水星を見た
私も小学生の頃は、星を観察するのが好きだった。月に1度は市営のプラネタリウムを見にいったものだった。
そして中学生のとき、通っていた学校が校舎を建て直した際に、屋上に30cm級の大型天体望遠鏡を設置した。ドームまで設置してある本格的なやつだ。
担任の先生が理科の先生で天体望遠鏡の管理者だったこともあり、何かとお願いしては使わせてもらった。太陽の黒点観察や夕方の金星観察など。夏休みには泊りがけで観察したこともあった。
ところが、そんな天体観測が大好きだった時、見たいと思っていてとうとう見れなかった星があった。それが “水星” だった。
金星は、比較的高い位置まで登り、かなり明るいこともあって、見つけやすい。それに比べると、水星はあまり高い位置に上らないため、地平線付近の雲に隠れやすい等で、見える機会がかなり限られる。
さて、私の子供も学校で星のことを勉強する歳となり、最近毎夕、星を観察している。
私も昔を思い出しながら一緒に観察をしていると、南西の空に明るく “宵の明星” が輝いていた。さらに西のほうを見ると、細い弓なりの月とその上に別な明るい星が見えた。もう少し暗くなると、月の下側にもう一つ明るい星が瞬いてた。
「これは、もしや?」 と思い、さっそくインターネットで調べてみた。
最初に見つけたのは、金星と木星の接近のニュースだった。どうやら、月の上の明るい星は木星のようだ。
木星は何度となく観察しているし、中学生の時は大望遠鏡で大赤斑も観察している。ちなみに、土星の輪も大望遠鏡で観察済みだ。
ところが、月の下の星の情報がない。そこでふと思いついて、星図情報を検索してみた。
すると、フリーの星図表示ソフトが見つかった。
すぐにダウンロードをして、インストールした。使い方は簡単で、すぐにわかった。表示される星図も、既定値は “東京”+“現在時間” だった。
そこで、西の空を見てみると、月と木星があり、その下に・・・、やっぱり “水星” があった。これでまた、忘れていた子供の頃の夢がまた一つ、思いがけない形でかなった。
セミの羽化といい、女王アリの捕獲といい、子供のときに見たかったりやりたかったりしたことが、自分の子供をきっかけにして、何十年も経ってから実現することになるとは、なんとも不思議な感覚である。
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