であっても、バージョンアップでなくすことはできなかった。下手をするとリコール問題になりかねないからだ。家電はパソコンと違って、ソフトウェアとハードウェアが一体だからできることなのだろうが、私にはとても残念でしようがない。

            
            
maxell VDR-R2000            
            
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2011/09/26

私が VDR-R2000 を買った理由(わけ)

 私は早い時期から、デジタル録画機を導入していた。

 最初に買ったのは 東芝 RD-2000 だった。2001年のことだから、もう10年も前の話だ。その後、2004年に同じ東芝の RD-XS41 を買い、2011年現在もまだ現役で使っている。

 RD-XS41 は買って間もなく DVD ドライブが故障したものの、それ以後は問題なく7年間稼働してきた。2008年に Wooo P42-HR02 が我が家に来てからは、我が家のメインの録画機は、ハイビジョンで録画できる P42-HR02 となり、RD-XS41 は録画番組が重なった時に使われるサブ機となった。それでも、P42-HR02 が1番組しか録画できないため、RD-XS41 もずいぶんと働いてきた。

 2011年7月のアナログテレビ放送停止を控えた2011年の前半は、「早いとこ RD-XS41 を買い替えなきゃなー」 と思っていた。「今から買い替えるんだったら、やっぱ ブルーレイディスク (BD) だよなー」 とも思っていた。

 思っていたのだが、ある日 “デジアナ変換” なる文字が、RD-XS41 に録画した番組の画面右上に表示されていることに気が付いた。

 そう。私の住んでいる集合住宅は、ケーブルテレビ会社からの送信でテレビ放送を見ている。2014年までのデジアナ変換措置を、私が使っているケーブルテレビ会社も行っていたのだ。

 ということであれば、何も無理して急いで RD-XS41 を買い替える必要はない。アナログ放送停止直前は地デジバブルがあるのはわかっていた。そのバブルが終わって、地デジ対応機器の価格が落ち着いてから RD-XS41 を BD に買い替えることに決めた。


 RD-XS41 の代わりとして候補に挙げていたのは、パナソニックとソニーの BD レコーダーだった。東芝を候補に入れなかったのは、あちこちのクチコミサイトや個人ブログでの評価がよくなかったためだ。頻繁にハングしたり再起動したりするようでは、安心して使えないと思った。

 そんなことをあれこれ考えていると、iVDR スロットを持つハードディスクレコーダー 『VDR-R2000』 が発売されるというニュースが発表になった。Wooo P42-HR02 ですでに iVDR の利便性を知り、iVDR カセットを数本買い増している私にとっては、かなりうれしいニュースだった。

 ただ、VDR-R2000 では解決できない課題もある。それは、「レンタル BD を見ることができない」 ということと、「iVDR がマイナーな規格」 だということだ。

 BD レコーダーはもちろん BD ビデオディスクが見られるので、BD レコーダー1台買えば、BD プレーヤーを買う必要はない。しかし、VDR-R2000 を買ってしまうと、BD ビデオディスクを見るには、別途 BD レコーダーか BD プレーヤーを買わなければならない。これは余分な負担になる。

 さらに、DVD が BD プレーヤーでも見られるように、おそらく BD の次の世代の規格でも、BD は再生できるであろう。しかし iVDR が今後も長く続いていくかは、かなり疑問だ。

 とりあえず、VDR-R2000 が発売されてもすぐに買うわけではない。買うとしても、ある程度時間が経って、価格がこなれてからにするつもりだったので、その間にどうすべきかじっくりと考えた。


 VDR-R2000 が発売されてしばらくたったある日、近所の家電アウトレットの店に行くと、VDR-R2000 が3万円を切る値段で売られていた。3万を切ったら買おうと思っていた私は、思わず衝動買いしそうになった。というのも、VDR-R2000 が3万円を切るのは、まだまだ先のことだろうと思っていたからだ。

 しかし、上記の課題の結論をまだ出していなかったため、その場はなんとか思いとどまり、改めて今後どうすべきかを家でじっくりと1日考えた。

 VDR-R2000 の発売を聞いてからぼんやりと思っていたことを、改めて具体的な考えにまとめて出した結論は以下のようなものだった。   

  1. P42-HR02 には録画番組を外部に出力する方法が(実質的に) iVDR しかない。
  2. iVDR はマイナーな規格であり、いつ対応機器が製造中止になるかわからない。
  3. 対応機器がなくなれば、撮り貯めたコンテンツを見る方法がなくなる。
  4. であれば、今のうちに iVDR に保存したコンテンツを他に移す手段を持つべきである。
  5. VDR-R2000 は DLNADTCP-IP に対応しているため、iVDR カセットに保存したコンテンツを外部のストレージにネットワーク経由で移動できる。
  6. VDR-R2000 を買うべきである。

 将来的には、DTCP-IP に対応した NAS を設置して、そちらに録画したコンテンツをすべて保存すれば、(ネットワークにつながってることが必要だが) テレビやパソコン、あるいはタブレットやスマートホンといった、あらゆる機器で撮り貯めたコンテンツを見ることができるようになる(はず)。

 さらに言えば、BD の将来性にも徐々に疑問を感じるようになった。

 CD → DVD と順調に需要を伸ばしてきた光メディアディスクであるが、ハードディスクや半導体メモリの大容量化に追い付いていない、と思っている。ハードディスクのバックアップに光ディスクが、実質的に使い物にならなくなって久しい。

 DVD-R や DVD-RAM は今でも使っているし、これまでに数百枚の CD-R、DVD-R にデータを保存してきた。その経験から、固定メディアに比べて 「光メディアディスクへの記録には時間がかかる」、「メディアの管理が煩雑になりやすい」、「メディアの入れ替えが面倒」 といったマイナス面が多いことを、ずっと不満に思っていた。

 その点、大容量の固定メディアであれば、メディアを入れ替える必要もないため、欲しいコンテンツをすぐにみることができる。ただ大容量メディアにも、問題はある。メディアが破損した時の被害が大きいということだ。その問題も、昨今の大容量ハードディスクの急速な低価格化により、RAID 化するといった方法でデータを消失する危険を、安価で簡単に回避できるようになってきていると思う。

 いずれにしろ、保存したコンテンツを BD といった光ディスクメディアや iVDR といった小容量のリムーバブルメディアに保存していくという時代は、徐々に終わろうとしていると感じている。

 余談になるが、VDR-R2000 を購入した後に見つけたのが、こんな記事だ。

 メディアサーバー機能を持つ VDR-R2000 は、今後私が主流となると予想している 『大容量ホームネットワークサーバー』 へ、橋渡しができる機器だと考えて、購入に踏み切った。

 残念ながら今現在は、VDR-R2000 をサーバーとして、機能していない。つまり、VDR-R2000 に録ったコンテンツは、HDMI で直接つないだテレビでしか見られない状態だ。ネットワーク経由でコンテンツを見られる機器が手元にないからだ。昨年買い替えたパソコンは、本体やビデオカードの性能は十分なのだが、パソコンにつないでいるモニターが、保護されたコンテンツの再生に対応していない。コンテンツ保護が規格化されるはるか以前に購入したものなので、当然といえば当然なのだが、新たな出費を利用者に強制するコンテンツ保護というものが、やはり行き過ぎているように感じられて仕方がない。

 今は、保護コンテンツの再生に対応した (具体的には、DTCP-IPに対応した) スマートフォンやタブレットの購入を考えている。もちろんそれらの価格がこなれてきてからの話だ。パソコン経由ではあるものの、無線ネットワーク環境もある。無線ネットワーク経由であれば、好きな場所でコンテンツ再生を楽しむことができる。私の予想としては、そうなるまでまだ1年ぐらいはかかりそうだ。

 なお、BD ビデオの再生環境については、それほど頻繁に視聴する予定はないので、今すぐ導入する予定はない。今後、BD プレーヤーを買うのか、PlayStation 3 といった BD ビデオも再生できる機器を買うのか、あるいはパソコンの BD ドライブを買おうか、いろいろと考えているところだ。もしかしたら、導入せずに済ませてしまうかもしれない。



maxell VDR-R2000

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2011/06/24

『いつの間にテレビ(TM)』 は失敗すると思う

Itsunotv

 ニンテンドー 3DS (以下、3DS) の追加機能で始まった 『いつの間にテレビ(TM)』3DS 発表時からの売りの一つでもあり、期待していたユーザーも多かったと思う。私もその期待していたうちの一人だ。

 6月21日に 『いつの間にテレビ』 が始まってまだ三日しかたっていない。しかし、私には、この 『いつの間にテレビ』 が成功する理由を見つけられない。一方で、失敗すると思える理由は、いくつも見つけられるのに。

 私が 「明らかに 『いつの間にテレビ』 が失敗するだろうな」 と思う理由をあげてみる。

1.コンテンツに魅力がない

 これはコンテンツビジネスにおいて、致命的な欠陥といえる。

 6月24日現在で、主なコンテンツは、

  • どうぶつDEカレンダー
  • ぶらり特選 鉄ビュー3D
  • マジック教室3D
  • アイドリング!!! 大相撲3DS場所
  • 日刊トビダス
  • 3Dちょうこくの森
  • ENJOY! SPORT

の7番組だ。これに広告映像と画像がいくつか加わる。

 私の個人的感想だが、どれもやる気の感じられない、適当に作ったコンテンツにしか見えない。おそらくかなりの低予算で作られていて、「この予算ならこんなものだろう」 と現場は考えて作ったんじゃなかろうかと、想像している。

 YouTube に個人が趣味で公開している映像に、上記のコンテンツよりはるかに楽しめる映像がある。

2.コンテンツの保持ができない

 テレビ放送に対して、ビデオテープレコーダーやハードディスクレコーダーが普及しているのは、

  • 「気に入ったコンテンツは、何度でも見たい」
  • 「時間をずらして、時間がある時に見たい」

という、視聴者側の強い願望があるからだ。

 ところが 『いつの間にテレビ』 は、その視聴者の強い願望を完全に無視する形で、配信されている。配信されたコンテンツが、配信毎に常に上書きされてしまうのだ。配信を受け付けなければ、現在のコンテンツを保持できるが、新しいコンテンツは受け取れない。新しいコンテンツを受け取ろうと思うと、古いコンテンツは必ず削除されてしまう。

 これは、映像を提供しているテレビ局側の論理だ。

 常々テレビ局は、「テレビ放送が想定しているのは、リアルタイム視聴のみである。録画視聴は、想定外。」 と言い切っている。録画されてコマーシャルを飛ばされたのでは、自分たちを潤しているビジネスモデルが、破たんするからだ。よって、“視聴率” は考慮するが、“録画率” は黙殺されている。

 こんな配信のされ方では、後で 「あの番組はよかったよ」 と聞いても、二度と観ることができない。それではストレスを感じるばかりで、『いつの間にテレビ』 自体に嫌悪感を抱くようになると思う。

 座談会では、「一期一会」 とか 「毎日ワクワク」 とか言っているが、視聴者の多くがそれを期待しているように思えないし、言い訳のように聞こえてしまう。

3.山場CMの乱用

 ずっと以前に記事で批判した “山場CM” を 『いつの間にテレビ』 でも乱用している。たった2~3分のコンテンツにも関わらず、一番盛り上がるところで余計な映像を挟んでくる。もちろん、興ざめする。

 同じように CM を流すにしても、「最初にまとめて流す」 といった別なやり方があるはずだ。これも、視聴者にケンカを売っているようにしか見えない。

4.先送りができない

 上記の山場CMとも絡んでくるのだが、“飛ばし見” しようと思っても、再生時間を先に進められない。巻き戻して観ることはできる。

 見たくもない CM を飛ばされたのでは、ビジネスモデルが成り立たないという理由で、先送りができない仕様にしているのが見え見えだ。

 いまや YouTube といったストリーミング再生ですら、自分の見たい時間からの再生が可能な時代に、端末に保存されたコンテンツの先送りができないというのは、「本当に視聴者のことを考えてないんだな」 と呆れてしまった。

5.奥行きが物足りない

 せっかくの3D映像にもかかわらず、映像の奥行き感が物足りなく感じる。不自然に前後に圧縮されたように感じられるのだ。

 私の周りにも、3D映像がうまく立体に見えない人が少なくない。平面のディスプレイ上で映像を立体に見るには、コツと慣れが必要のようだ。

 本当は、ゲームで行われているように、奥行き感を3Dボリュームで調整できればよいのだろうけど、3D映像ではそういう仕組みはないようだ。

 とすると、3D映像に慣れていない人にも、違和感が少なく立体感を見てもらおうという配慮で、奥行き感をあえて弱くしているように思える。

 それは理解できるのだが、やはり個人的には、もっと自然に見える深い奥行きの3D映像を見たいと思う。


 こうやって、失敗するだろう理由をあげていくと、多くに共通するのは、

    「番組を提供しているテレビ局の都合ばかりが優先されている」

ということだ。

 今のテレビ局およびテレビ放送は、スポンサーばかりを向いて、本当に視聴者に喜ばれる番組作りをしなくなっている、と言われている。私もそう思っている。

 3Dコンテンツがまだまだ不足している現状、ニンテンドーが3Dコンテンツの提供を受けるにあたり、テレビ局側の都合を全面的に受け入れざるを得なかったという事情は、想像に難くない。

 思い返してみると、任天堂の 3DS に対する施策は、失敗続きである。

 盛り上げる時期に大震災があって、消費が一時的に冷え込んだのは任天堂の責任ではないものの、本体発売と同時に新作のキラーコンテンツを発売しなかったのは、やはり失敗だったろう。かといって、予想以上に 3DS の需要が高まって、品不足 → オークションでプレミア、となってしまっては、やはり任天堂は批判を受けるだろうから、難しい選択ではあったろう。実際、かなり普及したと思われた PlayStation Portable が モンスターハンター 1作で、長期間品不足になって、中古品が新品より高くなったくらいだ。

 いずれにしろ、今のままでは 『いつの間にテレビ』 が 3DS のけん引役になるとは、到底思えない。任天堂が、早期に方向を修正することを、個人的に願うばかりだ。

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2010/05/29

iPad 狂奏曲

 昨日、5月28日にアップル社の iPad が日本で正式に発売された。マスコミ各社、特にテレビのワイドショー系の番組で、これでもかと言わんばかりに報道されていた。それらを見て私が感じたことをうまく表現する言葉が見つからないが、強いて言えば 「不安」 であり 「不快」 であり 「不気味」 といった感情がゴチャ混ぜになったような感情だ。

 やれ 「1200人のすごい行列」 だとか、買って出てきたばかりの人にその場で使わせる場面だったり、スタジオでいかに iPad が素晴らしいかや楽しいかを声高に叫んでみたりといった光景が、民放テレビ局すべてで見られた。“あくまでも私個人の勝手な憶測だが”、アップル社やソフトバンク社から広告費をもらって宣伝しているとしか思えない報道のされ方だった。

 別に私は iPad 自体そのものを否定する気持ちはない。iPad そのものを、私自身は触ったことはないものの、あちこちの記事を読む限りではよく出来ていると思うし、並んででもはやく買いたい人がいることはよく理解できる。もっとも、私自身は欲しいとは思っていない。

 私が気になったのは、iPad の宣伝広告のような報道(とさえもはや言えないかもしれない)のされ方だ。iPad を絶賛するコメントしか出てこない。iPad がいかに素晴らしいか、そればかりを強調するような内容だった。

 私が目にした範囲では、『とくダネ!』 で小倉智昭氏が 「米国での発売後すぐに iPad を買ったデーブ・スペクター氏 は、もう iPad を使っていない」 という発言が、唯一 iPad に対してネガティブな発言だった。

 そもそも iPad は、これまでまったく世の中に無かったタイプの製品ではけっしてない。画面だけで構成されて、タッチパネルで操作をする大量生産タイプは、8年前から世の中に存在している。にも関わらす、これまでほとんどマスコミでは取り上げられてこなかった。それなのに、その発展形である iPad をここまで持ち上げるのは、仮に iPad がそれまでの問題点の多くを解決したモノであったとしても、やはり宣伝広告費が大量にマスコミにばらまかれたためと思わざるをえない。もしくは、広告費収入の減収に悩んでいるテレビ局各局が、多額の広告費を出してくれるソフトバンク社に配慮したのかもしれない。

 いずれにしろ、“もしそういったアップル社・ソフトバンク社に配慮した報道をしたのであれば”、画面の目立つところには 『これは iPad の CM です。』 とでもテロップを出すべきなんじゃないかと思うのである。普段 「公正・中立」 と言ってはばからないマスコミ・テレビ局が、スポンサーをヨイショしたような “報道” をすることに 「不安+深い+不気味」 を、私はどうしても感じてしまう。

 このような報道を見て、IT機器に馴染みのない人たちまでも 「これなら私にも使えそうだ」、「これを買えばいろいろ楽しくなりそうだ」 などと感じて iPad を買ってしまうと、15年前の Windows95 の二の舞になってしまうのではないかと、いらぬ心配をしてしまう。

 Windows95 の時も、マスコミが盛んに 「Windows95 であれば、これまで難しくてパソコンをうまく使えなかった人でも、簡単にパソコンを使えるようになります」 と煽っていた。その煽りに乗って Windows95 パソコンを買ったものの、結局使いこなすことが出来なかった人を、私はいっぱい知っている。そして、ホコリを被り続ける大量のパソコンを生み出してしまった。

 iPad も同じ危険性をはらんでいるように感じる。上述した デーブ・スペクター氏の行動 がそれを象徴しているように思う。

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2010/01/14

最適な通訳学習環境はどこに (後編)

 前回、カミサンが通訳の訓練をするための海外ニュースの視聴環境を、家の大画面テレビ以外で見られるようにできないか、という相談を受けた話をした。そして、今回はその調査結果と今のところの私の結論について書く。

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 まず考えたのは、「家庭内LANでパソコンとつながっていれば、レコーダー内の映像を簡単にパソコンで見られるはずだ」 ということだ。 というのも、7年前にHDD/DVDレコーダーを買った時に、その次の世代の製品からLAN経由で録画映像をパソコンで見られるようになり、悔しい思いをしたからだ。

 だが、時代がデジタル放送になって事情が変わっていた。確かに 『DLNA』 という規格が制定されており、録画された機器以外で映像を簡単に見ることができるようになっていた。しかし、映像にコピープロテクトがされているデジタル放送では、コピープロテクトに対応した視聴用ソフトウェアが有償で別途必要とされ、さらにハイビジョン映像のためパソコンの性能もかなり高いものが要求されている。

 これではお手軽に録画映像をパソコンで楽しむというわけにはいかない。

 今まで2台続けて東芝のHDD/DVDレコーダーを使ってきたが、東芝がBDレコーダーを出していないので、BDレコーダーはパナソニックにしようと思っていた。そして、パナソニックのBDレコーダー サイトを見ていると、『ブルーレイディーガの番組を持ち出そう! 』 というリンクが目についた。その時、最近のBD/DVDレコーダーがモバイル機器に映像を転送できることを思い出した。

 だが、パナソニックのサイトを見たところ、ディーガの 『番組持ち出し機能』 に対応した機器を、我が家は一つも持っていない。

 ここでふと気がついた。自分もポータブル動画プレーヤーを持っていることを。そう、PSP (PlayStation Portable) だ。ただし、パナソニック製のBDレコーダーは転送先としてPSPに対応していない。でも、ソニー製のBDレコーダーならば・・・。

 はたして、ソニーのBDレコーダー サイトを調べてみると、予想通りに動画の持ち出し先として、ちゃんとPSPに対応しているではないか。

 これでどうやら我が家が買う新しいBDレコーダーが決まったように思えた。ところがそうは問屋がおろさなかったのである。

 ソニー製BDレコーダーの取り扱い説明書をダウンロードして詳しく調べていくと、私というかカミさんにとっては極めて重要なことが小さく書かれていた。

二か国語放送
録画する前に[ビデオ設定]の[二重音声記録](218ページ)を[主音声]または[副音声]にして録画してください。設定された音声が転送されます。

 そう、レコーダー外部に転送する映像に二か国語音声を入れることができないのだ。これではカミさんの最も重要な要求を満たすことができない。この時点で、ソニー製BDレコーダーとPSPの組み合わせは、完全に選択肢から消えてしまった。

 その後も、『パソコン用チューナーカード』 や 『LAN対応のデジタルチューナー』 をいくつも調べてみたが、やはりカミさんの要求を完全に満たしつつ、安価で取り扱いが簡単なソフトウェアもしくはハードウェアは、いまだに見つかっていない。

 コピープロテクトがかかっていないアナログ放送の時代であれば、パソコンに転送をして簡単に録画番組を見ることができてなんの問題もなかったのに、無料放送にもかかわらずコピープロテクトをかけたために、極めて使い勝手が悪なってしまった。「寒い時代だと思わんか・・・。」

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2010/01/12

最適な通訳学習環境はどこに (前編)

 私のカミさんは、英語が大好きだ。なにしろ学校に通って英検1級を取ってしまうほどだ。その昔、米国に1年半も生活しながら、英検5級さえあやしい私から見れば、まったくもって理解不能だ。

 理解できるかどうかはおいとくとして、今のカミさんは通訳業務を夢見て、毎日BSで放送されている米国や英国のニュースを見て訓練している。二か国語放送を左と右で同時に聞いているのだ。

 我が家のBS放送の視聴・録画環境は、一昨年に買った録画機能付きプラズマテレビだ。海外ニュースはたいてい二か国語放送(二重音声)になっているため、音声を 『日本語+外国語』 で録画している。そうすれば、再生するときに音声切り替えによって、「日本語のみ」、「外国語のみ」、「日本語+外国語」 が選択できる。

 カミさんにとって一番重要なのが、最後の 「日本語+外国語」 なのだ。同じ内容の日本語と英語を左右の耳で同時に聞いて、なおかつ内容をきちんと理解することが、通訳を行う上では重要だということで、日々、ニュース映像を見ながら訓練をしている。

 ところで、この録画機能内蔵テレビは、テレビ本体で環境が閉じているため、映像を外部機器に保存することがほとんど想定されていない。特にデジタル映像の出力は、世間的には普及していない iVDR-S が唯一の選択肢だ。

 そのため、カミさんが英語の勉強をするためには、どうしても我が家のメインモニターであるプラズマテレビを占有してしまう。一方で、子供もちょうどテレビドラマなどの番組が一番面白く感じる時期なので、カミさんが海外ニュースを見て勉強したいと思ってもタイミングよく見られないことも多い。

 カミさんにとっては英語の勉強をするのに大画面は必要ない。もっと言えば、音声が重要なのであって、映像は内容が分かる程度であれば十分なのだ。

 そこでカミさんは私に、「別なもっと小型の画面、例えばパソコンの画面で海外ニュースが見られないか?」 と相談してきた。

 だが私から見ると、それはそれほど簡単な問題ではなかった。

 すでに説明したように、我が家のテレビは録画環境が閉じており、録画した番組を外部に持ち出すのにとても手間がかかる。具体的に言えば、アナログ出力を使い、実時間をかけてダビングする必要がある。さらに、ダビングした番組にはコピープロテクトがかかるため、それを持ち出すのも、パソコンで視聴するのも、コピープロテクトに対応したメディアやソフトウェアを準備しなければならない。

 そう考えると、もう1台、BS放送を録画できて、映像を簡単に外部に持ち出せる機器を買った方が、ずっと実用的だと思えた。

 今持っているHDD/DVDレコーダーは7年前のアナログ放送専用機であり、あと1年半でテレビ放送は録画できなくなる。またDVD機であり、BD (Blu-ray Disc) は当然見られない。だが、最近またレンタルビデオを借りるようになり、BDもかなりレンタルしやすくなっているのを見ると、せっかくハイビジョンテレビを持っているならBDでハイビジョンの映像を見たくなる。

 そう思って、HDD/BDレコーダーで簡単にカミさんの希望を満たせないか調べた。

 (次回につづく)

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2009/11/15

最近のバラエティ番組のひどさはやはり芸人の質によるものだと思う

 私がテレビ番組のお笑い番組について苦言を呈したのは、もう3年も前になる。しかも嬉しいことに、この記事に対しては私のブログとしては多くの賛同のコメントをもらっている。

 そしてこの3年間でテレビのお笑い番組の質が向上したかといえば、残念ながら向上したようには思えない。むしろより低下しているようにも思える。

 そんなことを日々考えているため、テレビ番組を見る時間もめっきり減った。特にお笑い系の番組はほとんど見なくなった。バラエティ番組も吉本芸人が出る番組は特に見なくなった。

 そしてたまたまこんなブログが目に入った。

『めちゃイケ』に限らず、ある世代のお笑い芸人は「権威を傘にしたいじめ」を肯定している
(昨日の風はどんなのだっけ?)

 ここに私が普段ぼんやりと感じていたことが、はっきりと書かれていると思った。そう、最近のメインキャストは、弟子や後輩にどつかれていないのだ。

 たしかに、ドリフターズではリーダーであるいかりや長介氏は頻繁に反撃されて、ずぶぬれになったり、粉まみれになったり、真っ黒になっていたりした。そして最後のきめ台詞が 「だめだこりゃ」 だったことが強く印象に残っている。

 昔はどうだったか知らないが、少なくとも今テレビでレギュラー番組をもっている人たちは、使い古された言い方だが 『勝ち組』 である。高収益のテレビ放送という業務を独占的に行っているテレビ局に優先的使われている人たちは、当然、高額な収入を得ている強者と言える。

 その勝ち組であり強者である人たちの論理だけで番組が制作されていけば、今のような多くの人たちに嫌悪感を抱かせるような内容になるのは、必然であるように思われる。逆に言えば、80年代のお笑い芸人達には、自分がどのように見られるかということに十分に配慮をしていたということなのだろう。

 私の短い会社生活においても、管理職や古参が若手や新人をこき使ったりいじめているようにしか見えない組織は、一瞬良い成果を出すこともあるが、最終的にはうまく組織が回らなくなり消えていく。

 ただ、だからといって、管理職や古参がきちんの若手後輩を育てていて、組織として健全であるように見えても、最終的に十分な成果が上げられるわけではないところが残念ではある。

 それでも、いくら成果が上がらないからといって、粉飾や捏造、恫喝、脅迫といった反社会的な活動をする人はごく一部である。

 ところが、テレビ番組関係者、特にお笑い系番組の関係者は平気でしかもこぞって反社会的な行動を起こしているというようなことなのだと思う。

 やはり私が思うのは、繰り返しになるが、電波を使ったテレビ放送を一切止める。インターネットによるブロードバンドを使ったテレビ放送で放送局の独占形態を止める。完全な映像ビジネスの自由化をする。

 こうすることで、嫌悪感を抱かせるような番組やタレント達を淘汰していくことにつながっていくのではないかと思っている。

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2009/10/14

私が好きな映画のタイプは

 きっかけはサラウンドヘッドホン MDR-DS7000 を買ったことだ。

 以前にも書いたように、地上波やBSでは、5.1chサラウンド放送がほとんどないため、せっかくのサラウンドヘッドホンが、私にとって宝の持ち腐れになっていた。そこで、5.1chでのコンテンツを楽しむため、数年ぶりにDVDをレンタルすることにした。

 私は基本的にSFが一番好きで、スターウォーズやスタートレックがお気に入りだ。アニメでももっぱらSF中心で、ガンダム、ボトムズ、銀河英雄伝説や攻殻機動隊などがお気に入りとなっている。

 もちろんそれ以外にも良作と呼ばれるものは、ジャンルにとらわれずに見る。ロードオブザリング、ダイハードやトッツィなんかも好きだ。

 今回は、お気に入りの映画評論サイトでのオススメを元に、自分が見たいと思う映画をピックアップした。そして、3週間で20本ほどの映画を見た。ほぼ1日に1本の映画を見た計算だ。

 そうやって一度に多くの映画を見たら、自分の映画の好みをあらためて実感することができた。むろんあくまで私の個人的な嗜好であって、その映画の評価という話ではない。

 私が気にいる映画に共通するのは、

  • テンポがよくて展開が速く、同じシーンが延々と続くことがない映画

だ。ストーリーや設定といった要素も私にとっては重要な要素だが、仮にジャンルやストーリー、設定が私好みであっても、テンポが悪いだけで私はその映画を好きになれない。

 スターウォーズなど展開が速すぎて下手をすると1回見ただけでは話しについていけなくほどだが、それでも私は好きだ。ロードオブザリングも上映時間が3時間以上だが、無駄なシーンが感じられないため、それだけ上映時間が長くても私には苦痛にならない。

 今回借りた映画の中では ダイハード4.0ボーン・スプレマシーイーグル・アイ がテンポがよく、私には楽しめた。よくよく見るとどれもアクションを売りにする映画だった。スピード感が命のアクション映画で、展開が速いのはある意味当然か。

 とはいえ、ボーン・スプレマシーの続編である ボーン・アルティメイタム には、むしろもたつきを感じたので、アクション映画であればかならず展開が速いということでもなさそうだ。

 好きになれない映画は当然展開の遅い映画ということになる。

 いまだに私の中でのワースト映画は ゼイリブ という映画だ。前半にある格闘シーンがだらだらと続くのが最大の理由だ。ストーリーや設定自体は悪くないと思えるのだが、あのだらだらシーンだけで私の評価は格段に低くなってしまう。

 今回見た映画では ジャンパースパイダーマン3 がそのタイプだった。ジャンパーは設定が面白いと思うのに、二人の乱闘シーンがやたらと長く感じられ、それ以外の部分のテンポの悪さも含めると、上映時間は3分の2、60分ほどが適当だろうと思えた。逆に言えば、ビジネスとして上映時間を90分以上にするために無理やり無駄なシーンを盛り込んだようにも感じられた。

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 私もここで文章を書いていて思うのは、いかに短く簡潔で必要にして十分な内容を持っている文章を書くのが難しいかだ。

 優れた文筆家が書く文章は、短く簡潔でもはっきりと伝わる。私が自分の言いたいことを誤解なく理解してもらおうと思って書くと、どうしても文章がだらだらと長くなってしまう。

 私が映像にも短く簡潔でもわかりやすいものを期待してしまうのも、そういうところから来ているのかもしれない。

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2009/10/07

現状の3D映像技術の使い道は

 なにやら今の映像技術のトレンドは3Dらしい。

「CEATEC JAPAN 2009」が幕張メッセで開幕
-各社が3D展示。「CELL REGZA」「LED AQUOS」も

 私は以前にも現状の3D技術に悲観的な記事を書いた。その見解は今でも変わっていない。過渡的な技術としては必要な段階だと思ってはいるが、現状の3D技術が広く一般に普及するとはやはり思ってはいない。

 映画館では3D映画が好調らしいが、それは現状、家庭では見ることができない映像を、高いお金を払って見に来てもらうための映画業界の努力によるものだ。CG技術が進んだおかげで、CGアニメならば3D映像が簡単に作れるようになったというのも理由の一つだろう。

 これも繰り返しになるが、私が3D映像に必要と思うのは、一つの場面をさまざまな方向から見ることができるようになることだ。視点が変えられないならば、3Dである必要はほとんどないと思っている。

 ただ、一つだけ現状の3D映像技術の使い道となるかもしれないものがあった。それは、Microsoft が開発している “Project Natal” だ。

 “東京ゲームショウ2009” の記事この写真をみると、現状の Project Natal は、自分の身体を使ってゲームを操作するとはいえ、結局は画面内のキャラクターを操作するという点で現状のゲームから変わっていない。

 これがもし3D映像で表現できたらどうだろう。画面内に自分の分身となるキャラクターを置かずとも、自分の位置まで飛び出してくる(飛び出して見える)ボールをまさに自分の手足ではじくことができるようになり、より直感的でわかりやすい操作方法になる。

 もっとも、映像では感触を得られないため、手でボールをはじいているのが見えるのに、手には感触が伝わらないという不自然さが、次の問題として浮上してくるとは思うが。

 Project Natal で思い出したが、CEATEC JAPAN 2009 では3D映像と同じくらいに、リモコンや操作パネルなしで機器を操作できるインターフェースが多数展示されていたらしい。

 多くのテレビ報道は 「機器をより簡単にわかりやすく操作できるようになる」 ニュアンスで紹介していたが、私から見ればまったく逆である。身体の動きで機器が操作できるとはいっても、操作するための動きを覚えなければいけないのだから、かえって使いにくくなるようにしているようにしか、私には見えない。しかも、人の動きは安定していないため機能しなかったり、誤動作したりが多くなり、なおさら使いにくくなると思う。

 その昔パソコンのOSがDOSで、コマンドラインからパソコンを操作していた時に、さんざん 「いちいちコマンドを覚えなくては使えないようなパソコンなんか普及するはずがない。」 と言われて、GUIの Macintosh や Windows が受け入れられた。

 ところが、身体の動き、ジェスチャーによる操作は、再びコマンドラインからのコマンド入力に戻すようなものだ。それをマスコミがこぞって “最先端技術” と紹介しているのを見ると、いかにマスコミが本質を理解せずに報道しているかを思い知らされる。もしくは、わかっていてあえて大スポンサーである大メーカーに気を使って報道しているのか。

 私が見た中では唯一、朝のワイドショーで小倉智昭氏が 「せっかくリモコンの使い方を覚えたのに、また新しい操作方法を覚えなきゃいけないなんてやだよ」 的な発言をしていたのを聞いて、私は 「あ、まともなことを言ってるな」 と思った。

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2009/10/02

サラウンドヘッドホンで5.1chを体験 (後日談)

 MDR-DS7000 でより臨場感があるサラウンドを聞くには、DVDを視聴するのがよいことがわかったものの、そうそう頻繁にDVDをレンタルして映画を視聴するわけにもいかない。

 とはいえ、MDR-DS7000 の良い所は、5.1ch再生ばかりではない。無線伝送方式である MDR-DS7000 は、ヘッドホンをつけたまま家の中をあちこち歩き回れるのも、大きな特長である。

 私の住んでる部屋は、リビングダイビングとキッチンがカウンターで仕切られているため、キッチンで家事をしながらでも、リビングのテレビを見ることができる。しかし、家事をしていれば大きな音を立てることにもなるため、これまではテレビの音がよく聞き取れなかった。

 それが、MDR-DS7000 のおかげで、家事をしながらでもテレビの音をはっきりと聞きとることができるようになった。安くなったから買ったとはいえ、私にしてみれば1万5千円以上もしたヘッドホンは、けっして安い買い物ではなかった。それでも、ヘッドホンをつけたまま家中を歩き回れることを体験すると、「買って損はなかった」 と素直に思えた。

 さらに不思議なもので、MDR-DS7000 を買った当初は、どうしても音が頭の中心や頭上から聞こえてきてしまっていた。それがサラウンド感を感じられない要因でもあった。おそらく、「私はヘッドホンで音を聞いている」 という意識が強く働くためだろうと思っている。

 それがヘッドホンに慣れてきて、ヘッドホンから音を聞いていても映像のほうに集中できるようになってくると、なぜかだんだん音が画面のほうから聞こえてくるように感じられるようになってくるから不思議だ。

 目からの情報量は圧倒的に多いので、耳からの情報が目からの情報に引っ張られるということなのだろう。

 MDR-DS7000 ネタの最後に、MDR-DS7000 とは直接関係のない話をする。5.1chでの音の聞かせ方についての話し、というか私の個人的不満だ。

 あくまでも私が見た映画の範囲の話だが、どうも前後左右の音の移動の仕方が不自然に感じる場合が多い。

 どこを基点とした音を聞かせるかが、映画を作った人と私とで大きなずれがあるようだ。

 私は、その映画を見ている自分を基点とした音を聞かせてもらいたいと思っている。だが、多くの映画では、表示している映像の中心もしくは主人公を基点とした音を再生しているように思われる。

 たとえは、画面内の中央の主人公の右横を車が通り過ぎた時、私から見ると車は右前にある。私は右前から車の音が聞こえて欲しいと思うが、実際には真横から車の音が聞こえてくる。

 同様に、後方から聞こえてくる音を発生させているモノは、画面内には見えてほしくないのだが、多くの場合、画面の両端に見えていたりする。

 これは、映画をどのように見て、見ている自分を映画内のどの位置に置くかによっても感じ方が違ってくる話だと思うので、私の感じ方が正しいと言いたいわけではない。

 ただ、映像表現やストーリーだけでなく、音の表現の仕方に対しても映画製作者、主に映画監督の好き嫌いが出てきそうだということを感じた。

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