カテゴリー「日記・コラム・つぶやき」の817件の記事

2012/02/16

ニンテンドー3DS専用拡張スライドパッド を使ってみて

(前回のつづき)

 予想よりも早く手元に届いた 『ニンテンドー3DS専用拡張スライドパッド』 (以下、拡張スライドパッド) は、想像していたよりも大きかった。といっても、大人の男のである私の手に大きすぎるということはなく、ニンテンドー 3DS (以下、3DS) をしっかりと保持できて、強く握っても指が角に当たって痛くなることはない。ちょうどいい大きさだ。

 とはいえ、3DS が携帯型ゲーム機であることを考えると、拡張スライドパッド をつけると携帯性はあきらかに落ちる。

 ただ、クラブニンテンドー でもらえる キンチャク に入れると、まさにこのために作ったのではないかというくらい、3DS+拡張スライドパッド はキンチャクにすっぽり収まった。たまたま私が以前にクラブニンテンドーからキンチャクもらっていて、某掲示板にそういう書き込みがあったのを読んで、試してみたところまさにその通りであったというだけなのだが。

 3DS の 拡張スライドパッド への固定は、拡張スライドパッド に組み込まれているゴムクッションでおこなわれている。そのため、頻繁に 3DS を出し入れしても 3DS に傷がつく心配は少ないと思う。さらに、3DS と 拡張スライドパッド に隙間がないため、3DS ががたつくことがなく、使い勝手をきわめてよくする役割も果たしている。


 次にボタンの使い勝手についてだ。

 拡張スライドパッド には、その名前の由来の通りに追加のスライドパッドが右側についている、それ以外に追加のボタンが拡張スライドパッド の背中(?)側に3つついている。“ZR” と “ZL” それと “R” だ

(クリックで拡大)

 問題は “R” ボタンだった。

 “R” と名付けられていることからわかるように、本体の Rボタン と同等のボタンとして働くはずなのだが、一つ問題があった。

    「拡張スライドパッド 対応ゲームでないと、拡張スライドパッド の Rボタンが機能しない」

 ということだ。拡張スライドパッド の説明書にも書いてある。

 マリオカート7 は拡張スライドパッド に対応していない。当然、拡張スライドパッド の Rボタン は使えない。マリオカート7 では、Rボタン はカートをドラフトさせるための重要なボタンであり、ゲーム中に頻繁に使うボタンだ。その頻繁に使う Rボタン を押すためには、右手の人差し指を奥の方に回す必要がある。すると、ごく自然な形の左手に対して、右手を少し前に突き出す形で マリオカート7 をプレイすることになる。拡張スライドパッド の形が左右非対称なだけでなく、左右の持ち方まで非対称になってしまう。

 そして、ゲームに集中してくると、どうしても無意識に両手を同じ形にしようとしてしまう。Rボタン に右人差し指が届く形で右手を引いてしまうと、今度は画面が体に対して傾いてしまう。2Dゲームであれば、多少画面が傾こうが見え方が変わることはない。ところが マリオカート7 は3Dゲームであり、画面が傾くと画面がダブって見えてしまい、まともにゲームができなくなってしまう。しかも、マリオカート7 の3D表示は実によくできていて、3Dでのプレイに慣れてしまうと、2D表示では物足りなく感じるし、プレイしづらくなる。

 では、3D表示でのプレイのために 拡張スライドパッド を外すかといえば、それも考えられなかった。3DS の保持という観点でいえば、拡張スライドパッド は実によくできているからだ。拡張スライドパッド に慣れてしまうと、3DS 単体でのプレイがいっそう苦痛に感じられるようになってしまった。

 結局、拡張スライドパッド をつけた状態で、右手を少し不自然な形で持つプレイスタイルに慣れることにした。

 このように、拡張スライドパッド の左右非対称な形による多少の弊害はあるものの、3DS の持ちやすさという点で、拡張スライドパッド はハンドグリップとして見ても、私としてはお勧めできるモノだ。

 もちろん、3DS 単体でなんら支障なくプレイしている人は、わざわざ 拡張スライドパッド を買う必要はないと思う。


 最後に、拡張スライドパット に対応したゲームをプレイした時の感想を少し。

 拡張スライドパッド に対応している 『バイオハザード レボリューションズ』 と 『メタルギアソリッド スネークイーター 3D』 の体験版があるので、ダウンロードしてプレイしてみた。プレイと言っても、10~20分程度だ。

 極めて短時間プレイの感想は、

    「移動と視点の操作が混乱してよくわからん」

というものだった。

 パソコンの FPS ゲームでは、「マウスで視点を操作して、キーボードで移動する」 という操作体系はよくある。

 しかしながら、3DS の 「左親指で移動しながら、右親指で視点を動かす」 という操作体系は、私にとってまったく新しいものであり、慣れるにはそれなりの時間プレイする必要がありそうだった。

 それよりも、拡張スライドパッド ではせっかくアナログスティックが2つになり、人差し指と中指で操作する左右のボタンが4つに増えるのだから、私が大好きな 『機動戦士ガンダム 戦場の絆』 を 3DS に移植して発売してもらえればなぁ、と思ってしまう。

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2012/02/15

ニンテンドー3DS専用拡張スライドパッド を買った理由(わけ)

 ニンテンドー3DS (以下 3DS) を、昨年の3月に買ったものの、しばらくは “万歩計” や “すれ違い通信機” としての使われてきた。

 ゲーム機として本来の使われ方になったのは、昨年11月に発売された 『スーパーマリオ 3Dランド』 を遊ぶようになってからだった。夏に遊んだ 『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』 もそれなりの時間遊んだのだが、スーパーマリオ 3Dランド にはそれ以上に熱中した。

 スーパーマリオ 3Dランド を完全制覇した後に、Wii の 『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』 が間に挟まったものの、ゼルダの伝説 スカイウォードソード をクリアした時には、すでに、『マリオカート7』 が手元に届いていた。

 スーパーマリオ 3Dランド にしろ、マリオカート7 にしろ、とても面白くて夢中になって遊んでしまう。夢中になって遊んでいると、困ったことがある。私の手に対して 3DS が小さいため、3DS が持ちにくいのだ。さらに、3DS が携帯性を重視して直方体になっているため、ゲームに夢中になって力いっぱい 3DS を握っていると、3DS の角が指に食い込んで、指が痛くなったりもする。

 スーパーマリオ 3Dランド を遊んでいるときに、3DS が持ちにくいことを実感していたので、『ニンテンドー3DS専用拡張スライドパッド』 (以下、拡張スライドパッド) の発表があった時は、速攻で買うことを決めて予約もした。

 3DS 用のハンドグリップならばサードパーティーからいくつも発売されているので、それらから選択をするということもできた。しかし、私が見つけた範囲では、私が欲しくなるようなハンドグリップは見つからなかった。

 その点 拡張スライドパッド であれば、任天堂純正品という安心感がある。しかも、拡張機能があるのに値段はリーゾナブルというおまけもついている。単4電池を使用するのはちょっと気になっていたが、単4型のエネループを以前に間違って買ったことがあったので、それを使えばよいと考えた。

 とにかく予約をしていたところ、私が予想していたよりも早く到着した。

(つづく)

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2011/12/15

『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』 は Wii を買ってでもやる価値あり

ゼルダの伝説 スカイウォードソード

 発売日の翌日に届いてから、毎日時間を見つけては遊んできた。それが “とうとう” 終わってしまった。足かけ21日間、のべ65時間に及ぶ冒険が、終わってしまった。

 「やっと」 でなく 「ようやく」 でもなく “とうとう” という言葉を使ったのは、この冒険をもっと続けたいと素直に思ったからだ。それほどまでに、満足感と充足感がいっぱいつまったゲームだった。

 テレビゲームで、これほど ‘楽しみ’ と ‘おどろき’ と ‘感動’ を感じたことは、何年振りだろうか。思い出せないくらいに、久しぶりだ。


image ファミコンのディスクシステムで最初にプレイした 初代のゼルダの伝説 には、今でもはっきりと覚えているくらいにのめりこんだ。最近3DS用にリリースされた 初代ゼルダの伝説 を改めてプレイして、それが実は “美化された思い出” だと分かった。しかし、それでもなお “よい思い出” して私の中に残っていることに違いはない。

 それに対して、2作目の リンクの冒険 以降は、断片的には覚えているものの、そこまで楽しかったという記憶が残っていない。

image Nintendo64 で初めてゼルダの伝説が3Dで表現された時も、「進化したな」 とは思ったものの、小さな箱庭に押し込められた感と多少の遊びにくさがあったことが強く記憶に残っている。

 新作のゼルダの伝説をするためだけに、当時マイナーなゲーム機だった ゲームキューブ も買った。ゲームキューブは結局 『ゼルダの伝説 風のタクト』 と 『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』 をやるためだけのゲーム機となり、お蔵入りとなっている。

 『風のタクト』 は、見た目はともかく、プレイすると確かに 「ゼルダの伝説だ」 と感じられた。しかし、場所を移動するのがひどく煩わしく感じられたため、途中で一度挫折している

 『トワイライトプリンセス』 も確かに楽しかった・・・、はずである。というのも、自分でブログにそう書いてあるからだ。ところが、はっきりとした記憶がない・・・。思うに、満足感は高かったものの、それまでのゲーム性の延長でしかなかったため、記憶としては残りにくかったのではなかろうか。


 そして 『スカイウォードソード』 だ。『スカイウォードソード』 も、最初の部分は、それまでのゼルダの伝説シリーズの焼き直しとしか感じられなかった。

 モーションプラス機能を使うことで、ボタンではなく、リモコンとヌンチャクで剣と楯を操作する形は、ゼルダの伝説としては新しいものの、Wii スポーツなどですでに実現されているので、目新しいものでもない。

 だが、中盤以降、印象が大きく変わった。

 一番驚かされて感心させられたのは、時空石による 「リアルタイムで周囲だけ過去にさかのぼるシステム」 だ。

 これまでも、エリア単位で時間を巻き戻したり進めたりして謎解きをするパターンはよく見かけた。ところが 『スカイウォードソード』 では、時空石の周囲のみが時間をさかのぼり、周囲の状態が変化する。しかも、その範囲がリアルタイムに移動する。このアイデアは、私にはなかった。このアイデアを目の当たりにしたときは、素直に感動した。

 また、ゲームである以上、プレイ領域が限られるのは当然だが、この 『スカイウォードソード』 では、『時のオカリナ』 で感じられた 「こじんまりと閉じ込められている」 感がなかった。見せ方の技術が向上しているのを肌で感じられた。

 それ以外では、「身を隠しながらアイテムを探す」、「襲い掛かってくる大量の敵をばっさばっさとなぎ倒す」、「ボスキャラを連続して倒していく」 といった、他社のゲームのおいしい部分をいい意味で取り込みながらも、ゼルダの伝説 らしさを保持している。本当に優秀な人たちが作ったんだなー、と実感できた。


 1年に1本、できれば半年に1本ぐらい、この程度のゲームで遊びたいところではあるが、おそらくそれは無理というものだろう。このクラスのゲームを作るにはおそらく数年はかかっているはず。

 1年に1本、このクラスのゲームを出すには、この 『スカイウォードソード』 を作ったレベルのチームが数チーム必要だということだ。さすがの任天堂でもそれが無茶だということは、私でもわかる。

 任天堂のメジャーシリーズの一つでもある 『メトロイド』 の最新作である 『メトロイド Other M』 が、かなり残念だったことを思うと、『スカイウォードソード』 ほどレベルの高いチームを持つことは容易ではないはずだ。


 いずれにしろ、この 『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』 は、Wii をまだ持っていない人に、「Wii を買ってでもやる価値あり」 とお勧めしたいゲームだ。

 特に、その昔ファミコンゲームに熱中したものの、今はゲームで遊んでいない人たちの期待を裏切らない出来になっていると、自信を持って進められる。もっとも、『スカイウォードソード』 に満足した後、同等のクオリティを期待して他の Wii ゲームに手を出すと、落胆の度合いが一層大きくなるという心配もある。

ましてや、すでに Wii を持っていてかつモーションプラスも持っている人は、この 『スカイウォードソード』 をぜひプレイしてもらいたい。

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2011/11/21

スーパーマリオ 3Dランド 完全制覇

 11月3日に発売となったニンテンドー3DS用ゲーム 『スーパーマリオ 3Dランド』 (以下、3Dランド)を、ようやく完全制覇した。ここでいう完全制覇とは、裏表のコース上のすべてのスターメダルを回収して、すべてのコースの最後のポールのてっぺんにしがみつき、マリオとルイージの両方ですべてのコースをクリアすると出てくる通称 “王冠コース” を、マリオとルイージでクリアして、ポールのてっぺんもクリアしたことを指す。

 マリオで表コースをクリアした時のプレイ時間が15時間、裏コースをクリアした時のプレイ時間が25時間、そこから、ルイージですべてのコースを再クリアした時のプレイ時間が30時間だった。最後の王冠コースをクリアした時のプレイ時間が40時間だったので、最後の王冠コースだけで10時間もプレイしたことになる。 ちなみに、最後の王冠コースだけで、殺したマリオの数は200を超えていた。

 我ながらよくあきらめずにクリアできたものだと感心してしまった。


 最初に 3Dランド をプレイした時は、「あれ? もっさりしてないか?」 という感じを受けた。同様の感想は、ネットでもよく見かけた。

 というのも、Wii でプレイした 『New スーパーマリオブラザース Wii』 や 『スーパーマリオギャラクシー2』 は、もう少しスピーディーな記憶があったからだ。

 だが、一通り遊び終わった今は、「ちょうどいい動き」 だったと思っている。

 やや緩やかとも思えるキャラクターの動きが 「ちょうどいい」 と思えた理由はいくつかある。   

  • 画面が小さいため見渡せる範囲が狭い
  • コントローラーが持ちにくいため、微妙な操作がしにくい
  • 激しいコントローラー操作が要求されると本体を動かしてしまうため、3D で見づらくなってしまう

等々。

 3Dランド最後の王冠コースもけっこう厳しい設定になっていると思う。それでも、めげずにクリアできた理由の一つに、New スーパーマリオブラザース Wii や スーパーマリオギャラクシー2 のあの超いぢわるな最終コースもクリアできたという自信があったからだと思う。New スーパーマリオブラザース Wii や スーパーマリオギャラクシー2 の最終コースは、それほどきつかった。

 もちろん、「難しいなぁ」 と感じながら、「もう少しでできそう」、「あそこでこうすれば先に進めるんじゃないか」 と思わせる絶妙なバランスもあってのことだ。そのあたりは、毎回任天堂に感心させられるところでもある。

 トータルとして今回の 3Dランド の評価は、満点とはいかないものの、満足度が高いゲームであると感じた。一番残念なところは、3D の必然性をあまり感じられなかったことだった。


 ところで、3D 表示でゲームを長時間続けていると、その後にモノの見え方に違和感を感じることが何度かあった。特に、パソコンのディスプレイを見た時に強く感じる。ディスプレイが実際よりも近くや遠くに感じるような違和感だ。

 思うに、3DS に限らず、今の平面ディスプレイでの 3D 表示することに共通する問題のように思う。それは、目が距離を認識できる2つの機能が一致しないことから起こる問題だと思っている。

 目は、水晶体の厚さを変えることで近くに焦点を合わせたり遠くに焦点を合わせたりしている。近くに焦点を合わせれば遠くのモノはピンボケになり、遠くに焦点を合わせれば近くのモノははっきり見えない。

 二つの目をセットで考えた場合、左右の目の映る像の違いから対象物までの距離を認識する。近くものモノであれば、左右の目に映る像は大きく異なり、遠くのモノであれば左右の目に映る像にあまり違いがない。

 ところが平面ディスプレイでの 3D 表示では、前者の水晶体の焦点はどこを見ても同じなのに、後者の像の違いが存在する。これは現実世界ではありえない現象である。この不整合のために、3D ディスプレイでは立体感を感じられない人がいるのではないのだろうか。

 片目をつぶると距離感がうまくつかめないことから、距離感をつかむためには後者の像の違いが強く影響しているのだろう。その点で、右目と左目で異なる画像を見せて立体的に見せる手法が成り立つのだろう。

 ところで、視覚では止まっているのに、何らかの理由で三半規管が “揺れている” と感じると、視覚と三半規管の不整合でめまいがしたり気分が悪くなったりする。そこまで極端な結果にはならないとしても、目の距離に関する2つの機能に不整合が生じることで、気分が悪くなったり、3D 画面以外が変な感じで見えてしまうことは十分に考えられると思う。

 3Dテレビの普及が進まないらしい。

 もちろん一番の理由は、3D コンテンツの不足だと、私も思う。しかしもしコンテンツ不足が解消したとしても、視覚の不整合による見え方の違和感がある限り、一部の人たちには 3D 映像を受け付けられない理由になりそうな気がする。

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2011/10/28

TPPに関して思うこと

 2011年10月27日現在、TPP (環太平洋戦略的経済連携協定) の交渉に参加するかどうかで政府も国会ももめている。

 私個人の TPP に対する考えは 『参加すべきでない』 である。

私は経済の専門家ではないし、貿易の専門家でもない。単なる1市民の考えでしかない。得られる情報も限られているし、その限られた情報から下した判断なので、大きな勘違い・思い違いで判断している可能性も高い。

 それでも 「TPP に参加すべきでない」 と、強く思っていたりする。

 その大きな理由の一つが、

    「『現在の状況が今後も変わらない』、ことを前提にしている議論の話しか聞こえてこない」

点にある。

 たしかに現在は、日用品や食料品等を他国から好きなだけ輸入することができる。むしろ、米国や中国は、積極的にモノを買わせようとしている。

 しかし、歴史を見ればわかるように、一時の状況が未来永劫まで続くことはありえない。貿易品に限ってみても、“オイルショック” や “砂糖・小麦粉・コーヒーの品不足”、“レアアースの輸出制限” 等々、それまで簡単に輸入できていたモノが、急に輸入できなくなることが幾度も起こっている。

 仮に、TPP に参加をして、一時的に安価な食料品が大量に輸入されたとする。日本の一次産業は、かなりの縮小を余儀なくされる可能性がある。

 そして、もし、その後に世界規模の食糧不足が発生したら、日本は他国以上に食糧不足になってしまう。輸出国に 「売らない」 と言われれば、輸入することはできなくなってしまうのだから。そして、それまでに失われた農地や農業技術を復活させるのは容易ではない。

 「いや、農産物の輸出もしやすくなるのだから、日本の農業も拡大するはずだ」 という意見もあるだろう。私も、そうなる可能性は十分あると思っていた。3月11日までは。

 3月11日以降に、福島の原子力発電所が放射能漏れを起こして、日本の農産物を輸出できる機会は永久に失われた、と、私は思っている。

 以前にこういう話を聞いて、妙に納得してしまった。

     「店先で買おうと思っていたショートケーキに、ハエが止まっているのをあなたは見た。ハエは歩き回らずにそのまま飛んで行ってしまったが、さて、あなたはそのショートケーキを買う気になるだろうか?   
     理屈から言えば、ハエが止まっていた部分を排除すれば、ハエが止まっていないショートケーキと何ら変わらないはずだ。しかし、『ハエが止まった』 という事実、それだけであなたはそのショートケーキ全体が汚染されたように感じるはずだ。   
     ショートケーキを 『日本』、ハエを 『福島原発』 に置き換えれば、汚染されているのは福島原発周辺だけであろうと、海外から見れば、日本全体が汚染されているように感じてしまうはずだ。」

 放射能汚染されたように感じる農産物を、どこの国の誰が買いたいと思うだろうか。逆の立場であれば、私は買いたいとは思わない。なぜなら 『中国産』 というだけで購入にかなり抵抗がある私がいるからだ。


 今後の世界的な人口増加に備えて、自国でなるべく食料をまかなえるようにすることが最も重要なことだと、私は思っている。証券取引がなかろうが、自動車がなかろうが、コンピューターやケータイがなかろうが、人間は生きていける。しかし、食べるものがなくなれば、人は生きていくことができない。どちらが最重要かは、自明であるように私には思える。

 そして、人口減少。世間一般には、人口減少は労働人口の減少や市場規模の縮小として、悪いこととされている。しかし、日本の狭い国土で自給自足を考えた場合、むしろ人口減少は都合がよいととらえることもできるのではないだろうか。

 北欧には日本よりはるかに人口が少なくても、日本と同等以上に豊かな生活を送っている国がいくつもある。

 その昔、「巨大戦艦と巨砲こそが強い軍事力の証」 という時代があった。だがその後、戦艦よりはるかに小さい航空機と空母の組み合わせが、巨大戦艦を時代遅れにした。人間社会も似たようなことが起こっているのではなかろうか。

 巨大な組織を作って、数の力で国力を誇る時代が過ぎ去り、情報機器を使って個人同士が直接つながって大きな力を持つ時代になってきているように思える。

 その意味で、人口 (というよりは安価な労働力) を意図的に増やすために、安易な移民受け入れには、私は絶対に反対である。欧州の移民政策の失敗を見るとなおさらそう思う。


 ところで、

私が学生の時、『生類憐みの令』 は “天下の悪法” と教わった。それが最近では、「生類憐みの令 は当時の日本人に 『生命の尊重』 を植え付けた画期的な法律だった。そして、現在の海外に賞賛されている日本人のモラルの高さに結びついている」 という評価になっているという話をよく目にする。

 もちろん行き過ぎた部分もあっただろうし、当時の人たちにしてみれば、それまでの価値観を180度ひっくり返されるわけだから、“天下の悪法” と言われても仕方がなかったのだろう。

 ひるがえって現在を見ると、『経済成長』、『グローバル化』 といった価値観が正しいものとされている。それを私は “経済絶対主義” と表現した。

 しかし、国土が焼け野原となり、食うにも困る時代に有効だった価値観が、十分に社会資本が整備されて世界有数の経済大国となった時代にも有効とは限らないと思う。

 とはいえ、国の在り方を根本的に変えるためには、システムを根本的に変えなくてはいけない。そして、今現在のシステムを規定している法律があり、その法律下で権力を持つ人たちがシステムを変えようとするとは到底思えない。

 近年、日本が過去のしがらみとらわれずにシステムを変えられたのは、“太平洋戦争敗戦” と “明治維新” だ。どちらも当時の法律に縛られない 『超法規的なやり方』 で日本の古いシステムを刷新して、日本を変えてきた。

 とすると、閉塞感ばかりが蔓延している今の日本を刷新するには、やはり “超法規的な力” が必要なのかもしれない。それがどんなものなのか、私には到底想像もつかないが。

 欧米では、「一握りの人たちが富を独占している」 ことに対する抗議デモが起こっている。日本でも似たような小規模デモは起こっているようだ。しかし、デモが大規模となり、暴徒化するようになる前に、権力や富を握る人たちが自らが率先して国のために身を削っていってほしいのだが、九州電力の経営幹部のありよう等を見ていると、どうやらそのような事態は期待できそうにないのが残念で仕方がない。

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2011/10/03

P42-HR02 と VDR-R2000 の使い勝手の比較をしてみた

 maxell VDR-R2000 は、日立のテレビ Wooo 07 シリーズをもとに作られているといわれている。maxell は日立の子会社であるし、実際、機能やユーザインタフェースを見る限り、Wooo 07 シリーズから映像表示機能 (とトランスコード機能の一部) を取り外したものと思われる。

 ということで、2008年発売の P42-HR02 と 2011年発売の Wooo 07 シリーズで、自分なりの使い勝手の比較をしてみた。


リモコン

VDR-R2000Remote
P42-HR02 VDR-R2000 P42-XR07

 余談になるが、我が家の P42-HR02 のリモコンは、だいぶくたびれてきている。何度か床に落としていることも影響しているだろうが、よく使うボタンの反応が鈍くなってきている。電源ボタン や 戻るボタン は強く押し込まないと反応しづらい。「3年も」 なのか 「3年しか」 なのかは意見が分かれるところだろうが、私としては 「3年しか」 使っていないのに、という気持ちだ。とまぁ、これは使い勝手とは直接関係のない話だった。

 P42-HR02 と VDR-R2000 のリモコンを比較すると、ボタンの一つ一つが VDR-R2000 の方が大きく押しやすくなっている。押したときの感触も VDR-R2000 の方がよい。

 ちなみに、一番右の P42-XR07 のリモコンと VDR-R2000 のリモコンを比べるとよく似ていることがわかる。

 P42-HR02 と VDR-R2000 では、リモコンの機能にほとんど差はない。ただし、ボタンの配置が若干変わっている。特に使い勝手で大きく異なるのは 「早送り/巻き戻し(サーチ)」 と 「スキップ」 のボタン配置だ。

 P42-HR02 では、「早送り/巻き戻し(サーチ)」 同士、 「スキップ」の左右同士が隣り合っている。それに対して、VDR-R2000 では、再生・停止といったボタンを挟んで、右側に 「早送り」 と 右の 「スキップ」。左側に 「巻き戻し」 と 左の 「スキップ」 が配置している。

 使いやすさは慣れの影響が大きいが、わかりやすさという意味では、VDR-R2000 の進ませる機能を右に、戻る機能を左に配置する形式の方が、わかりやすいと感じる。

 また、P42-HR02 では、「30秒送り」 ボタンと共有していた 「番組検索」 ボタンが、VDR-R2000 では一番使いやすい位置の大きな 「さがす」 ボタンとして独立している。おそらく、当初は番組検索をおまけ程度に考えていたのが、実はユーザーにとって重要な機能であることに気が付いたためではなかろうか。

 リモコンそのものの形状もだいぶちがう。P42-HR02 のリモコンが一様な厚さなのに対して、VDR-R2000 のリモコンは、手前になるにしたがって厚さが薄くなる。しかも、リモコンの裏面に2か所、横溝がついており、人差し指をリモコンにひっかけやすくなっている。その形状により、VDR-R2000 のリモコンの方が圧倒的に持ちやすい。

 また細かいところでは、VDR-R2000 のリモコンには下向きの赤外線発信部もついており、リモコンを立てて使っても、きちんとリモコン操作ができるのがよい。


チャンネル切り替え

 テレビ放送がデジタル化されて、チャンネルの切り替えに時間がかかるようになった。デジタル放送の仕組み上仕方のないこととはいえ、使う側としては気分のいいものではない。 

 チャンネルが切り替わる速さは、VDR-R2000 の方が若干早いかな、と感じる。しかし、明らかだと感じるほどではない。

 P42-HR02 は、チャンネルを切り替えた時に、画面右上にチャンネル番号が出るだけだ。それに対して、VDR-R2000 は、画面上端にチャンネル番号だけでなく、今放送されている番組のタイトルが表示される。これは確実に VDR-R2000 の方が使い勝手が良い。民放の場合、チャンネルを切り替えた時にコマーシャルに遭遇する確率がなぜか高い。そんな時も、VDR-R2000 であれば、番組表や番組情報を見ることなく、どんな番組をやっているかが、チャンネルを切り替えるだけでわかるため、使い勝手が良い。

 Wooo には 「裏番組」 を見る機能がついている。メインの画面を切り替えることなく、画面下部に、他のチャンネルや録画した番組の情報を表示する機能がある。

 P42-HR02 では、文字情報だけでなく、映像も小窓で見ることができる。そのおかげで、2画面表示に切り替えずとも、コマーシャルをやっている間だけ他の番組に切り替えることが容易にできてとても便利だ。ところが、VDR-R2000 では、文字情報は出るものの映像は出ない仕様になってしまった。この点は、P42-HR02 の使い勝手が圧倒的に良い。


番組表・番組検索・予約一覧・録画番組一覧

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P42-HR02 VDR-R2000

 見た目にもっとも大きく変わったのは、番組表、番組検索、予約一覧 や 録画番組一覧といった、「表示インタフェース」 部分だろう。

 P42-HR02 のシンプルではあるが、シンプルゆえの見やすさがある。対して、VDR-R2000 は色をふんだんに使って見やすくしようとしているのだが、かえって見にくくなっている。

 表示速度に関して、全体としては VDR-R2000 の方が早いと思うのだが、表示が凝っているせいなのか、リモコンでボタンを押してからの反応が鈍い個所が VDR-R2000 ではいくつか見られる。たとえば、一覧表示でフォルダ部分からリスト部分へフォーカスを移動する時などだ。

 細かい点としては、一覧のスクロールの仕方に違いがみられる。

 P42-HR02 では、上下キーで1行ごとのスクロールが可能だ。それに対して、VDR-R2000 では1ページごとのスクロールしかできない。具体的に言うと、VDR-R2000 ではリストの一番下が選択されているときに下キーを押すと、一覧が次のページに書き換わって、次のページの一番上が選択される状態になる。P42-HR02 で同じ操作をすると、一覧表示の1行分上にスクロールをして、選択部分は一番下のままとなる。

 その説明だけではどちらの使い勝手が良いかわかりにくいが、一覧の最後の部分で使い勝手に大きな差がでてくる。

 たとえば、5行表示の一覧で、残り3行のスクロールをした場合、

 P42-HR02 では、

image

となる。どこまでが前のページで表示されていた部分で、どこからが新しく表示された部分なのか分かりにくい。

 これが VDR-R2000 では、

image

となる。リストの終わりに空白行ができるため、ここが一覧の最後だと分かりやすい。さらに前のページと重複して表示される部分がないため、すでに確認した内容かで悩む必要もなく、使い勝手が良い。


 

総合的にみて、VDR-R2000 (= Wooo 07) の方が使い勝手がよくなっていることを実感できる。3年間で明らかに進歩しているといえるのではなかろうか。

 ただ、独自の表示方式をやめて、Gガイドの提供する番組表を利用するようになったせいか、番組表が見づらくなったり、見たくもない広告が表示されるようになったりと、機能低下している部分も見られるのが残念だ。

 おすすめ番組表やキーワードによる自動録画機能は、私にとって無用の長物でしかない。それらのない昔のシンプルなインタフェースの方が、私は好きだ。

 そして、VDR-R2000 で一番退化していると感じたのは、

    「番組検索のキーワードを、番組表からもってこれなくなったこと」 だ。

 P42-HR02 では、番組表の番組情報から文字を切り取って、番組検索のキーワードに持ってくる機能があったのだが、VDR-R2000 ではそれがなくなっている。おそらく Gガイド に対応したために情報のやり取りができなくなったのだろう。

 番組を検索する時は、キーワードを完全に一致させないと検索してくれない。あいまい検索をしてくれないのだ。たとえば、私が最近よく見る番組に NHK の “趣味の園芸 やさいの時間” がある。検索キーワードに 『ヤサイ』 や 『野菜』 を入れたのでは、この “やさいの時間” を見つけることができない。番組を正しく検索するためには、番組表に記載されている文字をそのまま取り込める機能は、極めて使い勝手が良かった。

 以前にパソコンのソフトウェア開発をしていた時、いくら使われていないと思えるような機能であっても、バージョンアップでなくすことはできなかった。下手をするとリコール問題になりかねないからだ。家電はパソコンと違って、ソフトウェアとハードウェアが一体だからできることなのだろうが、私にはとても残念でしようがない。

            
            
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2011/09/26

私が VDR-R2000 を買った理由(わけ)

 私は早い時期から、デジタル録画機を導入していた。

 最初に買ったのは 東芝 RD-2000 だった。2001年のことだから、もう10年も前の話だ。その後、2004年に同じ東芝の RD-XS41 を買い、2011年現在もまだ現役で使っている。

 RD-XS41 は買って間もなく DVD ドライブが故障したものの、それ以後は問題なく7年間稼働してきた。2008年に Wooo P42-HR02 が我が家に来てからは、我が家のメインの録画機は、ハイビジョンで録画できる P42-HR02 となり、RD-XS41 は録画番組が重なった時に使われるサブ機となった。それでも、P42-HR02 が1番組しか録画できないため、RD-XS41 もずいぶんと働いてきた。

 2011年7月のアナログテレビ放送停止を控えた2011年の前半は、「早いとこ RD-XS41 を買い替えなきゃなー」 と思っていた。「今から買い替えるんだったら、やっぱ ブルーレイディスク (BD) だよなー」 とも思っていた。

 思っていたのだが、ある日 “デジアナ変換” なる文字が、RD-XS41 に録画した番組の画面右上に表示されていることに気が付いた。

 そう。私の住んでいる集合住宅は、ケーブルテレビ会社からの送信でテレビ放送を見ている。2014年までのデジアナ変換措置を、私が使っているケーブルテレビ会社も行っていたのだ。

 ということであれば、何も無理して急いで RD-XS41 を買い替える必要はない。アナログ放送停止直前は地デジバブルがあるのはわかっていた。そのバブルが終わって、地デジ対応機器の価格が落ち着いてから RD-XS41 を BD に買い替えることに決めた。


 RD-XS41 の代わりとして候補に挙げていたのは、パナソニックとソニーの BD レコーダーだった。東芝を候補に入れなかったのは、あちこちのクチコミサイトや個人ブログでの評価がよくなかったためだ。頻繁にハングしたり再起動したりするようでは、安心して使えないと思った。

 そんなことをあれこれ考えていると、iVDR スロットを持つハードディスクレコーダー 『VDR-R2000』 が発売されるというニュースが発表になった。Wooo P42-HR02 ですでに iVDR の利便性を知り、iVDR カセットを数本買い増している私にとっては、かなりうれしいニュースだった。

 ただ、VDR-R2000 では解決できない課題もある。それは、「レンタル BD を見ることができない」 ということと、「iVDR がマイナーな規格」 だということだ。

 BD レコーダーはもちろん BD ビデオディスクが見られるので、BD レコーダー1台買えば、BD プレーヤーを買う必要はない。しかし、VDR-R2000 を買ってしまうと、BD ビデオディスクを見るには、別途 BD レコーダーか BD プレーヤーを買わなければならない。これは余分な負担になる。

 さらに、DVD が BD プレーヤーでも見られるように、おそらく BD の次の世代の規格でも、BD は再生できるであろう。しかし iVDR が今後も長く続いていくかは、かなり疑問だ。

 とりあえず、VDR-R2000 が発売されてもすぐに買うわけではない。買うとしても、ある程度時間が経って、価格がこなれてからにするつもりだったので、その間にどうすべきかじっくりと考えた。


 VDR-R2000 が発売されてしばらくたったある日、近所の家電アウトレットの店に行くと、VDR-R2000 が3万円を切る値段で売られていた。3万を切ったら買おうと思っていた私は、思わず衝動買いしそうになった。というのも、VDR-R2000 が3万円を切るのは、まだまだ先のことだろうと思っていたからだ。

 しかし、上記の課題の結論をまだ出していなかったため、その場はなんとか思いとどまり、改めて今後どうすべきかを家でじっくりと1日考えた。

 VDR-R2000 の発売を聞いてからぼんやりと思っていたことを、改めて具体的な考えにまとめて出した結論は以下のようなものだった。   

  1. P42-HR02 には録画番組を外部に出力する方法が(実質的に) iVDR しかない。
  2. iVDR はマイナーな規格であり、いつ対応機器が製造中止になるかわからない。
  3. 対応機器がなくなれば、撮り貯めたコンテンツを見る方法がなくなる。
  4. であれば、今のうちに iVDR に保存したコンテンツを他に移す手段を持つべきである。
  5. VDR-R2000 は DLNADTCP-IP に対応しているため、iVDR カセットに保存したコンテンツを外部のストレージにネットワーク経由で移動できる。
  6. VDR-R2000 を買うべきである。

 将来的には、DTCP-IP に対応した NAS を設置して、そちらに録画したコンテンツをすべて保存すれば、(ネットワークにつながってることが必要だが) テレビやパソコン、あるいはタブレットやスマートホンといった、あらゆる機器で撮り貯めたコンテンツを見ることができるようになる(はず)。

 さらに言えば、BD の将来性にも徐々に疑問を感じるようになった。

 CD → DVD と順調に需要を伸ばしてきた光メディアディスクであるが、ハードディスクや半導体メモリの大容量化に追い付いていない、と思っている。ハードディスクのバックアップに光ディスクが、実質的に使い物にならなくなって久しい。

 DVD-R や DVD-RAM は今でも使っているし、これまでに数百枚の CD-R、DVD-R にデータを保存してきた。その経験から、固定メディアに比べて 「光メディアディスクへの記録には時間がかかる」、「メディアの管理が煩雑になりやすい」、「メディアの入れ替えが面倒」 といったマイナス面が多いことを、ずっと不満に思っていた。

 その点、大容量の固定メディアであれば、メディアを入れ替える必要もないため、欲しいコンテンツをすぐにみることができる。ただ大容量メディアにも、問題はある。メディアが破損した時の被害が大きいということだ。その問題も、昨今の大容量ハードディスクの急速な低価格化により、RAID 化するといった方法でデータを消失する危険を、安価で簡単に回避できるようになってきていると思う。

 いずれにしろ、保存したコンテンツを BD といった光ディスクメディアや iVDR といった小容量のリムーバブルメディアに保存していくという時代は、徐々に終わろうとしていると感じている。

 余談になるが、VDR-R2000 を購入した後に見つけたのが、こんな記事だ。

 メディアサーバー機能を持つ VDR-R2000 は、今後私が主流となると予想している 『大容量ホームネットワークサーバー』 へ、橋渡しができる機器だと考えて、購入に踏み切った。

 残念ながら今現在は、VDR-R2000 をサーバーとして、機能していない。つまり、VDR-R2000 に録ったコンテンツは、HDMI で直接つないだテレビでしか見られない状態だ。ネットワーク経由でコンテンツを見られる機器が手元にないからだ。昨年買い替えたパソコンは、本体やビデオカードの性能は十分なのだが、パソコンにつないでいるモニターが、保護されたコンテンツの再生に対応していない。コンテンツ保護が規格化されるはるか以前に購入したものなので、当然といえば当然なのだが、新たな出費を利用者に強制するコンテンツ保護というものが、やはり行き過ぎているように感じられて仕方がない。

 今は、保護コンテンツの再生に対応した (具体的には、DTCP-IPに対応した) スマートフォンやタブレットの購入を考えている。もちろんそれらの価格がこなれてきてからの話だ。パソコン経由ではあるものの、無線ネットワーク環境もある。無線ネットワーク経由であれば、好きな場所でコンテンツ再生を楽しむことができる。私の予想としては、そうなるまでまだ1年ぐらいはかかりそうだ。

 なお、BD ビデオの再生環境については、それほど頻繁に視聴する予定はないので、今すぐ導入する予定はない。今後、BD プレーヤーを買うのか、PlayStation 3 といった BD ビデオも再生できる機器を買うのか、あるいはパソコンの BD ドライブを買おうか、いろいろと考えているところだ。もしかしたら、導入せずに済ませてしまうかもしれない。



maxell VDR-R2000

楽天市場

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2011/09/19

冷蔵庫を新しくしたら、電気代が月1000円下がった

 7月上旬に冷蔵庫を買い替えた。

 それまで使っていた冷蔵庫は、結婚した時に買い、もう15年使ってきた。東芝の “GR-H31M” という 300ℓ クラスの冷蔵庫だ。15年使い続けてもまったく壊れる様子もない。つまり、壊れたから買い替えたというわけではない。

 買い替えの理由は、「モノが冷蔵庫に入りきらなくなった」 ためだ。私が家庭菜園を始めたことが大きく影響している。

 7月になり暑くなると、キュウリとトマトが大量に採れた。多い時は、1日でキュウリが2kgも採れた。とても家族3人では食べきれない。トマトはミニトマトであったが、やはり1日で30個も40個も採れた。ので、キュウリは塩漬けにして、トマトはそのまま冷凍にして保存することにした。

 そうなると、ただでさえいっぱいいっぱいの冷蔵庫には、もはやヤクルトを入れる隙間もないくらいにキュウリやトマトが詰め込まれていく。

 そんな状況でまず考えたのは、「冷凍庫を買い増す」 ことだった。というのも、カミさんが一番困っていたのが “冷凍室がいっぱい” になってしまうことだった。

 子供が毎日お弁当を持っていくため、カミさんはお弁当用のおかずを小分けして冷凍している。もちろん1種類だけでなく、何種類ものおかずを冷凍にしているため、それだけでかなりのスペースを冷凍庫内で占有してしまう。それに加えて、大量のミニトマトを冷凍保存しようとするのだから、収まりきらなくなったのだ。

 調べてみると、単体の冷凍庫はそれほど高いわけではない。問題になったのは、価格ではなく置き場所だった。

 さほど広くない我が家では、キッチンに何かを置くスペースはすでにない。かといって、キッチン以外の場所、たとえばリビングに冷凍庫を置くのもちょっとためらってしまう。

 結局、冷凍庫単体を買い増すのはやめて、冷蔵庫を一回り大きいものに買い替えることにした。


 それまで使っていた冷蔵庫が 300ℓ クラスだったので、新しい冷蔵庫は 400ℓ クラスにすることにした。400ℓであれば、冷蔵庫の幅がほとんど変わらないため、古い冷蔵庫を置いている場所に、そのまま新しい冷蔵庫を置けると考えた。これが 500ℓ クラスの冷蔵庫になると、冷蔵庫の横幅が大きく広がってしまう。冷蔵庫をキッチンの入り口にはみ出して置いてある我が家では、冷蔵庫の幅が広がればキッチンに出入りしにくくなってしまうのは目に見えていた。

 そして、新しい冷蔵庫を選択するための重要なポイントを 『冷凍庫の大きさ』 に置いた。というのも、価格コムなどで各社の 400ℓ クラスの冷蔵庫を比較すると、意外なほど冷凍庫の容量が違っているのだ。各社のコンセプトの違いが判ると思った。

 結局、『冷凍庫の大きさ』、『価格』、『クチコミでの評判』 を参考にして、

を買うことに決めた。

 クチコミサイトでの評判は良かったものの、やはり最終的には自分の目と手で確認しなければと思い、近所で一番安いと思われる家電量販店に行った。GR-D43N は人気機種だけあって、ちゃんと実機が置いてあった。冷蔵室の扉を開けて内部のレイアウトを観察して、実際に今使っている冷蔵庫に入っているモノを置いていくシミュレーションを頭の中でしていく。冷凍庫や野菜室の引き出し開けると、明らかに今使っている冷蔵庫よりも大きい。これならば今までの倍のモノは入れられそうだった。

 そして何より販売価格が気に入った。事前に調べておいた価格コムでの最低価格とほぼ同じ価格だった。さらにその日は、その店の会員であれば5%引きになるという。これはもう買うしかないと思った。冷蔵庫の購入と同時にその店の会員登録を済ませ、無事に5%引きで購入することができた。古い冷蔵庫の引取りの運送料も安く済ませることができたため、トータルで見ると確実に価格コムの最安店で通販購入をするよりも安く上がった。


 購入から3日で GR-D43N は届いた。 

 事前にそれまでの冷蔵庫の中を少なくしておき、冷凍食品用に発泡スチロールボックスや大量に保冷バックを用意しておいたおかげで、搬入も搬出もスムースに行えた。古い冷蔵庫は廃棄するためなのか、引っ越しの時のように前日に運転を停止して、内部の冷媒を落ち着かせる必要もなかった。


 そして、新しい冷蔵庫を使い始めて2か月が過ぎた。

 まず、8月に届いた7月分の電気料金を見て驚いた。明らかに電気料金が安くなっている。前月に比べても安いし、昨年の同じ月に比べてもはっきりと安くなっていた。

 それでも、7月は家族旅行に出かけたこともあり、「もしかしたらそのせいかも?」 という疑いが多少あった。なにより、最初の1か月だけで判断するのは早計だという気持ちもあった。

 しかし、9月に届いた8月分の電気料金を見て確信した。

    「新しい冷蔵庫にしたことで、確実に月の電気料金が1000円以上安くなっている」

と。

 ここで改めて、以前使っていた GR-H31M と新しく買った GR-D43N の仕様を簡単に比較してみた。それが下の表だ。

 GR-H31MGR-D43N
年間消費電力量 588kWh 300 kWh
年間電気代 12,936円 6900 円
ドア数 3 5
発売年 1996年 2011年
定格内容積 310 ℓ 427 ℓ
冷蔵室 165 ℓ 217 ℓ
冷凍室 75 ℓ 110 ℓ
野菜室 70 ℓ 100 ℓ
独立製氷室   7 ℓ
590 mm 600 mm
奥行き 620 mm 682 mm
高さ 1650 mm 1801 mm
 

メーカーの出している仕様だけからも、はっきりと電気代が安くなることがわかる。ただ、この仕様から計算すると、ひと月あたりの電気料金差は、

    (588kWh - 300kWh) / 12ヶ月 = 24kWh/月

    24kWh × 24.13円/kWh = 579.12円

となり、1000円にぜんぜん足りない。

 ところが、GR-H31M の年間消費電力量は2006年以前の古いルールに従って算出しているため、実はそのままでは GR-D43N と単純比較ができないのだ。

 東芝のサイトにいくつか冷蔵庫で古いルールと新しいルールでの年間消費電力量の両方が掲載されている。すると、古いルールと新しいルールでは、その値が2倍~3倍以上新しいルールのほうが大きく算定されるのだ。ということは、上の 588kWh という GR-H31M の年間消費電力量が 1000kWh 以上であってもぜんぜんおかしくないということになる。ちなみに8月の去年と今年の使用電力量差は 77kWh だった。この数値を当てはめて計算すると、

    77kWh × 12ヶ月 = 924kWh

    924kWh + 300kWh = 1224kWh

となり、古いルールでの 588kWh と比較をしてありえない数値ではないことがわかる。もし、1224kWh が GR-H31M の年間消費電力量だとすると、年間電気代は

    1224kWh × 22円/kWh = 26928円

となる。GR-D43N と比較して、年に2万円も多く電気代を払う計算になる。

 GR-D43N を約9万円で買ったことを考えると、4年半で元が取れてしまう。まぁ、実際には冬場の消費電力差も見てみないと何とも言えないが。


 それにしても、わずか15年でここまで冷蔵庫が進化しているとは、正直驚いた。半導体やコンピューターを異なり、家電はずっと以前に開発しつくされて、今後はそれほど大きな変化は起こらないだろうと思っていた。

 調べてみると、これだけ冷蔵庫の効率が上がったのはここ数年のようだ。つまり、10年前の冷蔵庫と比較しても、格段に電気代が安くなるようだ。その意味で、いいタイミングで冷蔵庫を買い替えたと思っている。

 以前であれば、「うわぁ、これどこにしまおうか」 と悩む量の買い物をしても、ぜんぜん余裕で冷蔵室と冷凍室に収まる。そして、使っていけばいくほど以前の冷蔵庫を使い続けていたよりもお金がかからなくなる。いいことづくめだ。

 本当に冷蔵庫を買い替えてよかった。


東芝 GR-D43N(NS)
(楽天市場)

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2011/09/12

思い出は美しすぎて・・・

 Nintendo 3DS を発売直後に 25000円 で購入した私としては、8月に行われた 1万円 の値下げは結構なショックであった。同時に発表された、値下げ前の購入者に対する特典 『アンバサダー・プログラム』 も、古いゲームにさほど思い入れのない私にとっては、さほどうれしいものでもなかった。

 そんな私の後悔とは関係なく、アンバサダー・プログラムの最初の10タイトルが、9月1日に公開された。ちなみに、私はたまたま8月31日の夜に、それらのファミコン10タイトルを数時間早く “フライング・ゲット” してたりした。その日たまたま 『ニンテンドー e ショップ』 にアクセスしたことで、すでにアンバサダー・プログラムファミコン10タイトルがダウンロード可能となっていることに気づいたのだ。もっとも、ダウンロードはしたものの、すでに夜遅かったこともあり、そのまま遊ばずに寝てしまった。


 翌日以降、暇な時にダウンロードしたファミコン10タイトルを順番に触っていった。時間にすると、1タイトルにつき5分~10分、長いもので30分程度遊んでみた。

 そして結論から言うと、

    「遊ぶのがつらい・・・」 ○| ̄|_

 その感想は “ゼルダの伝説” や “メトロイド”、“スーパーマリオ” といった、当時やりすぎてお腹一杯のタイトルだけに対してではない。それ以外の遊んだことのないタイトルに対しても、まったく面白さを感じることができなかった。そのネガティブな感覚は、3D化されて無料で配信された “エキサイトバイク” をプレイした時と全く同じだった。

 25年前にキロバイト単位の極小容量に詰め込まれたプログラムだ。それを実行するCPUも、今の若い人は知らないであろう AppleII と同じ8ビットでメガヘルツ単位で動作していたのだ。繊細な動きや操作を補完する動きもできようはずはない。プレーヤーに表現できる内容も極めて限られる。それでも、25年前の当時は、それこそ寝食を忘れるぐらいに熱中して遊び続けたのは間違いない。

 だが25年の間に、ゲーム機とゲームの表現力が飛躍的に向上した。描画方法も3Dが主流になった。3DS に至ってはデータが3Dというだけでなく、表示方法まで3Dになっている。

 そんな高度に発展したゲームに慣れきった感覚は、25年前の貧弱な表現方法には耐えられなくなったということのようだ。


 それにしても。

 そんな現実を目の前に突き付けられてもなお、25年前に夢中で遊んだという “ほんとうに楽しかった” 思い出は、変わらず私の頭の中に鮮明に残っている。

 25年前と全く同じゲームを今遊んでも、苦痛に感じるだけで、ぜんぜん楽しくない。それが現実だ。しかし、頭の中には、あの当時、毎日何時間もテレビの前に張り付いて遊んでいたのに、苦痛などころか、いつまでも遊んでいたいと思っていた楽しい思い出をはっきりと覚えている。本当に不思議な感覚だ。

 大昔にヒットしたゲームを最新のゲーム機用に移植する時に、移植を担当した開発者は、その “美しすぎる思い出” を上回る移植をしなければならないので大変である、といった内容のインタビューを読んだことがある。場合によっては、新作を開発するよりも大変そうだ。


 この後、今年中に アンバサダー・プログラム ゲームボーイアドバンス10タイトル が提供されるらしい。

 私は ゲームボーイアドバンス を持っていなかったので、それらの10タイトルも当然プレイしたことはない。つまり、私の頭の中に “美しすぎる思い出” はない。それは私にとってはとてもラッキーなことだ。しかも、それらのゲームは10年ほど前に発売されたものだ。25年前に発売されたゲームに比べれてはるかに洗練されているはずだ。

 すでに提供されている ファミコン10タイトル では、値下げ分 1万円 の半分、5000円分の価値は到底感じられなかった。5000円どころか、1000円分の価値さえ感じられなかった。

 ゲームボーイアドバンス10タイトルが、私にとって 1万円分 の価値があることを願うばかりである。

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2011/09/05

犯人は Cookie だった

 だいぶ前から起こっていた問題なのだが、YouTube の動画を見ようとすると “エラー” と表示されてしまい、見られなくなっていた。

 YouTube のサイト上で見る分には、なんの問題もなく見られる。エラーが表示されて見られないのは、他のサイトにエンベッドされた YouTube の動画だ。

 エンベッドで貼り付けられた動画を、張り付けられた場所で見られなくとも、張り付けられた動画のメニューから YouTube のサイトを開いて動画を見られた。ので、気になってはいたものの本気で原因を調べようとはしていなかった。

 ところがある日、また見られない貼り付け動画に遭遇した時に、なにげに原因をググってみた。

 すると、

    「Cookie をクリアすると解決する場合がある」

という解決方法が、いくつかのサイトに書かれていた。

 Cookie はセキュリティの観点から、保存しないほうが良いと言われていることは知っている。しかし、私は利便性のほうを優先させて、Cookie を受け入れるようにしている。

 どうやら、保存されている Cookie の内容と、更新されたサーバー システムとの間に不整合が発生したため、エンベッドされた動画の再生がエラーとなってしまうようだった。

 問題解決には Cookie をクリアすればよい。Cookie のクリアはブラウザのオプションでボタンをクリックするだけでよい。簡単な操作だ。

 とはいえ、私がよく使うサイトは使用状態を Cookie で保存しているため、Cookie クリアしてしまうと、もう一度サイトのカスタマイズをやり直さなくてはいけなくなる。それがおっくうで、これまで Cookie のクリアを避けてきた。

 だが、今回は 「これも Cookie を整理するいいチャンスだ」 と考えて、思い切って Cookie をクリアした。Cookie クリア後は、案の定、いくつのかのサイトでカスタマイズをやり直す羽目になった。

 問題のエンベッドされた YouTube 動画はというと・・・、おぉ、他のサイトに貼り付けられた動画もちゃんとその場所で再生できるようになった。地味にうれしい。


YouTube の貼り付け動画が再生できるようになったことで、もう一つの問題を思い出した。それは、 

問題だった。

 以前は、Firefox を使っても auお客様サポート に問題なくログインできていた。それが少し前のサイトリニューアル以後、Firefox からログインしようとすると “S002” のエラーが出て、ログインできなくなってしまったのだ。

 Internet Explorer (IE) を使えばログインできるのだが、日常的に Firefox を使い、IE はほとんど使っていない。auお客様サポート にアクセスする時だけ IE を起動させることはあまりしたくなかった。

 そこで、一度は auお客様サポート に電話をして、解決方法を聞いたこともあった。その時は、よくある 「設定を初期化してください」 という “ありがたい”(笑) お言葉をいただいたものの、丁寧にお断りをして(笑)、結局解決しなかった。自分でも Firefox をどうカスタマイズしたか覚えていないため、再度同じ設定に戻すために四苦八苦するならば、多少面倒でも頻繁にアクセスるわけでもない auお客様サポート の方で苦労しようと考えた。

 ただ、よく覚えていないのだが、「Cookie をクリアしてください」 というアドバイスも言われたような気がしないでもない。そして、もし Cookie のクリアを言われたとしても、おそらくその時は拒否していたはずだ。

 結局、auお客様サポート のログイン問題も、今回の Cookie クリアで解決していた。


 私自身は Cookie の仕組みをよく理解していないので、大きなことは言えない。 

 しかし、Cookie はもともとそのサイトの要求で保存したものであるはずだ。ならば、保存してある内容と不整合が生じてエラーとなった場合も、それを解消する方法をアクセスしているユーザーに提示するような実装はできてもよさそうだ。

 それができていないのは、セキュリティー上の理由でできないのか、あるいは、サイト製作会社の頭の中は、いまだに 「インターネットを使う人間はコンピューターに精通している人のはずだから、そんな細かいところまで考慮する必要はない」 となっているのか。個人的には、後者の気がして仕方がない。

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