前回で、DSC-HX5V 用に予備のバッテリーは準備したものの、それだけではやはりどうしても安心できない。なんとか手持ちの単三形ニッケル水素電池を DSC-HX5V に使えないものかと、ひたすら考えた。
考え続けていると、ふとあることに気がついた。
ケータイも PSP (PlayStation Portable) も外部バッテリーから充電できている。そして、その外部バッテリーとして単三形ニッケル水素電池が使っているではないかと。ケータイや PSP に内蔵されているのもリチウムイオンバッテリーだ。ということは、DSC-HX5V の内蔵バッテリーを、単三形ニッケル水素電池で直接充電してしまえばよいのだ。
さっそく、リチュウムイオンバッテリーを直接充電する機器がないかと探してみると、すぐに次の二つが見つかった。
USBなんでもチャージャー2
デジタルカメラ用充電器 DC-01BK
構造的にも簡単な 『USBなんでもチャージャー2』 の方が安価で、さらに簡易版である 『USBなんでもチャージャーmini EX』 であればさらに安い。ただ、USBなんでもチャージャー系では、リチウムイオンバッテリーをクリップで挟む形になるため、途中で外れてしまうことが心配だった。特に私の場合、バッテリーを充電しながら移動することも想定しているので、リチウムイオンバッテリーの固定がしっかりしていそうな 『DC-01BK』 を選ぶことにした。
もう一つ DC-01BK を選ぶことにした理由は、単三形ニッケル水素電池を DC-01BK 本体に格納できるため、トータルで見て DC-01BK の方がコンパクトにまとまると思えた点だ。
ただ、DC-01BK のメーカーが Linkage だというのはちょっと気になった。なにしろ、以前に買った Linkage製のリチウムポリマーバッテリーが半年ちょっとで使えなくなってしまった苦い経験がある。とはいえ、この DC-01BK と同等な機器が他にない以上、選択の余地はない。
幸いにして、近くの家電量販店に DC-01BK が置いてあったので、すぐに手にいれることができた。
すぐに DC-01BK に関する私のテスト結果を報告したいところではあるが、どうやらこの DC-01BK には特に注意すべき点がいくつかあることがわかった。そのため、私の記事を読んで、すぐに買ってしまう人がいると、買ってから 「なに?これ?」 と思ってしまう心配をした。
そこで、性能評価の前に、使う上で私が 「あー、ここは要注意だな」 と思う点を、先に報告しようと思った。
注意点 1: 本体に十分に容量のある単三電池を入れるべし
DC-01BK 本体の動作は、すべて内蔵した単三電池によって制御されているようだ。よって、内蔵した単三電池の容量が十分にないと、DC-01BK がおかしな動作をしてしまう。
DC-01BK は、ミニUSB端子を使って外部のバッテリーからもリチウムイオンバッテリーに充電することもできる。しかも、DC-01BK に単三電池を入れなくても、外部のバッテリーを繋ぐと、DC-01BK の充電中を示すランプがつくため、それだけを見ると単三電池を入れる必要がないようにも見える。しかし実際に充電してみると、外部バッテリーだけでは、リチウムイオンバッテリーを半分くらいしか充電できない。いくら時間をかけてもそれ以上充電することができなかった。
DC-01BK の取扱説明書にも、「かならず単三電池を入れて使うこと」 といったようなことが書いてあるものの、小さく書かれているだけなのでうっかりすると見過ごしてしまう注意点だ。
注意点 2: 充電中のランプを信用しすぎない
これまた DC-01BK の取扱説明書に書かれていることなのだが、充電中を示すランプがきちんとついていても、全く充電されていないことが何度かあった。
再度、リチウムイオンバッテリーをセットし直して充電すると、きちんと充電されるので、おそらくは、リチウムイオンバッテリーの端子と DC-01BK の端子との接触が弱くて、接触抵抗による損失で充電できなかったものと思われる。
こればかりは、実際にリチウムイオンバッテリーを使ってみて初めて気がつくことなのだが、充電開始前にリチウムイオンバッテリーを少し左右に動かして、端子同士の接触を確実にさせるのがよさそうだ。
注意点 3: 外部バッテリーから充電中も内部の単三電池を消費する
DC-01BK の取扱説明書には、「外部バッテリーからの充電を優先する」、「外部バッテリーがなくなると自動的に内部の単三電池からの充電に切り替わる」 とある。
しかし実際に使ってみると、外部バッテリーがまだ十分あるにも関わらず、内部に組み込んだ単三電池がスッカラカンになる。どうも設計通りに動作していないような気がしないでもない。
当然、内部の単三電池がすっからかんになってしまえば、注意1 で指摘したように、外部バッテリーから充電できなくなるので、『かけた時間ほどには充電されていない』 と結果になってしまう。
注意点 4: 充電しないときは内部から単三電池を抜く
規定通りの充電が終わって充電中を示すランプが消えても、内部の単三電池からすこしずつ電流が流れているようだ。よって、充電を行わない時や充電が終わった後は、速やかに本体の電源を OFF にすべきだ。できれば、DC-01BK から単三電池を取り出すことをお勧めしたい。
充電テストのために、私は充電状態にしたまま一晩放置したのだ。朝 DC-01BK を見ると、充電を示すランプは消えていた。私は充電が終わった段階で電池からの電流は自動的に遮断されると思っていた。
しかし、実際に充電テストに使ったニッケル水素電池の電圧を測ってみると、2本とも1.0Vを大きく下回っていたのだ。あわてて充電を始めた。それ1回だけとはいえ、ニッケル水素電池を痛めてしまった。DC-01BK の電源が ON になっていると、際限なく内部の単三電池から電流が流れ続ける仕様のようなので、必要なとき以外は単三電池を外しておく方がよさそうだ。
なお、私は DSC-HX5V のバッテリー NP-BG1/FG1 でしか DC-01BK を使わないため、NP-BG1/FG1 に合わせて硬めのスポンジを内部に貼り付けた。
(クリックで拡大)
また、NP-BG1 が裏返しに取り付けられている。こうしないと、DC-01BK と NP-BG1/FG1 の端子の高さが一致しないのだ。とりあえず、この状態で安定して充電することが出来ている。
次回はいよいよ DC-01BK での充電結果についての報告である。(つづく)
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